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24話 雑費
しおりを挟む【雑費】
「雑費は、他の科目に当てはまらない経費だね」
「たとえば、どんなものがありますか」
「そうねぇ」
先輩はパソコンで会計ソフトを起動させます。
「3月にコンビニでのコピー代があるね。あの頃はプリンターを持ってなかったから」
「コピーって、ウーバーの仕事のためですか」
「所得税申告書の印刷よ。所得税の確定申告はネットで電子申告したけど、紙に印刷してからチェックしないと間違いはなかなか見つからないからね。思い出した。住所の番地が間違っていることに気づいて作り直したんだった。で、直して申告して、申告書の控えと送信票を印刷したの。だからコピー代が60円、60円、80円かかってるね」
「送信票?」
「ちゃんと電子申告した証拠の書類。申告書と送信票のPDFデータを国税庁WEBサイトの申告書作成コーナーでダウンロードして、USBメモリに保存して、コンビニのコピー機に差し込んで印刷。後で必要になるかもしれないから、ちゃんと印刷したほうがいいよ。他に雑費は・・・ これだけだね」
「仕事のためにいろいろモノ買ったりはしないんですか。スマホホルダーとか」
「そういうのは消耗品費か車両費だね。他の科目にできる経費は他の科目でやるの。雑費の金額はあまり大きくならない方がいいわ。税務署に怪しまれるから」
「怪しまれると、調査ですか」
「そう。税務調査。受ける方も面倒だし、それに間違いは誰にでもあるからね」
一瞬、雑費が他にあるように見えたけど、先輩はマウスを素早く動かし画面を切り替えます。
「申告書作りは税務調査の可能性を減らすことも意識したほうがいいわ。雑費の金額が大きくなったら、他の科目を作ることも考えた方がいいね」
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