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1章:始まり
校内案内 4話
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架瑠は校舎を見上げてオカルト研究部の場所を探す。隣に住んでいる西谷茉莉、彼女が今年の入部者だ。……むしろ、彼女しか入部していない。
佑心がオカルト研究部の部活紹介をしたときはワッと入部希望者が集まったが、オカルト研究部の実態を知った生徒たちは次々に入部届を破り捨て、別の部活に向かってしまった。
――それはきっと、佑心が怪しげな魔法陣を試したり、オカルト話を熱弁したり、『さぁ、キミもやってごらん!』とこれまた怪しげな儀式を強要しようとしたからだろう。
それでも彼の容姿は誰が見ても整っていて、性格もオカルトを抜かせば誰にも優しく親切なため、とても人気者だ。
架瑠はちらりと隣を歩く紬を見て、先程の様子を思い出す。
(いったい、なにを話したんだろう?)
内心首を傾げながら、架瑠はオカルト研究部まで歩いた。
校舎の三階にあるオカルト研究部。すでに部長の佑心と部員の茉莉が椅子に座っていて、架瑠が扉を開けると二人ともこちらに視線をやる。
「案内は終わったかい?」
「はい、一通り。あ、茉莉に紹介するよ。おれのクラスの転入生で、九鬼紬くんだ」
「どうも」
「は、初めまして……!」
茉莉はガタッと立ち上がって頭を下げた。佑心も立ち上がり、架瑠たちに声をかけ、座るようにうながした。
「さて、それでは改めて自己紹介しよう。三年A組、オカルト研究部部長の羽井田佑心だ。ようこそ、オカルト研究部へ!」
「一年B組の西谷茉莉、です。よろしくお願いします」
「二年C組の倉橋架瑠」
「……二年C組、九鬼紬。部員、少なくないか?」
ぽんぽんと自己紹介をしていき、最後に紬が自身の名を告げてから三人の顔を見渡す。
「思っていたより少ないだろう?」
「ああ、想像以上に」
怪訝そうに佑心を見る紬。彼はにこりと微笑んでからこほんと咳払いをした。それから、すぐに顔を紬に向けてピッと人差し指を立てる。
「今年は茉莉くんしか入部しなかったからね。三人しかいないんだ、この部活。そういうわけで、キミをスカウトしたわけ」
人差し指を左右に振りながら、佑心は「ははは」と乾いた笑いを浮かべる。各学年一人ずつしかいないため、本当に少ない。名前だけの幽霊部員でさえ、このオカルト研究部にはいないのだ。
「……まぁ、転入するときに説明は受けていたからな」
紬は鞄から入部届を取り出した。晴雪高校に転入手続きをしたときに、いろいろと説明を受けたらしい。そのとき、部活動は必須ということも聞いている。教師には『ゆっくり決めていいから』と言われていたが、紬は空いている椅子に座り筆記道具を取り出して、すらすらと文字を綴る。
書き終わってから、まだ立ったままの架瑠を見上げた。
佑心がオカルト研究部の部活紹介をしたときはワッと入部希望者が集まったが、オカルト研究部の実態を知った生徒たちは次々に入部届を破り捨て、別の部活に向かってしまった。
――それはきっと、佑心が怪しげな魔法陣を試したり、オカルト話を熱弁したり、『さぁ、キミもやってごらん!』とこれまた怪しげな儀式を強要しようとしたからだろう。
それでも彼の容姿は誰が見ても整っていて、性格もオカルトを抜かせば誰にも優しく親切なため、とても人気者だ。
架瑠はちらりと隣を歩く紬を見て、先程の様子を思い出す。
(いったい、なにを話したんだろう?)
内心首を傾げながら、架瑠はオカルト研究部まで歩いた。
校舎の三階にあるオカルト研究部。すでに部長の佑心と部員の茉莉が椅子に座っていて、架瑠が扉を開けると二人ともこちらに視線をやる。
「案内は終わったかい?」
「はい、一通り。あ、茉莉に紹介するよ。おれのクラスの転入生で、九鬼紬くんだ」
「どうも」
「は、初めまして……!」
茉莉はガタッと立ち上がって頭を下げた。佑心も立ち上がり、架瑠たちに声をかけ、座るようにうながした。
「さて、それでは改めて自己紹介しよう。三年A組、オカルト研究部部長の羽井田佑心だ。ようこそ、オカルト研究部へ!」
「一年B組の西谷茉莉、です。よろしくお願いします」
「二年C組の倉橋架瑠」
「……二年C組、九鬼紬。部員、少なくないか?」
ぽんぽんと自己紹介をしていき、最後に紬が自身の名を告げてから三人の顔を見渡す。
「思っていたより少ないだろう?」
「ああ、想像以上に」
怪訝そうに佑心を見る紬。彼はにこりと微笑んでからこほんと咳払いをした。それから、すぐに顔を紬に向けてピッと人差し指を立てる。
「今年は茉莉くんしか入部しなかったからね。三人しかいないんだ、この部活。そういうわけで、キミをスカウトしたわけ」
人差し指を左右に振りながら、佑心は「ははは」と乾いた笑いを浮かべる。各学年一人ずつしかいないため、本当に少ない。名前だけの幽霊部員でさえ、このオカルト研究部にはいないのだ。
「……まぁ、転入するときに説明は受けていたからな」
紬は鞄から入部届を取り出した。晴雪高校に転入手続きをしたときに、いろいろと説明を受けたらしい。そのとき、部活動は必須ということも聞いている。教師には『ゆっくり決めていいから』と言われていたが、紬は空いている椅子に座り筆記道具を取り出して、すらすらと文字を綴る。
書き終わってから、まだ立ったままの架瑠を見上げた。
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