12 / 31
第二幕「災厄の魔法装丁は街の影に潜む」
4.第二の魔法装丁、『水の烙印』現る
しおりを挟む
あっという間の出来事だった。
リゼットたちが呆然と見つめる先で、水面は元の静寂を取り戻す。しかし、リマラが再び叫んだことで、リゼットは我に返り噴水へと駆け寄った。
「猫? ……ねこ! どこですか!」
噴水を覗き込んでも『底』は見えない。深くて暗い水が静かに漂うだけだ。リゼットは猫を呼びながら水に手を突っ込む。いくら大噴水だからと言って、水底が見えないほど深いはずがない!
「猫……! だめです、水の底にすら手が届きません!」
「おそらくこれは……『水の烙印』の仕業だ。やつめ、大噴水を都合の良いように使っているな。たとえ相手が水だろうが、猫がそう簡単にやられるとは思わないが」
あとから歩んできたクライドは、噴水の中を覗き込む。それでも猫の姿は現れてこない。これでは一刻も猶予もないのではないか――?
「クライド師匠、鞄をお願いします!」
鞄をぶん投げて渡すと、クライドは見事にひっくり返る。リスっぽい生き物が驚いて飛び出し、リゼットに向かって一声鳴く。
その間にリゼットはスカートをたくし上げ、深い水の底を見つめる。どれくらい深いかは不明だが、行かなければ猫が戻って来られない。
「だいじょーぶ! ちょっくら行ってきますよ!」
「って、おい待てこら! ま、まさかお前!」
不安そうな面々を振り返り、リゼットはにっこりと笑ってみせた。さて、ここからは小公女の一大勝負。大きく息を吸い込むと、勢いよく噴水の中へと飛び込んだ。
外の音が遮られ、胸をかき乱されるような静寂が広がる。ゆっくりと水底へ向かって泳ぎながら、リゼットは不可解な思いに囚われた。最初から分かっていたことだが、この水はおかしい。
『ねこーねこー! どこですかー!』
心の中で呼びかけても、答えは返らない。上から差し込んでくる光は柔らかだが、まとわりつく水温は冷え切っている。急いで探さなければ、二次遭難してしまう。
周囲を確認しつつ、さらに深く潜る。徐々に周囲が暗くなり、視界はどんどん悪くなっていく。まだ息はもちそうだが、のんびりしている暇はなさそうだった。
『ねこー!』
スカートの裾が脚にまとわりつく。あの状況で脱ぐわけにもいかなかったが、ちょっとだけ後悔がよぎる。さすがに衆目の前で下着姿になる公女は外聞が良くないけれども。
水をかく音だけが鼓膜を揺らす。リゼットは潜るのをやめ、周りに視線を投げかけた。目を凝らしても、猫の姿は見えない。もっと深い場所に行ってしまったのだろうか。
『猫……』
リゼットの胸にじわじわと不安がわき上がってくる。猫は普通の猫ではないとはいえ、長い時間こんな水の中にいたら無事では済まないだろう。どうすればいい――ぐっと奥歯を噛みしめた、その時だった。
『きゅうーん』
耳の奥で『風の烙印』の声が響いた。驚きで目を見開くリゼットの前に、輝く光の塊が現れる。夜の星を集めたような輝きは、何度か揺れた後、素早く水の底へと潜ってく。
『もしかして、この先に猫が?』
水を蹴り、リゼットは光を追いかける。だんだんと水が重さを増していくが、リゼットは怯まない。何度も心の中で猫を呼び続け、そして。
「っ!」
光がくるくると回転する。ひときわ暗い水の中に猫が漂っていた。リゼットが近づいても、猫はぐったりとしたまま目を開かない。これは一刻の猶予もない!
