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挿話「とある魔法使いと冬の話」
魔法使い特製ミルフィーユチーズカツのはなし
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それは、冬も深まった寒いある日のこと。
「……腹が減った」
「は? 何だ来て早々、藪から棒に」
森の中にある魔法使いの家。その戸口に現れるなり、騎士はそんなことを口にした。
居間でくつろいでいた魔法使いと少年は、思わず顔を見合わせた。腹が減った——確かにそろそろ夕飯時ではある。しかしながら、一応注意しておくと、ここは魔法使いの家であって食堂ではない。
「……腹が減ったのか。ならさっさと帰還しろ。町になら食堂などいくらでもあるだろう?」
「このクソ寒い日に、わざわざ来た俺を、空腹のまま追い返すというのかー? 血も涙もないやつだなお前は! イクス、お前の心に慈悲というものはないのか!?」
「いや待て。慈悲云々以前に、お前の言っていることがわからない。騎士よ、一体お前は私に何を要求しているというのだ?」
騎士の要求は、わかりきったことではある。だが、そうだとしても理解したくないのも人情だ。
とぼけた風を装い、イクスはそっぽを向く。しかしそこは付き合いの長いヴィルヘルムのこと。雪を肩からはたき落とすと、魔法使いの目の前に袋を突きつけた。
「何だこれは」
「食材だ。皆まで言わせるな」
「食材か。わざわざ持って来たのかご苦労なことだな」
「食材だ。言わずとも察しろ」
「食材か。まさか生で食べるのかそれは酔狂なことだな」
「食材だ」「食材か」
「……ねえ、これいつまで続くの?」
少年のツッコミに、魔法使いと騎士は無言で顔を見合わせた。特に意味のないやりとりは日常茶飯事にしても、今回のこれは蛇足というものだ。魔法使いは眉間にしわを寄せながら、食材の袋を受け取りる。
「……で、私に料理を作れというわけか。一応聞いてやるが、何が食べたいんだ」
「肉。肉料理だ。がっつりしたものを要求する」
「……がっつりも何も、お前が何を持って来たかで内容は決まりきっているが……」
袋の中身を確認し、魔法使いは台所へ向かう。その後を少年が追いかけ、一緒に袋から食材を出していく。
「ねえ、何でヴィルはわざわざここまで食材を持って来たんだろ」
「さてな、それは展開上の都合というものだろう。そんなことを言っていると、私が魔法使いというのもただの設定になってしまう」
「設定ってなんだよ」
そんなこんなで食材が出揃い、魔法使いの料理が始まった。
「さて、今回作るのは……チーズカツだ」
「チーズカツ? チーズ入ってるカツってこと?」
「読んで字のごとく、だな。とりあえず、必要な食材を書き出しておこう」
チーズカツの材料
・薄切り豚ロース
・スライスチーズ(とろけるのでもとろけないのでも可)
・薄切りベーコン
・小麦粉
・パン粉
・卵
・塩コショウ少々
「今回作るのは、チーズカツと言っても『ミルフィーユチーズカツ』だ。まあ、作っていればわかるが、食材をどんどん層にして重ねていく」
「ねえ、食材はこれじゃなきゃダメなの?」
「いや、そこまでの決まりはない。ただ、ベーコンがあった方が旨味は増すし、ロースだと少しランクアップした感じにはなるかな。そこはお財布と相談して、色々変えてみてもいいと思う」
食材が揃ったら、まずは薄切り豚ロースに塩コショウして下味をつける。
下味をつけるのが済んだら、次は食材を重ねていく。
「最初に薄切り豚ロース、次にベーコン。そして真ん中にスライスチーズを重ねる。そこまで来たらまた、ベーコンを重ねる。最後に豚ロースを乗せれば、ミルフィーユの完成だ」
「ロース、ベーコン。真ん中にチーズで……またベーコン。で、最後にロース、と。でもさ、真ん中のチーズはどれくらい入れればいいの? 一枚じゃはみ出さない?」
「スライスチーズは、半分に切れば真ん中に収まるはずだ。だが、チーズがたくさん入っている方がいい時は、一枚を半分に折っていれるのもいいかもな。そこもお財布事情によって変えていくといいぞ」
ミルフィーユが完成したら、次は衣をつけていく。
小麦粉、卵をつけてから、パン粉をつける。
「特に注意することもないだろうが、衣はちゃんと全体につけるんだぞ」
「つけてるよ。……でも、それを注意するっていうことは何かあるの?」
「いや、後になればわかるが……あまりミルフィーユの部分に隙間があると……チーズが漏れ出してな……」
「漏れるって……あ!」
「どうした」
「間違ってパン粉をつけたやつを卵に落としちゃったよ……」
「ああ、大丈夫だ。その上からまたパン粉をまぶせばいい。そうすると衣がふわふわとした感じになるが、そこは好みで調整するといい」
「そうなんだ……でも、卵が少なくなっちゃうよ?」
「まあ、もし卵がなくなった時は、代用としてマヨネーズを使うといい。卵よりも濃厚な感じの味に仕上がるんだが……しかし、少しばかり贅沢だし、こってりするがな……」
衣をつけたら、あとは油で揚げるだけ!
