上 下
1 / 5

我が子をこの手で

しおりを挟む
手足をバタつかせるのを押さえつけ
グサッ グサッ
包丁で胸を突き刺すたびに血があふれ出て・・・
「ぎゃぁぁ あぅぅくわぁぁんぅぐぅぅぅ」
苦悶の声を無視し
グズンッ・・・ グズンッ・・・ グサッ グサッ
泣きながら刺し続けます。この子が苦しまないように。
「あぅぅ・・・ ぐぅ・・・・・・」
必死に生きようとする命に冷酷に包丁を突き刺し、握る手に鼓動がビクビク伝わってきます。
ピクッ・・・ピクッ・・・・・ビクッ・・・・・・・・

動かなくなった血まみれの赤子を前に、母親の早苗さなえはぽろぽろと涙をこぼしています。
「ごめんね・・・ ごめんね・・・」
しおりを挟む

処理中です...