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第三部「魔法使いの掟とソフィラの願い」編
5-1.無理解の論証
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ゆるやかに森を進んでいく。秋めいた木立を抜けても、時が止まらないという事実だけが胸の空洞に落ちる。キールは踏みしめた木漏れ日を見下ろし、強く唇を噛み締めた。
「この先に、フラメウがいるのは間違いないんだな」
共に歩んでいた足を止め、ルパートが振り返った。彼は普段の軽装を脱ぎ捨て、戦いに向かう装いに着替えている。とは言っても皮鎧の上に胸当てをしたくらいだから、そこまでの重装備とは言えない。
それはキールも同じことで、こちらはほぼ普段着そのままだった。フラメウと戦闘になれば、キールがいくら重武装したところで勝ち目などない。ならばせめて動きやすい服装を、と。そう告げて送り出してくれたのはクルスだったが。
しかし、フラメウへと至る道を歩むにつれ、キールは捉えどころのない不安に襲われていた。そもそも万全とも言い難い状態で、あの師と対峙するのは自殺行為ではないだろうか。さすがに出会った瞬間、殺されるほど柔ではないにしても。危険があることは確かだし、戦う前提ではどうやっても勝ち目はない。
「キール、聞いてるか?」
「すみません。フラメウは気配を隠していませんから、この先にいることは間違いないです。魔力を使って撹乱するつもりがなければ、ですが。でもまさか、僕相手にそんな小手先の戦法を使うことはないと思います」
「なるほど、完全に舐められてるってわけだなちくしょうめ。しかし、いいのか。話し合うって言うけど、いきなり襲ってくる可能性がないわけじゃないだろ。俺も一緒にいた方がいいんじゃ」
「それは、いいえ。クルスさんにも言った通り、ルパートさんがそばにいたら、フラメウは僕の話を聞かないと思います。それは単純に、僕よりもルパートさんの方が師にとって危険だというだけではなく……たぶん、彼は他者の介入を快くは思わない」
枯葉を踏みしめ歩み出しながらも、キールの胸に去来するのは虚無感だった。ノヴァはもう一度フラメウに会うべきだと言った。けれど、師弟の間に横たわる溝は再び出会うことで決定的なものになるのではないか。予感というより確信に近い想いが心を覆い、気づけばキールは手を強く握りしめていた。
「僕に、変えられることがあるとしたら。それが何であれ為さなければならない」
「なあ、今更言うのも今更だけどさ。ノヴァを置いてきちまってよかったのか。あの子の力があれば、俺よりもお前さんの助けになったんじゃねぇの」
「……仰ることは、わかります。でも、この件にあの子は無関係です。これ以上、今以上の重みを背負わせたくはない」
顔を上げたキールに、ルパートは肩をすくめただけだった。それがキールの自己満足であることは、重々承知している。それでも彼は、ノヴァをフラメウの矢面に立たせることが出来なかった。
そう、紛うことなき自己満足だった。ルパートが良くてノヴァが駄目だという図式は、どう考えても合理的ではない。全員の生存率を考えれば、戦力の低下が致命的であることはわかり切っていた。
「ま、お前がそれでいいなら俺はこれ以上言うまい。だが、何度もしつこく言ってるが、お前死にに行くつもりじゃないよな。負け戦ならまだしも、自殺には付き合わないぜ」
面白くなさそうに言い切り、ルパートは歩み出す。先立つ背中を追いかけ、キールは走り出した。答えは保留。どうあっても変えられない結果があるのなら、キールはそれを選ぶしかない。
森を歩み続ければ、次第に時間の感覚は曖昧になっていく。ルパートのような森の祝福を持たないキールには、この道行きは心を削るものでしかなかった。だが歩まなければ、何もしないで立ち止まっているのと同じだ。歯を食いしばりルパートを追い越すと、青年はとうとうたどり着く。
「ここか」
森が途切れた、わずかばかりの草原。今となっては遠い昔のことのようだが、ここはノヴァの中にいるオーリオールと邂逅した場所だ。まるで木々が避けるように存在する遺跡群を見つめ、キールは背後に向かって声を投げる。
「ルパートさんは待っていてください。ここから先へは僕だけが行きます」