「油の温度ってどれくらいだろう?」
「ん……一般的には菜箸を油につけて、先から泡が出る程度だな。わかりづらかったら、衣のかけらを油に落としてみるといい。すぐに衣が揚がってきたら、温度は大丈夫だ」
「じゃあ、入れていくよ……そういえば、思ったんだけど。衣がきつね色になったら油から上げて大丈夫なんだよね? だけど、肉が生焼けになってないかなぁ?」
「分厚い肉に関しては注意が必要だが、今回に関しては大丈夫だろう。もともと薄い肉を使っているし、揚げた後しばらく置いておくと……余熱で中まで火が通るしな」
「へえ……って、なんか泡が出て来たよ!?」
「ああ。チーズが溶け出すと、そんな風に油が泡立つんだ。こまめにカスを取れば、鍋の中が泡だらけというのは防げる。……だがまあ、ミルフィーユの構造上、全くチーズが漏れ出さないということはないし、あまり慌てなくていいぞ」
「なんていうか……見た目が魔女の鍋みたいだよね……」
そうして、カラッと揚がったら——盛りつけて完成!
「盛りつけはお好みで。今回はキャベツの千切りに、ミニトマトとレモンを添えてみた」
「ソースはどうするの?」
「それも好みでいいと思うが、少しソースに甘みが欲しい場合は……中濃ソースにトマトケチャップを少し混ぜると変わった感じになる」
「そうなんだ。……あれ、この世界に中濃ソースって」
「言うな。……設定上あるってことにしておけ」
そうこうするうちに、料理が完成し——暖かな食事の時間が始まった。
「さあ、魔法使い特製ミルフィーユチーズカツを召し上がれ、だ」
ソースのかかったチーズカツを切ると、真ん中からトロリとチーズが溢れ出す。衣にチーズとソースを絡めて口に運べば、サクサクとした食感と濃厚な味わいが広がる。
「……うん、満足だ」
ヴィルは言葉通り満足げに、カツを口に運んでいく。切り口から上がる湯気を見つめた少年は、自らも一口食べてから、魔法使いに笑いかける。
「チーズだけでも濃厚だと思うけど、ベーコンが入ってることで塩気と旨味が増して、さらに美味しくなっている気がするね。そもそも、切った時にチーズがトロッと出てくるのが、見た目にも楽しいし」
「今日はチーズで濃厚に仕上げたが……さっぱりしたい時は、しそとか挟むのもいいかもな。なんにしても、今日は」
魔法使いもカツを口に運びながら、窓の外に視線を向ける。
夕闇の迫る森の中、垂れ下がった梢から雪が落ちる。寒々とした白い窓の外と、穏やかに燃える暖炉の炎を見比べて、魔法使いはそっと二人に笑いかけた。
「まあ、こんな寒い日だ。たまには温かいものもいいだろう?」
どれほど寒い日であろうと、温かな時間はゆっくりと過ぎていく。
美味しいチーズカツ——それは小さな、けれどとてもやさしい魔法の時間。
——了——
「……腹が減った」
「は? 何だ来て早々、藪から棒に」
森の中にある魔法使いの家。その戸口に現れるなり、騎士はそんなことを口にした。
居間でくつろいでいた魔法使いと少年は、思わず顔を見合わせた。腹が減った——確かにそろそろ夕飯時ではある。しかしながら、一応注意しておくと、ここは魔法使いの家であって食堂ではない。
「……腹が減ったのか。ならさっさと帰還しろ。町になら食堂などいくらでもあるだろう?」
「このクソ寒い日に、わざわざ来た俺を、空腹のまま追い返すというのかー? 血も涙もないやつだなお前は! イクス、お前の心に慈悲というものはないのか!?」
「いや待て。慈悲云々以前に、お前の言っていることがわからない。騎士よ、一体お前は私に何を要求しているというのだ?」
騎士の要求は、わかりきったことではある。だが、そうだとしても理解したくないのも人情だ。
