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王城へ! 後編
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「緊張していますか?」
レオンハルトさまの問いに、思わず彼を見つめる。そして、自分の胸元に手を当てて、眉を下げて微笑んだ。
「正直に言えば、そうですね。ですが、レオンハルトさまとの婚約が認められると思えば、なんてことありません!」
ぐっと拳を握って意気込むと、彼はキョトンとした表情を浮かべた。私の言葉が面白かったのかくすりとはにかむ。その表情もドストライクです! ……とは、面と向かって言えないけれど、本心だ。
「……ただ、レオンハルトさまが晒しもののように見られるんじゃないかって、それだけが心配で……」
私が晒しものになるのは構わないんだけど……。ダニエル殿下と婚約してからずーっとそんな感じで見られていたし。伯爵家って、中間で便利といえば便利な位置に居るんだけど……。王族の地位と比べるとさすがにねぇ……。
それに、ダニエル殿下が望んだ婚約者ってことで注目度も高かったし。
王都で暮らしているとどうしても注目を浴びてしまうのが、王族の婚約者のつらいところだった。……婚約破棄もあれだけ派手にやったからね、どんな目で見られるのかしら、今回は。
……でも、レオンハルトさまにプロポーズを受けた場所では、視線は気にならなかったな……。貴族のお茶会と一緒にしちゃいけないとは思うんだけど……。あれは別の意味で注目を浴びていたようなものだったけれど。
レオンハルトさまは、そんな私の表情を見てどう思ったのか、軽く手を振る。そして、私のドレスを見つめた。
「オレはそんなこと気にしませんよ。……そういえば、赤いドレスがお好きなんですか?」
「え? ああ……いいえ。これは気合を入れるために着ました」
「気合い?」
「王族の方々との謁見ですから!」
自分を奮い立たせるためのドレスだ。だからこそ、パッと見てわかるくらいの鮮やかな赤色にした。どうしてそんなことを聞いたのかしら? この赤色、お気に召さなかったかしら……? でも、『綺麗』って言ってくださったし……。そういえば、レオンハルトさまの好きな色も知らないわ。今度聞いてみなくちゃ。
レオンハルトさまが私へと手を伸ばす。首を傾げると、彼はそっと私の手を取って、手の甲にちゅっと唇を落した。
「れ、レオンハルトさま……?」
「今日、陛下たちへの報告が済めばオレたちは無事に婚約者です。がんばりましょう?」
「…………はいっ!」
そうよね。がんばらないと。レオンハルトさまとの婚約を許可してもらえば、私はレオンハルトさまと一緒に彼の領地に向かうことになる。
――そこで新しい人生を始めるのよ!
レオンハルトさまの問いに、思わず彼を見つめる。そして、自分の胸元に手を当てて、眉を下げて微笑んだ。
「正直に言えば、そうですね。ですが、レオンハルトさまとの婚約が認められると思えば、なんてことありません!」
ぐっと拳を握って意気込むと、彼はキョトンとした表情を浮かべた。私の言葉が面白かったのかくすりとはにかむ。その表情もドストライクです! ……とは、面と向かって言えないけれど、本心だ。
「……ただ、レオンハルトさまが晒しもののように見られるんじゃないかって、それだけが心配で……」
私が晒しものになるのは構わないんだけど……。ダニエル殿下と婚約してからずーっとそんな感じで見られていたし。伯爵家って、中間で便利といえば便利な位置に居るんだけど……。王族の地位と比べるとさすがにねぇ……。
それに、ダニエル殿下が望んだ婚約者ってことで注目度も高かったし。
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……でも、レオンハルトさまにプロポーズを受けた場所では、視線は気にならなかったな……。貴族のお茶会と一緒にしちゃいけないとは思うんだけど……。あれは別の意味で注目を浴びていたようなものだったけれど。
レオンハルトさまは、そんな私の表情を見てどう思ったのか、軽く手を振る。そして、私のドレスを見つめた。
「オレはそんなこと気にしませんよ。……そういえば、赤いドレスがお好きなんですか?」
「え? ああ……いいえ。これは気合を入れるために着ました」
「気合い?」
「王族の方々との謁見ですから!」
自分を奮い立たせるためのドレスだ。だからこそ、パッと見てわかるくらいの鮮やかな赤色にした。どうしてそんなことを聞いたのかしら? この赤色、お気に召さなかったかしら……? でも、『綺麗』って言ってくださったし……。そういえば、レオンハルトさまの好きな色も知らないわ。今度聞いてみなくちゃ。
レオンハルトさまが私へと手を伸ばす。首を傾げると、彼はそっと私の手を取って、手の甲にちゅっと唇を落した。
「れ、レオンハルトさま……?」
「今日、陛下たちへの報告が済めばオレたちは無事に婚約者です。がんばりましょう?」
「…………はいっ!」
そうよね。がんばらないと。レオンハルトさまとの婚約を許可してもらえば、私はレオンハルトさまと一緒に彼の領地に向かうことになる。
――そこで新しい人生を始めるのよ!
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