「本気か、って聞くのも野暮か。だが、ここからだとほとんど援護は期待できないと思え。いくら俺が森の中では負けないって言っても、ここは色々場所が悪すぎる。もしや、それをわかった上でここに陣取ってんのかね」
「そうかもしれません。師の遠見をもってすれば、ルパートさんの加護の種類も見抜けたでしょうから。とにかく、何かあったとしても、ご自分の身を第一に考えてください。僕も善処するつもりですけど、相手が相手だけに何が起こるか見当もつかないので」
木々の合間から目を凝らしつつ、キールはそう言って微笑んだ。笑う余裕があるわけではなく、所詮強がりではあったが。それでも幾分楽になって、青年は森から一歩踏み出していく。
「キール」
背後からルパートが呼びかける。それでも青年は歩みを止めない。そんなキールの背に向かい、ルパートは慰めにもならない言葉を投げかけた。
「死んでも骨は拾ってやらないからな。悔しかったら死ぬ前に逃げてきちまえよ」
「勝てと言わないだけ良心的なのかな。……僕の方からはご武運を、と」
噛み合うことを期待しない言葉を吐きあって、キールは遺跡の中を進んでいく。大半が崩れ去り、石壁だけがわずかばかりの痕跡のようなそこには、かつてを偲ばせるものなど残っていない。
風化していくばかりの建物の跡を乗り越え、まばらに生えた草を踏みしめ。歩んでいくキールの視線の先にあったのは、やはりかつてと変わらぬ黒衣の姿。祭壇のような舞台の上に一人佇んだ黒い男は、歩み寄る弟子に背を向けたまま、歌うような声音で語りかけてきた。
「かつてこの地には一つの王国が存在した。その名は失われ、今となっては歴史にすら語られることもない。そんな名もなき王国に、一人の魔法使いがいた」
キールは足を止め、舞台の上の黒衣を見上げた。適当に切りそろえただけの黒髪が、風に吹かれ揺れている。病的に白い首筋は記憶よりも青白いような気がして、キールはしばし瞠目した。その間にも昔語りは続き、まるで思い出をなぞるように、言葉は失われた何かを描き出す。
「彼は、名もなき王と一つの契約をした。それは彼の国を永遠に生かし続けることだった。魔法使いの力をもってすれば、人々に永遠に近い命を与えられることだろう。それはつまるところ、すべての人々を魔法使いに変えることと同義だった。そしてその試みは成功した。名もなき王国は、最強にして最大の魔法使いの国に変貌を遂げたのだ」
「それから長い年月、名もなき王国は世界の覇者としてあらゆるものを支配した。地上はもとより、空も海も、さらには天上のさらに先や理の外に至るまで。彼らには真実、無限の力と万能の知が与えられていた。だから、誰もが忘れ去っていた。その王国に存在する、原初の契約の意味を」
「魔法使いは契約とともに、王に一つの制約を与えた。それは彼の国が、真の意味で世界に仇なす存在に堕ちた時には、契約に連なるすべてのものを消滅させるというものだった。それは言い換えるなら呪いと言える種類のものだったのだろう。だが名もなき王は、魔法使いに願ってしまったのだ。それほどまでに、永遠は王を魅了し続けていた。そして多くの者たちもまた、契約の裏の制約に気づかぬまま、力を振るい続け——そして」
「崩壊は、あっけなく訪れた。引き金を引いたのはただ、死んだ母を生き返らせようとした、幼い子供の願いだった。世界はその願いを異物を判断し、魔法使いの与えた契約通りの代償を彼の国に与えた。一瞬だった。ほんの瞬きする間に、その国は文字通り跡形もなく消えてしまったのだから」
崩壊した過去をなぞるだけの、空っぽの物語。それを語りを得たフラメウは、ゆっくりと弟子を振り返った。変わらぬ虚ろな笑みをたたえた白い顔は、死人のようにすら見えてしまう。それが異様に感じるより早く、師である魔法使いはキールに呼びかけてきた。
「何をしに来た。そう問いかけて欲しいのか?」
「フラメウ、僕はあなたと話すためにここに来ました。あなたが本当は何を望み、そして僕が何をできるのか。それを互いに見極めなければ平等ではないでしょう? どうあっても僕を殺したいというのなら、僕はあなたと戦うしかありませんが」
「その強気の根源は、森に隠れている異能の男か。だがまあ、私としてもお前と語り合うのが無意味だとは思わんさ。久々にキール、お前の愚にもつかない論理を聞くのも悪くない」
