先輩！ 青色申告とか教えてください 女子大生ウーバー配達員確定申告奮闘記 所得税編

８話 それ、マッサージじゃないですよね

「叶音さん、お疲れさま」

「いろいろ教えてくれてありがとうございます。あっ・・・」

先輩が私の肩を揉んでくれます。

「そんなぁ、先輩、悪いです」
「いいのよ。慣れないことやって肩凝ったでしょう」

先輩の手はリズミカルに、緊張した肩を癒してくれます。

「はうぅ・・・」

気持ちよくて変な声が出ちゃいます。

「ずっとフローリングに座ってて腰もきついでしょ」
「大丈夫ですけど・・・　んっ」

先輩は私の後ろに座ります。
密着してドキドキです。
先輩の手は肩から二の腕から、脇腹から腰へ。
スリスリとさすってくれます。

「ふぅぅ・・・」

先輩に包まれるようで、うっとりしちゃいます。
遠くから眺めるだけだった先輩が、今ではこんな近くに。
先輩のシャンプーの香りが漂ってくるほどに。

「マッサージしてあげる。ベッドに横になってごらん」

ベッド！？
先輩のベッドに、私が・・・

「お昼に汗かいたからベッド汚れちゃいます」
「いいからいいから」
「あっ」

先輩に手を握られて立ち上がります。
そして、導かれるままにベッドへ。
うつ伏せになり、枕に顔を埋めます。

先輩は私のシャツをめくり、腰をスリスリ。

「すみません、先輩。こんなことしてもらっちゃって」
「いいのよ、マッサージするの好きだから」

先輩の指は腰を巧みに押さえます。
最初はちょっと痛いけど、凝りがほぐれてきたのでしょうか。
下から上へ、先輩の指が気持ちよくて。
そこ、もっと・・・

「いいえ、叶音さんとこうするのが好きなの」
「えっ・・・　ひゃうんっっぅ！」

首筋に温かくてねっとりと柔らかい感触。

「先輩・・・？」

振り返ると先輩の顔がすぐそこに。
ぺろりと舌を出しています。

今、舐めたんですか？？？

「ずっとこうしたかったの」

先輩の顔がさらに近づきます。
唇をすぼめながら。

「なにするんですか・・・」

慌てて避けようとして、先輩の唇はほっぺをこすります。

「ひゃうっ！　先輩・・・・？」
「こういうの、嫌？」
「嫌とかそういうことじゃなくて・・・　女同士ですよ！」

ベッドでキスなんて恋人同士でやることです。
先輩と私は同じ大学の先輩と後輩で。
同じ仕事をしてるから税金について教えてもらって。
それだけのはずなのに。

「女同士なんだから固いこと言わなくてもいいじゃない」

先輩の両手で腰を押さえつけられ、またうつ伏せに。
背中と腰の間を行ったり来たりしていた指はパンティ越しにお尻をむにゅっと。

「やっ　だめぇ」

その指は太ももへ。
何度も太ももの裏を指圧されながら指はひざの裏へ。
そして内側をスリスリ・・・

先輩の指が太ももの内側をだんだん登ってきます。
このままじゃ太ももじゃなくて・・・

「もっ、もう大丈夫ですぅ！！」

私はベッドから飛び上がるように降り、カバンを持って走って玄関へ。

「お邪魔しましたっ！」

先輩の言葉も聞かずに玄関扉を勢いよくｶﾞﾁｬﾝｯと閉め、エレベーターへ。

先輩が追ってくることはありませんでした。
１階に降り、駐輪場に停めた自転車にまたがります。

家までペダルを漕いで３０分。
涼しくなった夜の風に当たっているのに顔はまだ火照ったままです。