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【本編】第1章 オランビス島

第1の鍵〜オランビス島〜

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第1の鍵~オランビス島~

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---ハワイのとある海域。入道雲が映える青い空に透明なマリンブルーの海。青と白が際立つこの場所に1つの島が浮かんでいた。


それはオランビス島。


白く砂浜に風になびくヤシの木、南国の花が色彩に咲き乱れている様はまるで楽園のよう。

南国の花は島のシンボルとなり、住民が着る服やアクセサリーに施されていて、オシャレなデザインになっている。

また、この島は一年中温暖な地域の為、建物は藁と木造が主流であり、風通しの良さが特徴。

山に行けば果物の採集、海行けば漁業が盛んで、採れた食材は、祀られている神のを供物として献上したりもする。

暖かい気候と豊かな自然が住民たちの生活を支えていた。


一見、観光地としてありそうな島だが、簡単に辿り着けない。上陸するには条件があった。

1つ…役割を持った人間。
役割は島の存在を知り「導かれた人間」を島へ誘導させるのが役目。これは半年前に漂流した宝来正英と宮部勉の2人を指す。

実際に彼らは島に漂着して、帰国後は いるか達を海外視察としてオランビス島へ行くようにと指示をしている。

そして2つ…導かれた人間。
「役割を持った人間」によって、島に導かれた人間。これは、海原いるか、杉町みふる、宝来翡翠の3人を指す。

役割はこれから起きる神の怒りから、世界を救う事が役目。それまで元の世界に戻る事ができない。





2つの役目を見て気付いた方はいるだろう。そう…オランビス島は地図に存在しない。異世界への入り口だという事に。


そんな事を知らない いるか達は、島に着くまで船のデッキで立ち話をしながら、海の景色を楽しんでいた。


その様子を見ていたオランビス島の副村長ナマリは、黒い笑みを浮かべる。



(…ああ…やっと神への生贄を手に入れた。)
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