目を細め笑い、フラメウはキールを手招いた。一瞬ためらい、ここに来てそれこそ無意味だと思い直し。青年はかつて師と慕った男の前に立つ。彼らの目線はほぼ同じ。だが、互いの見るものは決して交わらない。
「さあ、私にどんな物語を聞かせてくれるのかな。期待させてもらうよ、愚かな私のキール」
「この先に、フラメウがいるのは間違いないんだな」
共に歩んでいた足を止め、ルパートが振り返った。彼は普段の軽装を脱ぎ捨て、戦いに向かう装いに着替えている。とは言っても皮鎧の上に胸当てをしたくらいだから、そこまでの重装備とは言えない。
それはキールも同じことで、こちらはほぼ普段着そのままだった。フラメウと戦闘になれば、キールがいくら重武装したところで勝ち目などない。ならばせめて動きやすい服装を、と。そう告げて送り出してくれたのはクルスだったが。
しかし、フラメウへと至る道を歩むにつれ、キールは捉えどころのない不安に襲われていた。そもそも万全とも言い難い状態で、あの師と対峙するのは自殺行為ではないだろうか。さすがに出会った瞬間、殺されるほど柔ではないにしても。危険があることは確かだし、戦う前提ではどうやっても勝ち目はない。
「キール、聞いてるか?」
「すみません。フラメウは気配を隠していませんから、この先にいることは間違いないです。魔力を使って撹乱するつもりがなければ、ですが。でもまさか、僕相手にそんな小手先の戦法を使うことはないと思います」
「なるほど、完全に舐められてるってわけだなちくしょうめ。しかし、いいのか。話し合うって言うけど、いきなり襲ってくる可能性がないわけじゃないだろ。俺も一緒にいた方がいいんじゃ」
「それは、いいえ。クルスさんにも言った通り、ルパートさんがそばにいたら、フラメウは僕の話を聞かないと思います。それは単純に、僕よりもルパートさんの方が師にとって危険だというだけではなく……たぶん、彼は他者の介入を快くは思わない」
枯葉を踏みしめ歩み出しながらも、キールの胸に去来するのは虚無感だった。ノヴァはもう一度フラメウに会うべきだと言った。けれど、師弟の間に横たわる溝は再び出会うことで決定的なものになるのではないか。予感というより確信に近い想いが心を覆い、気づけばキールは手を強く握りしめていた。
「僕に、変えられることがあるとしたら。それが何であれ為さなければならない」
「なあ、今更言うのも今更だけどさ。ノヴァを置いてきちまってよかったのか。あの子の力があれば、俺よりもお前さんの助けになったんじゃねぇの」
「……仰ることは、わかります。でも、この件にあの子は無関係です。これ以上、今以上の重みを背負わせたくはない」
顔を上げたキールに、ルパートは肩をすくめただけだった。それがキールの自己満足であることは、重々承知している。それでも彼は、ノヴァをフラメウの矢面に立たせることが出来なかった。
そう、紛うことなき自己満足だった。ルパートが良くてノヴァが駄目だという図式は、どう考えても合理的ではない。全員の生存率を考えれば、戦力の低下が致命的であることはわかり切っていた。
「ま、お前がそれでいいなら俺はこれ以上言うまい。だが、何度もしつこく言ってるが、お前死にに行くつもりじゃないよな。負け戦ならまだしも、自殺には付き合わないぜ」
面白くなさそうに言い切り、ルパートは歩み出す。先立つ背中を追いかけ、キールは走り出した。答えは保留。どうあっても変えられない結果があるのなら、キールはそれを選ぶしかない。
森を歩み続ければ、次第に時間の感覚は曖昧になっていく。ルパートのような森の祝福を持たないキールには、この道行きは心を削るものでしかなかった。だが歩まなければ、何もしないで立ち止まっているのと同じだ。歯を食いしばりルパートを追い越すと、青年はとうとうたどり着く。
「ここか」
森が途切れた、わずかばかりの草原。今となっては遠い昔のことのようだが、ここはノヴァの中にいるオーリオールと邂逅した場所だ。まるで木々が避けるように存在する遺跡群を見つめ、キールは背後に向かって声を投げる。
「ルパートさんは待っていてください。ここから先へは僕だけが行きます」
「本気か、って聞くのも野暮か。だが、ここからだとほとんど援護は期待できないと思え。いくら俺が森の中では負けないって言っても、ここは色々場所が悪すぎる。もしや、それをわかった上でここに陣取ってんのかね」
