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3章:アシュリンと再会。
アシュリンとお兄ちゃん。 5話
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「お兄ちゃんとどうやって知り合ったんですか?」
「旅をしている途中で偶然。道に迷ったアンディが声をかけてきたんだ」
「お兄ちゃん、迷子になったの!?」
兄のアンディが迷子になるイメージができず、思わず振り返ってみると、にっこりと微笑みを浮かべてアシュリンの手を取り、スタスタと歩き出した。
「お、お兄ちゃん?」
「アシュリン、そいつのことはいいから。今は髪を直そう」
髪のことに触れられて、アシュリンはハッとしたようにつないでいないほうの手で髪を触る。
ぐしゃぐしゃにかき混ぜられた髪はそのままで、アンディの友だちにそんな髪の状態で会って会話したことに、アシュリンは恥ずかしそうに頬を赤く染めた。
「お兄ちゃんのせいで変な髪型になっちゃったー!」
「ごめんって。アシュリンに会えたことがうれしくてさ」
アンディの言葉に、アシュリンはそれ以上なにも言えなかった。兄と会えたことは、彼女にとってもうれしいことだった。とはいえ、こんなにぐしゃぐしゃの頭で……と考えて、ちろりとアンディに視線を移す。
「エレノアの髪をこんなにしたら、泣きわめいちゃうよ」
「でもやっちゃいそうだなー、おれ。――家族は元気に暮らしてた?」
「……うん。お兄ちゃんが旅立って、さびしかったけど……みんな元気に暮らしていたよ」
「そっか」
どこかホッとしたようなアンディの声に、アシュリンは兄をじっと見つめる。十二歳のときに旅立った三年前のアンディの横顔の面影と、今のアンディの横顔が重なってこの人は本当に自分の兄なのだと感じて、アシュリンは不思議な気持ちになった。
「ねえ、お兄ちゃん。……旅は楽しい?」
「うん。うち、森の中の村だったろう? いろんなところを見て回れて、本の中身も充実して、友だちもたくさんできたし」
「そっかぁ。わたしはまだラルフとお友だちになっただけかなぁ……。あ、水の精霊のタルコットもお友だち!」
一緒に滑り台をすべった水の精霊、タルコットのことを思い浮かべて、ふふっと笑う。あの滑り台、また遊びたいなと考えながら歩いていると、ぴたりとアンディが足を止める。
「ここにしようか。一緒に使っていい?」
「もちろん!」
アンディは二人が充分に休める広さの小屋を指し、アシュリンにたずねる。彼女はこくっと首を動かしてパッと彼から手を離し小屋に駆けていく。
「おにいちゃーん、はやくはやく!」
「……相変わらず、元気だなぁ」
ふわりとアンディは微笑み、それを見ていたニーグルムも懐かしむように目を細めた。
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「お、お兄ちゃん?」
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髪のことに触れられて、アシュリンはハッとしたようにつないでいないほうの手で髪を触る。
ぐしゃぐしゃにかき混ぜられた髪はそのままで、アンディの友だちにそんな髪の状態で会って会話したことに、アシュリンは恥ずかしそうに頬を赤く染めた。
「お兄ちゃんのせいで変な髪型になっちゃったー!」
「ごめんって。アシュリンに会えたことがうれしくてさ」
アンディの言葉に、アシュリンはそれ以上なにも言えなかった。兄と会えたことは、彼女にとってもうれしいことだった。とはいえ、こんなにぐしゃぐしゃの頭で……と考えて、ちろりとアンディに視線を移す。
「エレノアの髪をこんなにしたら、泣きわめいちゃうよ」
「でもやっちゃいそうだなー、おれ。――家族は元気に暮らしてた?」
「……うん。お兄ちゃんが旅立って、さびしかったけど……みんな元気に暮らしていたよ」
「そっか」
どこかホッとしたようなアンディの声に、アシュリンは兄をじっと見つめる。十二歳のときに旅立った三年前のアンディの横顔の面影と、今のアンディの横顔が重なってこの人は本当に自分の兄なのだと感じて、アシュリンは不思議な気持ちになった。
「ねえ、お兄ちゃん。……旅は楽しい?」
「うん。うち、森の中の村だったろう? いろんなところを見て回れて、本の中身も充実して、友だちもたくさんできたし」
「そっかぁ。わたしはまだラルフとお友だちになっただけかなぁ……。あ、水の精霊のタルコットもお友だち!」
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「もちろん!」
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「おにいちゃーん、はやくはやく!」
「……相変わらず、元気だなぁ」
ふわりとアンディは微笑み、それを見ていたニーグルムも懐かしむように目を細めた。
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