『猫、すぐに外に連れて行ってあげますからね!』
猫を抱え、リゼットは急いで上昇していく。背負った時は気づかなかったが、猫の体は本当に小さくて弱々しい。こんな壊れ物のような存在だったなんて、普段は想いもしなかった。
『しっかり、もうすぐですよ!』
猫は何も答えない。そのことがどうしても信じられなくて、必死に水面を目指す。あと少し。ほんの手のひら一つ分の距離で、外へと届く。
「――っ!?」
浮き上がろうとした刹那、何かに引き留められた。驚いて下を見れば、脚をつかむ薄青い『手』が見える。それは強い力でリゼットを、そして猫を再び水底へと引き込んでいく。
『な、なに!? このままじゃわたしたち……!』
抗おうにも足場のない水の中だ。引きずられるままにリゼットは沈んでいく。混乱しながら腕をばたつかせたとき、力を失った猫の姿が目に入った。
『……こうなったら!』
全身に力をいきわたらせ、リゼットは猫を水面に向かって押し上げた。猫はふわりと浮上し、想定通り水面に到達する。それを見届けたリゼットは、大きな泡を吐き出す。
『まずいですねぇ。さすがに限界かもしれません』
肺の空気はもう、ほぼ空だった。ひとまず猫を助ける目的は果たせたので、まあいいか。にこりと笑ってまぶたを下ろしたリゼットは、静かに水底へと沈んで――。
「――ば、ばかやろう! なに勝手に満足して力尽きてんだ!」
力強い腕がリゼットを引き戻した。水から解放された肺は大きく空気を吸い込み、反動で強くせき込んでしまう。噴水の縁でへたり込んだリゼットは、虚ろな視線を周囲に投げかけた。
「あれ、わたし生きてます?」
「お、おねえちゃぁあああん! よかったよぉおお!」
リマラとその母親が涙目でリゼットを抱きしめてくる。そんな大げさに喜んでくれるほどのことだったろうか。まだ少しかすんでいる目で、リゼットは猫を探す。
「ねこ……猫は無事です?」
「ああ、問題ない。ほら」
「う、にゃ」
クライドに促され、猫がよろよろと近づいてきた。茶色いふかふかな毛並みは水でぐっしょりとしていたが、金色の目はいつもの輝きを取り戻している。ほっと息を吐いたリゼットに、猫はもじもじとしながら尻尾を揺らす。
「猫、無事でよかった」
「うんにゃ……べ、別においらに助けは必要なかったにゃ! お前は普通の人間なのに無茶して……! 死んじゃったらどうするつもりにゃ! ほんとにバカなやつにゃ!」
「そうですね。でも、助けられて安心しましたよ」
「にゃ、にゃあ……バカに付ける薬はないにゃ。どうしようもないにゃ!」
ねこは呆れ果てたようにそっぽをむく。リゼットは少し困ってクライドに目を向ける。
「クライド師匠」
「俺も猫と同意見だ。全く無茶をする」
「そんなぁ」
「だがま、お前の行為は人間として非常に健全で尊いものだったよ。ほら、猫」
クライドに呼び掛けられ、猫は尻尾を軽く上下させる。なんだかとても不服そうな様子だ。しかし不機嫌そうな顔でひげを下に下げると、リゼットに向かって一言。
「……ありがとにゃ」
「え? 今なんて」
「なななな、何でもないにゃ! 聞こえたなったら存在しない言葉にゃ!」
「えー、そんなこと言わないでくださいよ! ぜひもう一回!」
「無理にゃ駄目だにゃ! う、うにゃあああ~ん」
リゼットに抱きつかれた猫は、耳を伏せてだらーんとなった。リマラと母親はほほえましそうに一人と一匹を見つめている。何にしても無事でよかった。リゼットが安堵の息を吐くと、視界の端で何かが煌めいた。
「え……」
『きゅううーん』
鞄から顔を出した風が高く鳴く。と、同時に噴水から巨大な水柱が上がる。一本だけでなく、いくつもいくつも!
「な、何事ですか!」
「くそ、猫を取り込み損ねたから出てきやがったな!」
クライドがリゼットたちの前に立つ。装丁師のいつも以上に険しい表情で、リゼットにも楽観できる事態ではないと理解できた。
「クライド師匠……! これってまさか」
「ああ、そのまさかだよ」
噴水の中心部で天を貫くほどのしぶきが上がる。激しい水は散ることなく一点に集まり、巨大な水の塊と化す。それは見る見るうちに異形の生き物の姿をとり始め、青々と輝くサファイアの瞳がリゼットたちをにらみつける。
「やっとお出ましか。いい加減うちに帰るぞ――『水の烙印』!」
クォオオオオオン。耳鳴りがするほどの咆哮を上げた青く澄んだ竜――魔法装丁『水の烙印』は、明確な敵意をもって巨大な波をこちらに向かってぶつけてきた。
リゼットたちが呆然と見つめる先で、水面は元の静寂を取り戻す。しかし、リマラが再び叫んだことで、リゼットは我に返り噴水へと駆け寄った。
「猫? ……ねこ! どこですか!」
噴水を覗き込んでも『底』は見えない。深くて暗い水が静かに漂うだけだ。リゼットは猫を呼びながら水に手を突っ込む。いくら大噴水だからと言って、水底が見えないほど深いはずがない!
「猫……! だめです、水の底にすら手が届きません!」
「おそらくこれは……『水の烙印』の仕業だ。やつめ、大噴水を都合の良いように使っているな。たとえ相手が水だろうが、猫がそう簡単にやられるとは思わないが」
あとから歩んできたクライドは、噴水の中を覗き込む。それでも猫の姿は現れてこない。これでは一刻も猶予もないのではないか――?