とぼけた風を装い、イクスはそっぽを向く。しかしそこは付き合いの長いヴィルヘルムのこと。雪を肩からはたき落とすと、魔法使いの目の前に袋を突きつけた。
「何だこれは」
「食材だ。皆まで言わせるな」
「食材か。わざわざ持って来たのかご苦労なことだな」
「食材だ。言わずとも察しろ」
「食材か。まさか生で食べるのかそれは酔狂なことだな」
「食材だ」「食材か」
「……ねえ、これいつまで続くの?」
少年のツッコミに、魔法使いと騎士は無言で顔を見合わせた。特に意味のないやりとりは日常茶飯事にしても、今回のこれは蛇足というものだ。魔法使いは眉間にしわを寄せながら、食材の袋を受け取りる。
「……で、私に料理を作れというわけか。一応聞いてやるが、何が食べたいんだ」
「肉。肉料理だ。がっつりしたものを要求する」
「……がっつりも何も、お前が何を持って来たかで内容は決まりきっているが……」
袋の中身を確認し、魔法使いは台所へ向かう。その後を少年が追いかけ、一緒に袋から食材を出していく。
「ねえ、何でヴィルはわざわざここまで食材を持って来たんだろ」
「さてな、それは展開上の都合というものだろう。そんなことを言っていると、私が魔法使いというのもただの設定になってしまう」
「設定ってなんだよ」
そんなこんなで食材が出揃い、魔法使いの料理が始まった。
「さて、今回作るのは……チーズカツだ」
「チーズカツ? チーズ入ってるカツってこと?」
「読んで字のごとく、だな。とりあえず、必要な食材を書き出しておこう」
チーズカツの材料
・薄切り豚ロース
・スライスチーズ(とろけるのでもとろけないのでも可)
・薄切りベーコン
・小麦粉
・パン粉
・卵
・塩コショウ少々
「今回作るのは、チーズカツと言っても『ミルフィーユチーズカツ』だ。まあ、作っていればわかるが、食材をどんどん層にして重ねていく」
「ねえ、食材はこれじゃなきゃダメなの?」
「いや、そこまでの決まりはない。ただ、ベーコンがあった方が旨味は増すし、ロースだと少しランクアップした感じにはなるかな。そこはお財布と相談して、色々変えてみてもいいと思う」
食材が揃ったら、まずは薄切り豚ロースに塩コショウして下味をつける。
下味をつけるのが済んだら、次は食材を重ねていく。
「最初に薄切り豚ロース、次にベーコン。そして真ん中にスライスチーズを重ねる。そこまで来たらまた、ベーコンを重ねる。最後に豚ロースを乗せれば、ミルフィーユの完成だ」
「ロース、ベーコン。真ん中にチーズで……またベーコン。で、最後にロース、と。でもさ、真ん中のチーズはどれくらい入れればいいの? 一枚じゃはみ出さない?」
「スライスチーズは、半分に切れば真ん中に収まるはずだ。だが、チーズがたくさん入っている方がいい時は、一枚を半分に折っていれるのもいいかもな。そこもお財布事情によって変えていくといいぞ」
ミルフィーユが完成したら、次は衣をつけていく。
小麦粉、卵をつけてから、パン粉をつける。
「特に注意することもないだろうが、衣はちゃんと全体につけるんだぞ」
「つけてるよ。……でも、それを注意するっていうことは何かあるの?」
「いや、後になればわかるが……あまりミルフィーユの部分に隙間があると……チーズが漏れ出してな……」
「漏れるって……あ!」
「どうした」
「間違ってパン粉をつけたやつを卵に落としちゃったよ……」
「ああ、大丈夫だ。その上からまたパン粉をまぶせばいい。そうすると衣がふわふわとした感じになるが、そこは好みで調整するといい」
「そうなんだ……でも、卵が少なくなっちゃうよ?」
「まあ、もし卵がなくなった時は、代用としてマヨネーズを使うといい。卵よりも濃厚な感じの味に仕上がるんだが……しかし、少しばかり贅沢だし、こってりするがな……」
衣をつけたら、あとは油で揚げるだけ!
