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2章:アシュリンと出会い。
アシュリンとお友だち。 10話
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確かにまだ旅の途中だ。
アシュリン自身、自分の物語がどんな結果になるかわからない。
そんな中タイトルをつけたら、タイトルはかけ離れた内容になってしまうかも……と考えて「わかった」とううなずく。
「ねえ、ラルフはおなかすいてない?」
「すいてるよ。一緒に食べようと思って、待っていたんだ」
「そうだったんだ! 待っていてくれて、ありがとう! 一緒に食べよ!」
アシュリンは目を丸くしてから、じわじわとうれしさが顔ににじみでるのを必死で隠すように頬をもにもにと揉みながら言葉を紡ぐ。彼女の様子に、ラルフはくすっと笑って、「あっちにテーブルと椅子があるみたい」と休憩スペースの一角を指さす。
「日陰だし、ちょうどよさそうだね」
アシュリンとラルフたちはそこまで移動して、すとんと椅子に座った。
リュックから朝ごはんを取り出していると、ラルフがじっとリュックを見つめていることに気付いて、「どうしたの?」と首をかしげる。
「なんでも入るんだね、そのリュック」
「うん。おじいちゃんがいろいろ設定? をしてくれたみたいなの」
「設定?」
「魔法のかばんを作るときに、大事なことなんだって!」
以前祖父のケヴィンから教えてもらったことを、ラルフに話す。
うろ覚えのところもあったが、彼は気にせずに……むしろ興味深そうに彼女の話に耳をかたむけていた。
「最初にどんなものを入れるのかを想定して、容量を決めているんだ……。すごいね、おじいさん」
「おじいちゃんの魔法のかばんは人気だからね!」
エッヘンと胸を張る姿を見て、ラルフはくすりと笑う。それから二人はたくさんお話をしながら、それぞれ食事を楽しんだ。
「そうだ、はい、読んで良いよ」
朝ごはんを食べ終えたアシュリンが、魔法で手をきれいにしてから本をラルフに差し出す。
彼も同じように魔法で手をきれいにしてから、そうっと本を受け取った。
「ここで読んで良い?」
「いいよー」
アシュリンの言葉を聞いて、ラルフは本の表紙と裏表紙を確認してからぱらりとめくった。一枚目は白紙で、二枚目には目次がかかれている。
『アシュリンの旅立ち』
『アシュリンとお友だち』
と書かれているのを見て、ふっと笑みをこぼすラルフ。
三枚目から本文のようで、可愛らしい絵でアシュリンとノワールのことが描かれていた。内容を目で追いながら、ぱらりぱらりとページをめくる。
そして、自分が出てきたことに少し驚いたように目を丸くし、軽く頬をかいた。
「ぼくのこと、お友だちと思ってくれているの?」
「お友だちでしょ? 名前で呼び合って、こんなふうに一緒にいるもん」
それが彼女の友だちの定義なのか、とラルフは納得したようにうなずいた。大人しく本を眺めていたルプトゥムも、自身の姿がかわいらしく描かれていることに気付いて、本をじーっと見つめる。
『そんなに見つめても、絵は変えませんよ!』
「我、もう少しカッコイイのでは? かわいいではなく……」
『変えません!』
断固拒否されて、ルプトゥムはしゅんとうなだれた。
アシュリン自身、自分の物語がどんな結果になるかわからない。
そんな中タイトルをつけたら、タイトルはかけ離れた内容になってしまうかも……と考えて「わかった」とううなずく。
「ねえ、ラルフはおなかすいてない?」
「すいてるよ。一緒に食べようと思って、待っていたんだ」
「そうだったんだ! 待っていてくれて、ありがとう! 一緒に食べよ!」
アシュリンは目を丸くしてから、じわじわとうれしさが顔ににじみでるのを必死で隠すように頬をもにもにと揉みながら言葉を紡ぐ。彼女の様子に、ラルフはくすっと笑って、「あっちにテーブルと椅子があるみたい」と休憩スペースの一角を指さす。
「日陰だし、ちょうどよさそうだね」
アシュリンとラルフたちはそこまで移動して、すとんと椅子に座った。
リュックから朝ごはんを取り出していると、ラルフがじっとリュックを見つめていることに気付いて、「どうしたの?」と首をかしげる。
「なんでも入るんだね、そのリュック」
「うん。おじいちゃんがいろいろ設定? をしてくれたみたいなの」
「設定?」
「魔法のかばんを作るときに、大事なことなんだって!」
以前祖父のケヴィンから教えてもらったことを、ラルフに話す。
うろ覚えのところもあったが、彼は気にせずに……むしろ興味深そうに彼女の話に耳をかたむけていた。
「最初にどんなものを入れるのかを想定して、容量を決めているんだ……。すごいね、おじいさん」
「おじいちゃんの魔法のかばんは人気だからね!」
エッヘンと胸を張る姿を見て、ラルフはくすりと笑う。それから二人はたくさんお話をしながら、それぞれ食事を楽しんだ。
「そうだ、はい、読んで良いよ」
朝ごはんを食べ終えたアシュリンが、魔法で手をきれいにしてから本をラルフに差し出す。
彼も同じように魔法で手をきれいにしてから、そうっと本を受け取った。
「ここで読んで良い?」
「いいよー」
アシュリンの言葉を聞いて、ラルフは本の表紙と裏表紙を確認してからぱらりとめくった。一枚目は白紙で、二枚目には目次がかかれている。
『アシュリンの旅立ち』
『アシュリンとお友だち』
と書かれているのを見て、ふっと笑みをこぼすラルフ。
三枚目から本文のようで、可愛らしい絵でアシュリンとノワールのことが描かれていた。内容を目で追いながら、ぱらりぱらりとページをめくる。
そして、自分が出てきたことに少し驚いたように目を丸くし、軽く頬をかいた。
「ぼくのこと、お友だちと思ってくれているの?」
「お友だちでしょ? 名前で呼び合って、こんなふうに一緒にいるもん」
それが彼女の友だちの定義なのか、とラルフは納得したようにうなずいた。大人しく本を眺めていたルプトゥムも、自身の姿がかわいらしく描かれていることに気付いて、本をじーっと見つめる。
『そんなに見つめても、絵は変えませんよ!』
「我、もう少しカッコイイのでは? かわいいではなく……」
『変えません!』
断固拒否されて、ルプトゥムはしゅんとうなだれた。
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