「クライド師匠、鞄をお願いします!」
鞄をぶん投げて渡すと、クライドは見事にひっくり返る。リスっぽい生き物が驚いて飛び出し、リゼットに向かって一声鳴く。
その間にリゼットはスカートをたくし上げ、深い水の底を見つめる。どれくらい深いかは不明だが、行かなければ猫が戻って来られない。
「だいじょーぶ! ちょっくら行ってきますよ!」
「って、おい待てこら! ま、まさかお前!」
不安そうな面々を振り返り、リゼットはにっこりと笑ってみせた。さて、ここからは小公女の一大勝負。大きく息を吸い込むと、勢いよく噴水の中へと飛び込んだ。
外の音が遮られ、胸をかき乱されるような静寂が広がる。ゆっくりと水底へ向かって泳ぎながら、リゼットは不可解な思いに囚われた。最初から分かっていたことだが、この水はおかしい。
『ねこーねこー! どこですかー!』
心の中で呼びかけても、答えは返らない。上から差し込んでくる光は柔らかだが、まとわりつく水温は冷え切っている。急いで探さなければ、二次遭難してしまう。
周囲を確認しつつ、さらに深く潜る。徐々に周囲が暗くなり、視界はどんどん悪くなっていく。まだ息はもちそうだが、のんびりしている暇はなさそうだった。
『ねこー!』
スカートの裾が脚にまとわりつく。あの状況で脱ぐわけにもいかなかったが、ちょっとだけ後悔がよぎる。さすがに衆目の前で下着姿になる公女は外聞が良くないけれども。
水をかく音だけが鼓膜を揺らす。リゼットは潜るのをやめ、周りに視線を投げかけた。目を凝らしても、猫の姿は見えない。もっと深い場所に行ってしまったのだろうか。
『猫……』
リゼットの胸にじわじわと不安がわき上がってくる。猫は普通の猫ではないとはいえ、長い時間こんな水の中にいたら無事では済まないだろう。どうすればいい――ぐっと奥歯を噛みしめた、その時だった。
『きゅうーん』
耳の奥で『風の烙印』の声が響いた。驚きで目を見開くリゼットの前に、輝く光の塊が現れる。夜の星を集めたような輝きは、何度か揺れた後、素早く水の底へと潜ってく。
『もしかして、この先に猫が?』
水を蹴り、リゼットは光を追いかける。だんだんと水が重さを増していくが、リゼットは怯まない。何度も心の中で猫を呼び続け、そして。
「っ!」
光がくるくると回転する。ひときわ暗い水の中に猫が漂っていた。リゼットが近づいても、猫はぐったりとしたまま目を開かない。これは一刻の猶予もない!
『猫、すぐに外に連れて行ってあげますからね!』
猫を抱え、リゼットは急いで上昇していく。背負った時は気づかなかったが、猫の体は本当に小さくて弱々しい。こんな壊れ物のような存在だったなんて、普段は想いもしなかった。
『しっかり、もうすぐですよ!』
猫は何も答えない。そのことがどうしても信じられなくて、必死に水面を目指す。あと少し。ほんの手のひら一つ分の距離で、外へと届く。
「――っ!?」
浮き上がろうとした刹那、何かに引き留められた。驚いて下を見れば、脚をつかむ薄青い『手』が見える。それは強い力でリゼットを、そして猫を再び水底へと引き込んでいく。
『な、なに!? このままじゃわたしたち……!』
抗おうにも足場のない水の中だ。引きずられるままにリゼットは沈んでいく。混乱しながら腕をばたつかせたとき、力を失った猫の姿が目に入った。
『……こうなったら!』
全身に力をいきわたらせ、リゼットは猫を水面に向かって押し上げた。猫はふわりと浮上し、想定通り水面に到達する。それを見届けたリゼットは、大きな泡を吐き出す。
『まずいですねぇ。さすがに限界かもしれません』
肺の空気はもう、ほぼ空だった。ひとまず猫を助ける目的は果たせたので、まあいいか。にこりと笑ってまぶたを下ろしたリゼットは、静かに水底へと沈んで――。
「――ば、ばかやろう! なに勝手に満足して力尽きてんだ!」
力強い腕がリゼットを引き戻した。水から解放された肺は大きく空気を吸い込み、反動で強くせき込んでしまう。噴水の縁でへたり込んだリゼットは、虚ろな視線を周囲に投げかけた。
「あれ、わたし生きてます?」
「お、おねえちゃぁあああん! よかったよぉおお!」
リマラとその母親が涙目でリゼットを抱きしめてくる。そんな大げさに喜んでくれるほどのことだったろうか。まだ少しかすんでいる目で、リゼットは猫を探す。
「ねこ……猫は無事です?」
「ああ、問題ない。ほら」
「う、にゃ」
