【完結】婚約破棄×お見合い=一目惚れ!?

秋月一花

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初デート! 3-2

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 小さな声でそう言うと、レオンハルトさまはぽんぽんと私の頭を優しく撫でる。全然イヤな気はしなかった。むしろもっと撫でて欲しいと思うくらい、心地よかった。

 ……うう、我ながらなんて乙女な思考なの……!

 段々と落ち着いて来て、もう大丈夫です、と彼から離れようとしたけれど、ぎゅうっと抱きしめられて頭を撫で続けられる。な、なに、なんなのこの状況……!

 少しだけ離れて、私の顔を覗き込んでくるレオンハルトさま。ふっと微笑みを浮かべて、私の目元を愛しそうに指で擦った。

「レオンハルトさま……?」
「目が赤くなってしまいましたね。少し休んでから戻りましょうか?」
「い、いえ……。私は大丈夫です。あの、昨日言っていた用事とは……?」

 ひぇぇえ、かお、顔が近い! もうちょっと近付けば唇と唇が重なってしまうくらいの近さ。ドアップで見てもなんて整っているお顔なのか! 好みのタイプって言うのもあるけれど、この人自身が格好良いのよね……。思わず目を奪われてしまう端正な顔に、頬が赤くなってしまう。

 ……そんな人と結婚するのか、私。……この場合、私がレオンハルトさまについて行くのよね。彼が治める領地がどんな場所なのか、楽しみだわ。

「ああ……。プロポーズするなら、アクセサリーが必要だと思いまして……。あと、この場所の確認をしておきたくて」
「確認、ですか?」
「ここ、王都から離れているでしょう? 迷わないように、と……」

 ……なるほど。こっちのほうって私も来たことなかったし……。プロポーズのために調べてくれたのかな?

 そっと、レオンハルトさまが離れる。そのことにちょっとした寂しさを感じた自分に驚いた。一目惚れって本当にあるのね。彼のことを想うと胸がきゅんと締め付けられる。だけど、イヤじゃないの。彼を好きだと思えることが、とても嬉しい。

「戻ってレームクール伯爵に報告しなくてはいけませんね」
「……はい」

 離れたと思ったら、レオンハルトさまは「失礼」と一言呟いてから私のことを抱き上げた! お姫様抱っこだ!

「れ、レオンハルトさま!?」
「馬車に戻ります。せっかく婚約者になれたのですから、こうして歩かせてください」

 ヒュー、と誰かが口笛を鳴らした。私たちが抱きしめ合っているときには止んでいたのに……!

「お、重いでしょうに……!」
「まさか! とても軽いですよ」

 さらっとそんなことを言えるなんて、イケメンはずるいわ……! レオンハルトさまは重さを感じさせない足取りでスタスタと歩き、私を馬車まで運んでくれた。

 ヒールで歩いていたから地味にきつかったのがバレていたみたい。
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