「油の温度ってどれくらいだろう?」
「ん……一般的には菜箸を油につけて、先から泡が出る程度だな。わかりづらかったら、衣のかけらを油に落としてみるといい。すぐに衣が揚がってきたら、温度は大丈夫だ」
「じゃあ、入れていくよ……そういえば、思ったんだけど。衣がきつね色になったら油から上げて大丈夫なんだよね? だけど、肉が生焼けになってないかなぁ?」
「分厚い肉に関しては注意が必要だが、今回に関しては大丈夫だろう。もともと薄い肉を使っているし、揚げた後しばらく置いておくと……余熱で中まで火が通るしな」
「へえ……って、なんか泡が出て来たよ!?」
「ああ。チーズが溶け出すと、そんな風に油が泡立つんだ。こまめにカスを取れば、鍋の中が泡だらけというのは防げる。……だがまあ、ミルフィーユの構造上、全くチーズが漏れ出さないということはないし、あまり慌てなくていいぞ」
「なんていうか……見た目が魔女の鍋みたいだよね……」
そうして、カラッと揚がったら——盛りつけて完成!
「盛りつけはお好みで。今回はキャベツの千切りに、ミニトマトとレモンを添えてみた」
「ソースはどうするの?」
「それも好みでいいと思うが、少しソースに甘みが欲しい場合は……中濃ソースにトマトケチャップを少し混ぜると変わった感じになる」
「そうなんだ。……あれ、この世界に中濃ソースって」
「言うな。……設定上あるってことにしておけ」
そうこうするうちに、料理が完成し——暖かな食事の時間が始まった。
「さあ、魔法使い特製ミルフィーユチーズカツを召し上がれ、だ」
ソースのかかったチーズカツを切ると、真ん中からトロリとチーズが溢れ出す。衣にチーズとソースを絡めて口に運べば、サクサクとした食感と濃厚な味わいが広がる。
「……うん、満足だ」
ヴィルは言葉通り満足げに、カツを口に運んでいく。切り口から上がる湯気を見つめた少年は、自らも一口食べてから、魔法使いに笑いかける。
「チーズだけでも濃厚だと思うけど、ベーコンが入ってることで塩気と旨味が増して、さらに美味しくなっている気がするね。そもそも、切った時にチーズがトロッと出てくるのが、見た目にも楽しいし」
「今日はチーズで濃厚に仕上げたが……さっぱりしたい時は、しそとか挟むのもいいかもな。なんにしても、今日は」
魔法使いもカツを口に運びながら、窓の外に視線を向ける。
夕闇の迫る森の中、垂れ下がった梢から雪が落ちる。寒々とした白い窓の外と、穏やかに燃える暖炉の炎を見比べて、魔法使いはそっと二人に笑いかけた。
「まあ、こんな寒い日だ。たまには温かいものもいいだろう?」
どれほど寒い日であろうと、温かな時間はゆっくりと過ぎていく。
美味しいチーズカツ——それは小さな、けれどとてもやさしい魔法の時間。
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