「そうかもしれません。師の遠見をもってすれば、ルパートさんの加護の種類も見抜けたでしょうから。とにかく、何かあったとしても、ご自分の身を第一に考えてください。僕も善処するつもりですけど、相手が相手だけに何が起こるか見当もつかないので」
木々の合間から目を凝らしつつ、キールはそう言って微笑んだ。笑う余裕があるわけではなく、所詮強がりではあったが。それでも幾分楽になって、青年は森から一歩踏み出していく。
「キール」
背後からルパートが呼びかける。それでも青年は歩みを止めない。そんなキールの背に向かい、ルパートは慰めにもならない言葉を投げかけた。
「死んでも骨は拾ってやらないからな。悔しかったら死ぬ前に逃げてきちまえよ」
「勝てと言わないだけ良心的なのかな。……僕の方からはご武運を、と」
噛み合うことを期待しない言葉を吐きあって、キールは遺跡の中を進んでいく。大半が崩れ去り、石壁だけがわずかばかりの痕跡のようなそこには、かつてを偲ばせるものなど残っていない。
風化していくばかりの建物の跡を乗り越え、まばらに生えた草を踏みしめ。歩んでいくキールの視線の先にあったのは、やはりかつてと変わらぬ黒衣の姿。祭壇のような舞台の上に一人佇んだ黒い男は、歩み寄る弟子に背を向けたまま、歌うような声音で語りかけてきた。
「かつてこの地には一つの王国が存在した。その名は失われ、今となっては歴史にすら語られることもない。そんな名もなき王国に、一人の魔法使いがいた」
キールは足を止め、舞台の上の黒衣を見上げた。適当に切りそろえただけの黒髪が、風に吹かれ揺れている。病的に白い首筋は記憶よりも青白いような気がして、キールはしばし瞠目した。その間にも昔語りは続き、まるで思い出をなぞるように、言葉は失われた何かを描き出す。
「彼は、名もなき王と一つの契約をした。それは彼の国を永遠に生かし続けることだった。魔法使いの力をもってすれば、人々に永遠に近い命を与えられることだろう。それはつまるところ、すべての人々を魔法使いに変えることと同義だった。そしてその試みは成功した。名もなき王国は、最強にして最大の魔法使いの国に変貌を遂げたのだ」
「それから長い年月、名もなき王国は世界の覇者としてあらゆるものを支配した。地上はもとより、空も海も、さらには天上のさらに先や理の外に至るまで。彼らには真実、無限の力と万能の知が与えられていた。だから、誰もが忘れ去っていた。その王国に存在する、原初の契約の意味を」
「魔法使いは契約とともに、王に一つの制約を与えた。それは彼の国が、真の意味で世界に仇なす存在に堕ちた時には、契約に連なるすべてのものを消滅させるというものだった。それは言い換えるなら呪いと言える種類のものだったのだろう。だが名もなき王は、魔法使いに願ってしまったのだ。それほどまでに、永遠は王を魅了し続けていた。そして多くの者たちもまた、契約の裏の制約に気づかぬまま、力を振るい続け——そして」
「崩壊は、あっけなく訪れた。引き金を引いたのはただ、死んだ母を生き返らせようとした、幼い子供の願いだった。世界はその願いを異物を判断し、魔法使いの与えた契約通りの代償を彼の国に与えた。一瞬だった。ほんの瞬きする間に、その国は文字通り跡形もなく消えてしまったのだから」
崩壊した過去をなぞるだけの、空っぽの物語。それを語りを得たフラメウは、ゆっくりと弟子を振り返った。変わらぬ虚ろな笑みをたたえた白い顔は、死人のようにすら見えてしまう。それが異様に感じるより早く、師である魔法使いはキールに呼びかけてきた。
「何をしに来た。そう問いかけて欲しいのか?」
「フラメウ、僕はあなたと話すためにここに来ました。あなたが本当は何を望み、そして僕が何をできるのか。それを互いに見極めなければ平等ではないでしょう? どうあっても僕を殺したいというのなら、僕はあなたと戦うしかありませんが」
「その強気の根源は、森に隠れている異能の男か。だがまあ、私としてもお前と語り合うのが無意味だとは思わんさ。久々にキール、お前の愚にもつかない論理を聞くのも悪くない」
目を細め笑い、フラメウはキールを手招いた。一瞬ためらい、ここに来てそれこそ無意味だと思い直し。青年はかつて師と慕った男の前に立つ。彼らの目線はほぼ同じ。だが、互いの見るものは決して交わらない。
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