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21話 科目の使い分け 福利厚生費・給与賃金・専従者給与
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【福利厚生費】
「これは支払給与以外に従業員のために使うお金ですね。慰労会で従業員連れて食事したり、事務所用のお茶を買ったり。健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・労災保険料のうち事業主負担分も福利厚生費に含めることが多いです。
【補足】
勤務先で加入する健康保険・厚生年金・雇用保険の保険料のだいたい半分は従業員が負担し、保険料が給与から天引きされます。
事業主が払う保険料から天引き額をマイナスした金額が事業主の経費になります。
【給料賃金】【専従者給与】
「従業員に払う給料です。でも、仕事を手伝う家族・親戚に給料を払うときは注意です。基本的に、生計を一にする親族に払う給料その他対価は経費になりません」
「生計を一ににする?」
「同居しているか、別居でも生活費を援助している関係を『生計を一にする』っていうの。『親族』は家族・親戚のこと。従兄弟・ハトコも親族よ」
「ってことは、個人事業者の仕事を家族が手伝って給料を払っても経費にならないってことですか」
「そういうこと」
「それってひどくないですか。どうして給料を払っているのに経費にならないんですか」
「家族間でのお金のやりとりは、自分の都合のいいようにしやすいからね。たとえば、年に1000万円稼ぐ人が家族に200万円給料を払えば、利益が200万円減って所得税は40万円くらい安くなります。でも、もらった家族にかかる所得税は4万円くらい。所得税は累進税率、稼ぎが大きい人ほど税率が高いからね」
「それって、問題あるんですか」
「200万円払ったことにして、あるいは銀行振込でちゃんと払って、裏で戻してもらったとしても、税務署としては見つけるの難しいでしょ」
「そうですね」
「そいういう悪いことする人が出るのを防ぐための法律なの」
「でも、給料を払って経費にならなくて、もらった家族には税金かかるんですよね」
「もらった家族には税金はかからないよ」
「あぁ、よかった」
「っていうのが基本的なルール。でも例外があってね。それが損益計算書の右側にある専従者給与。家族が事業主の仕事を手伝ったら、条件付で払った事業主の経費になるの」
「どんな条件なんですか」
「払う事業主が青色申告で、その家族が事業主の事業に専ら(もっぱら)従事していることが条件。あと、専従者給与の届出を税務署に出すことも」
「ってことは、高校生の子供に店の仕事を手伝わせてバイト代を払っても・・・」
「専ら従事、つまり、親の仕事に専念しているとはいえないから、専従者給与の要件を満たさず、親の経費にはならないね。受け取る子供の所得にもならないです」
「子供が高校を卒業して、朝から夕方まで親の店で働けば、子供に払う給料は経費になるんですか」
「それなら専従者給与の要件を満たすわ。そのかわり、子供の所得税計算では、受け取った給料に税金がかかります」
「これは支払給与以外に従業員のために使うお金ですね。慰労会で従業員連れて食事したり、事務所用のお茶を買ったり。健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・労災保険料のうち事業主負担分も福利厚生費に含めることが多いです。
【補足】
勤務先で加入する健康保険・厚生年金・雇用保険の保険料のだいたい半分は従業員が負担し、保険料が給与から天引きされます。
事業主が払う保険料から天引き額をマイナスした金額が事業主の経費になります。
【給料賃金】【専従者給与】
「従業員に払う給料です。でも、仕事を手伝う家族・親戚に給料を払うときは注意です。基本的に、生計を一にする親族に払う給料その他対価は経費になりません」
「生計を一ににする?」
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「ってことは、個人事業者の仕事を家族が手伝って給料を払っても経費にならないってことですか」
「そういうこと」
「それってひどくないですか。どうして給料を払っているのに経費にならないんですか」
「家族間でのお金のやりとりは、自分の都合のいいようにしやすいからね。たとえば、年に1000万円稼ぐ人が家族に200万円給料を払えば、利益が200万円減って所得税は40万円くらい安くなります。でも、もらった家族にかかる所得税は4万円くらい。所得税は累進税率、稼ぎが大きい人ほど税率が高いからね」
「それって、問題あるんですか」
「200万円払ったことにして、あるいは銀行振込でちゃんと払って、裏で戻してもらったとしても、税務署としては見つけるの難しいでしょ」
「そうですね」
「そいういう悪いことする人が出るのを防ぐための法律なの」
「でも、給料を払って経費にならなくて、もらった家族には税金かかるんですよね」
「もらった家族には税金はかからないよ」
「あぁ、よかった」
「っていうのが基本的なルール。でも例外があってね。それが損益計算書の右側にある専従者給与。家族が事業主の仕事を手伝ったら、条件付で払った事業主の経費になるの」
「どんな条件なんですか」
「払う事業主が青色申告で、その家族が事業主の事業に専ら(もっぱら)従事していることが条件。あと、専従者給与の届出を税務署に出すことも」
「ってことは、高校生の子供に店の仕事を手伝わせてバイト代を払っても・・・」
「専ら従事、つまり、親の仕事に専念しているとはいえないから、専従者給与の要件を満たさず、親の経費にはならないね。受け取る子供の所得にもならないです」
「子供が高校を卒業して、朝から夕方まで親の店で働けば、子供に払う給料は経費になるんですか」
「それなら専従者給与の要件を満たすわ。そのかわり、子供の所得税計算では、受け取った給料に税金がかかります」
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