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「画面で読むと読解力が下がる」に気づいたきっかけ

すでに何度か、
「ＰＣやスマホの画面で文章を読むと読解力が下がる」
「だから分かりやすい文章を心がけるべき」
「一つの文章は短く」
「一文ごとに改行」
「空白行を多めに」

と書いています。

小説の創作論で、紙書籍とＷＥＢ小説の違いとして、これを言っている人はあまり多くないです。
でも、私は小説を書く上で重視すべき点だと思います。

私がそう思う理由は、大学時代と税理士事務所勤務の経験にあります。

私が通っていた大学では、学生は論文のデータベースを利用することができました。
学内のＰＣから論文を検索し、読むことができるのです。

大学のＰＣ室にはプリンターがあり、学生は無料で何十枚も印刷できました。
ここで、ＰＣの画面で読んでも理解できない論文が、紙に印刷すればそれなりに理解できることに気づきました。
それ以降、ちょっと難しい論文があると気軽に印刷するようになりました。
タダなんで。

卒業して税理士事務所で働きました。
お客様の税金の申告書を代わりに書く仕事です。

税法はやたら難しいので、調べながら申告書を書きます。
調べる方法は主に、国税庁のＷＥＢサイトです。
「相続税申告の手引き」とか「質疑応答事例集」とかに答えが書いています。
だいたいは。

ＰＣの画面で読むこともできるのですが、難しい内容だとよく分からないです。
こういう時はプリンターで印刷していました。
大学生の頃と違い、この手引き５０ページを印刷すれば何十円かかかるというコスト意識は多少は持っていましたが、印刷した方が仕事はスムーズに進むのです。

なので、ＷＥＢ小説を読んでいて難しくて読みにくいと思えば、紙に印刷すればいいのです。
しかし、そんな人は滅多にいないでしょう。

ここは、作家側がＷＥＢ小説向け、紙書籍向けに文体を書き分けるべきと思います。

一つの小説をＷＥＢでも紙書籍でも出すから書き分けるなんて手間のかかることはできないでしょうが、どちらをメインの売り場にするかは意識すべきと思います。