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3章
3章29話(239話)
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くるり、とジーンが私たちに振り返り、こっちへ来て、とばかりに手招く。私たちはジーンに近付いて、「せっかくのお祭りだから」とジーンが話し始めた。
「今、音楽が聞こえるでしょう?」
「え、ええ。聞こえるわ」
「この音楽ね、建国祭ではいつも流れていたの。そして、毎回踊っていたみたいなのよ」
「……どういうこと?」
私が眉を下げて首を傾げると、ジーンはにっこりと微笑みを浮かべてアル兄様の手を取った。
「ここ、まだ人があまり居ないから、踊るなら今のうちが良いのではないかと思って!」
そう言ってパチンとウインクをひとつ。アル兄様はジーンの言っていることを理解したのか、小さくうなずいた。
「なるほど、それじゃあ……みんなで踊ろうか」
「さすがアルフレッド様。孤児院の子たちも、シスター・ルイザも一緒に踊りましょう?」
楽しそうにみんなに向けて手を差し伸べるジーン。私たちはそれぞれ顔を見合わせて、子どもたちに向かって手を差し伸べた。
「せっかくのお祭りですものね」
「そうね、楽しんだほうが絶対にいいわ!」
「……でも、オレたち踊りなんて知らないよ……?」
「それじゃあ、僕たちの動きを真似してみて?」
アル兄様の優しい声に、孤児院の子たちは目をキラキラと輝かせて何度もうなずいた。シスター・ルイザのほうへ視線を向けると彼女は慈愛の笑みを浮かべていた。そんなシスター・ルイザの手をクイッと引っ張っているクライヴくん。
その頬がちょっと赤く染まっていたから、きっとシスター・ルイザのことが大好きなんだろうなぁと思って、表情を緩めた。それを見たヴィニー殿下が、「リザ?」と不思議そうに首を傾げたので、私は緩やかに首を振ってヴィニー殿下を見た。
「踊りましょう、みんなで!」
「そうだね」
そう言って私たちは踊った。舞姫として練習して来たものでもなく、社交ダンスでもなく、各々自由に身体を動かすような……、要するに即席のダンスだ。
それでも、子どもたちは楽しそうに笑っていたし、ジーンたちも笑顔だった。そのうち、子どもたちは段々疲れて来たのか、動きを緩めて私たちにこう言った。
「男女パートナーのダンス踊って!」
「見てみたい!」
目をキラキラと宝石のように輝かせて、特に女の子たちは社交ダンスに憧れがあるようだった。
私たちはどうしようか、と視線を交わす。ジーンがすっとアル兄様に手を伸ばして、
「お願いできますか?」
と言った。アル兄様はふふ、と笑みを深めて恭しく彼女の手を取り、うなずいた。
「みんなも」
アル兄様は私たちを見て、それからヴィニー殿下に向けてなにかを呟いた。ヴィニー殿下はにっと口角を上げて、それから私へと手を差し伸べる。
「踊ろう、リザ」
「はい、お願いします」
ヴィニー殿下の手を取ると、シー兄様とディアがペアになっているところが見えた。
「今、音楽が聞こえるでしょう?」
「え、ええ。聞こえるわ」
「この音楽ね、建国祭ではいつも流れていたの。そして、毎回踊っていたみたいなのよ」
「……どういうこと?」
私が眉を下げて首を傾げると、ジーンはにっこりと微笑みを浮かべてアル兄様の手を取った。
「ここ、まだ人があまり居ないから、踊るなら今のうちが良いのではないかと思って!」
そう言ってパチンとウインクをひとつ。アル兄様はジーンの言っていることを理解したのか、小さくうなずいた。
「なるほど、それじゃあ……みんなで踊ろうか」
「さすがアルフレッド様。孤児院の子たちも、シスター・ルイザも一緒に踊りましょう?」
楽しそうにみんなに向けて手を差し伸べるジーン。私たちはそれぞれ顔を見合わせて、子どもたちに向かって手を差し伸べた。
「せっかくのお祭りですものね」
「そうね、楽しんだほうが絶対にいいわ!」
「……でも、オレたち踊りなんて知らないよ……?」
「それじゃあ、僕たちの動きを真似してみて?」
アル兄様の優しい声に、孤児院の子たちは目をキラキラと輝かせて何度もうなずいた。シスター・ルイザのほうへ視線を向けると彼女は慈愛の笑みを浮かべていた。そんなシスター・ルイザの手をクイッと引っ張っているクライヴくん。
その頬がちょっと赤く染まっていたから、きっとシスター・ルイザのことが大好きなんだろうなぁと思って、表情を緩めた。それを見たヴィニー殿下が、「リザ?」と不思議そうに首を傾げたので、私は緩やかに首を振ってヴィニー殿下を見た。
「踊りましょう、みんなで!」
「そうだね」
そう言って私たちは踊った。舞姫として練習して来たものでもなく、社交ダンスでもなく、各々自由に身体を動かすような……、要するに即席のダンスだ。
それでも、子どもたちは楽しそうに笑っていたし、ジーンたちも笑顔だった。そのうち、子どもたちは段々疲れて来たのか、動きを緩めて私たちにこう言った。
「男女パートナーのダンス踊って!」
「見てみたい!」
目をキラキラと宝石のように輝かせて、特に女の子たちは社交ダンスに憧れがあるようだった。
私たちはどうしようか、と視線を交わす。ジーンがすっとアル兄様に手を伸ばして、
「お願いできますか?」
と言った。アル兄様はふふ、と笑みを深めて恭しく彼女の手を取り、うなずいた。
「みんなも」
アル兄様は私たちを見て、それからヴィニー殿下に向けてなにかを呟いた。ヴィニー殿下はにっと口角を上げて、それから私へと手を差し伸べる。
「踊ろう、リザ」
「はい、お願いします」
ヴィニー殿下の手を取ると、シー兄様とディアがペアになっているところが見えた。
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