クライドに促され、猫がよろよろと近づいてきた。茶色いふかふかな毛並みは水でぐっしょりとしていたが、金色の目はいつもの輝きを取り戻している。ほっと息を吐いたリゼットに、猫はもじもじとしながら尻尾を揺らす。
「猫、無事でよかった」
「うんにゃ……べ、別においらに助けは必要なかったにゃ! お前は普通の人間なのに無茶して……! 死んじゃったらどうするつもりにゃ! ほんとにバカなやつにゃ!」
「そうですね。でも、助けられて安心しましたよ」
「にゃ、にゃあ……バカに付ける薬はないにゃ。どうしようもないにゃ!」
ねこは呆れ果てたようにそっぽをむく。リゼットは少し困ってクライドに目を向ける。
「クライド師匠」
「俺も猫と同意見だ。全く無茶をする」
「そんなぁ」
「だがま、お前の行為は人間として非常に健全で尊いものだったよ。ほら、猫」
クライドに呼び掛けられ、猫は尻尾を軽く上下させる。なんだかとても不服そうな様子だ。しかし不機嫌そうな顔でひげを下に下げると、リゼットに向かって一言。
「……ありがとにゃ」
「え? 今なんて」
「なななな、何でもないにゃ! 聞こえたなったら存在しない言葉にゃ!」
「えー、そんなこと言わないでくださいよ! ぜひもう一回!」
「無理にゃ駄目だにゃ! う、うにゃあああ~ん」
リゼットに抱きつかれた猫は、耳を伏せてだらーんとなった。リマラと母親はほほえましそうに一人と一匹を見つめている。何にしても無事でよかった。リゼットが安堵の息を吐くと、視界の端で何かが煌めいた。
「え……」
『きゅううーん』
鞄から顔を出した風が高く鳴く。と、同時に噴水から巨大な水柱が上がる。一本だけでなく、いくつもいくつも!
「な、何事ですか!」
「くそ、猫を取り込み損ねたから出てきやがったな!」
クライドがリゼットたちの前に立つ。装丁師のいつも以上に険しい表情で、リゼットにも楽観できる事態ではないと理解できた。
「クライド師匠……! これってまさか」
「ああ、そのまさかだよ」
噴水の中心部で天を貫くほどのしぶきが上がる。激しい水は散ることなく一点に集まり、巨大な水の塊と化す。それは見る見るうちに異形の生き物の姿をとり始め、青々と輝くサファイアの瞳がリゼットたちをにらみつける。
「やっとお出ましか。いい加減うちに帰るぞ――『水の烙印』!」
クォオオオオオン。耳鳴りがするほどの咆哮を上げた青く澄んだ竜――魔法装丁『水の烙印』は、明確な敵意をもって巨大な波をこちらに向かってぶつけてきた。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】平民聖女の愛と夢
ここ
ファンタジー
ソフィは小さな村で暮らしていた。特技は治癒魔法。ところが、村人のマークの命を救えなかったことにより、村全体から、無視されるようになった。食料もない、お金もない、ソフィは仕方なく旅立った。冒険の旅に。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません

「白い結婚の終幕:冷たい約束と偽りの愛」
ゆる
恋愛
「白い結婚――それは幸福ではなく、冷たく縛られた契約だった。」
美しい名門貴族リュミエール家の娘アスカは、公爵家の若き当主レイヴンと政略結婚することになる。しかし、それは夫婦の絆など存在しない“白い結婚”だった。
夫のレイヴンは冷たく、長く屋敷を不在にし、アスカは孤独の中で公爵家の実態を知る――それは、先代から続く莫大な負債と、怪しい商会との闇契約によって破綻寸前に追い込まれた家だったのだ。
さらに、公爵家には謎めいた愛人セシリアが入り込み、家中の権力を掌握しようと暗躍している。使用人たちの不安、アーヴィング商会の差し押さえ圧力、そして消えた夫レイヴンの意図……。次々と押し寄せる困難の中、アスカはただの「飾りの夫人」として終わる人生を拒絶し、自ら未来を切り拓こうと動き始める。
政略結婚の檻の中で、彼女は周囲の陰謀に立ち向かい、少しずつ真実を掴んでいく。そして冷たく突き放していた夫レイヴンとの関係も、思わぬ形で変化していき――。
「私はもう誰の人形にもならない。自分の意志で、この家も未来も守り抜いてみせる!」
果たしてアスカは“白い結婚”という名の冷たい鎖を断ち切り、全てをざまあと思わせる大逆転を成し遂げられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる