先輩！ 青色申告とか教えてください 女子大生ウーバー配達員確定申告奮闘記 所得税編

３２話 申告書作成

「次は申告書だね」
「はい」

画面を進めていきます。
決算書の事業所得の金額が、申告書作成画面に入っています。

「事業所得の訂正・内容確認のボタンを押して」
ボタンを押すと、帳簿の種類を選ぶ画面になります。

「『簡易な方法』を選んで」
「はい」

「次は給与所得を入力します。源泉徴収票はある？」
「それなんですけど・・・　今のバイト先の源泉徴収票はあるんですけど、高校の頃のバイト先の源泉徴収票が無いんです。令和５年３月まで働いてて。確かにもらったはずなんですけど」
「そう・・・」

先輩に今のバイト先、セブン－イレブンの源泉徴収票を渡します。

「高校時代のバイト先は、ラーメン太郎って会社？」
「はい」
「ラーメン太郎の源泉徴収票はセブンイレブンに渡したんじゃないの？」
「そう・・・だったかな」
「ほら、セブンイレブンの源泉徴収票に、ラーメン太郎からの給料額８４，８００円って載ってるでしょ」
「それ、そういう意味なんですね」
「セブンイレブンからの給料とラーメン太郎からの給料、合計が３５７，１００円。もし社会保険料や所得税の天引き（源泉徴収）があれば、２社の合計がここに載るの。で、摘要欄に前職の分が入ることに」

「じゃあ、源泉徴収票はこれ１枚でいいんですか」
「大丈夫よ」

あぁよかったです。

「給与所得の入力をしようか。ここを押して」

入力画面に進みます。
「年末調整済みの源泉徴収票の入力」と「年末調整済みでない源泉徴収票の入力」がありますけど。

「源泉徴収票の『所得控除の額の合計額』とかに金額が入っていれば年末調整済み。年末調整済みでなければ、所得控除は空欄のはずだし、摘要欄に「年末調整未済」などと書かれてるよ」

「セブンイレブンの源泉徴収票は年末調整済みなんですね」

源泉徴収票の金額を一つ一つ入力します。

「所得はこれで全部入力したから、『入力終了（次へ）』を押して」
「はい」

「所得控除の入力」って画面になりました。

「社会保険料は払ってないよね」
「はい。健康保険はお父さんの会社で入っています。１９歳だから国民年金も払ってないです」

「所得控除になるのは、基礎控除はもう４８万円がもう入っているから、あとは勤労学生控除ね。『入力する』を押して」
「はい」

「『該当する』を押して。叶音さんは大学生であって、専修学校の学生じゃないから『いいえ』、年末調整で適用されてないから『いいえ』」

言われたとおりに入力して「次へ進む」を押すと、勤労学生控除２７万円って出ています。

「所得控除はこのくらいかな。医療費が多ければ医療費控除、扶養親族がいれば扶養控除を入力するけど。『入力終了（次へ）』を押して」

「次へ」のボタンを押し、また「次へ」・・・

「あっ、マイナンバーも書くんですね」
「持ってる？」
「家にあります」
「じゃあ、空白で印刷して、あとで手書き記入すればいいわ」

申告書、できあがりました。
プリンターから出てきます。

「あと、二表に特例適用条文等ってあるでしょ」
「はい」
「ここに手書きで、『租税特別措置法２７条』って書いて」
「なんの法律なんですか」
「家内労働者等の必要経費の特例がこの法律に書かれてるの。。特例を適用する時は、どの法律の特例を適用するか条文番号を書くことになってるわ。家内労働特例はシステムで対応していないから、手書きね」

「これで完成ですね。あと、マイナンバーを書いたら。これを提出すればいいんですね」
「えぇ、お疲れさま」

初めて作った確定申告書。
これを税務署に出すんですね。
なんだかオトナになった気分です。