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2章:アシュリンと出会い。
アシュリンとお友だち。 8話
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素直に口を開けるアシュリンとノワール。
タルコットは人差し指を立てると、ぷかぷかと水の球体を作り出した。
その球体を彼女たちの口の中に入れる。こくりと飲み込むと、カラカラだったノドがすぐにうるおい、声を出しやすくなりアシュリンは「ありがとう!」と頭を下げる。
「こちらこそ、ありがとうございました! あ、そうだ。アシュリンさん、ちょっと持ち上げてもらっていいですか?」
「こう?」
ひょいとタルコットを持ち上げ、自分の手のひらに乗せる。アシュリンの額に届くくらい高く上げると、タルコットはそっとアシュリンの額に唇を押し当てた。
「あなたに水の加護がありますように」
ちゅっと軽い音を立てて額から唇を離すタルコット。
「……水の精霊だったのね!」
「はい。遊んでくれて、ありがとうございました! ボクはちょっと休んでから、また自分の精霊術を求めて旅に出ます!」
「うん、お互い、旅を楽しもうね!」
タルコットはにっこりと笑って「はい!」と元気よく返事をしてから、空気に馴染むように姿を薄くしていく。
サァ……とやわらかい風が吹いて、アシュリンの頬を撫でる。手のひらにいたタルコットが姿を消したことに目を丸くしたが、すぐに「バイバイ!」と言ってから、ノワールと本を見た。
「精霊族って、自然に溶け込めるんだね」
「精霊だからね」
『うーん、旅をすることで得られる友情物語、最高ですね!』
それまで大人しくしていた本が、興奮したようにアシュリンの周りをビュンビュンと舞うのを見て、彼女は肩をすくめる。
「……なんか眠くなっちゃった。今日はもう休もうかなー」
「ずっと歩き通しだったからね。新しいお友だちもできたし、本に魔力を流して休めばいいにゃー」
『今日はたくさん書けそうです!』
そのことが嬉しいのか、本はテンション高く楽しそうだ。
アシュリンは滑り台から離れ、きのこのような小屋に近付いてく。屋根がきのこそっくりなのだ。あまりおいしくはなさそうだな、と屋根を眺めながら小屋に入る。
小屋の中は思ったよりも広く、ベッドとテーブル、椅子があった。
椅子に座って、テーブルの上をトントンと叩く。本がすかざす机に寝転び、ページをぱらら……とめくって新しいページを開く。
『さぁさぁ、今日の出来事を絵本にしましょう!』
「はーい」
ぺたっとアシュリンが手のひらを押し当て、魔力を注ぐ。魔力が本に吸い込まれ、今日の出来事が本に記されていった。
『明日はどんな物語になるんでしょうねー』
「うーん、楽しいといいな!」
「……アシュリン、本当に楽しんでるにゃぁ」
眠そうにノワールが欠伸をして、一足先にベッドの枕の近くに丸くなる。アシュリンも眠そうに目元をこすりながら、ベッドにもぐり込む。
「おやすみなさーい……」
『おやすみなさい、良い夢を』
「にゃあー」
目を閉じると、あっという間に眠りに落ちた。それだけ疲れていたのだろう。
タルコットは人差し指を立てると、ぷかぷかと水の球体を作り出した。
その球体を彼女たちの口の中に入れる。こくりと飲み込むと、カラカラだったノドがすぐにうるおい、声を出しやすくなりアシュリンは「ありがとう!」と頭を下げる。
「こちらこそ、ありがとうございました! あ、そうだ。アシュリンさん、ちょっと持ち上げてもらっていいですか?」
「こう?」
ひょいとタルコットを持ち上げ、自分の手のひらに乗せる。アシュリンの額に届くくらい高く上げると、タルコットはそっとアシュリンの額に唇を押し当てた。
「あなたに水の加護がありますように」
ちゅっと軽い音を立てて額から唇を離すタルコット。
「……水の精霊だったのね!」
「はい。遊んでくれて、ありがとうございました! ボクはちょっと休んでから、また自分の精霊術を求めて旅に出ます!」
「うん、お互い、旅を楽しもうね!」
タルコットはにっこりと笑って「はい!」と元気よく返事をしてから、空気に馴染むように姿を薄くしていく。
サァ……とやわらかい風が吹いて、アシュリンの頬を撫でる。手のひらにいたタルコットが姿を消したことに目を丸くしたが、すぐに「バイバイ!」と言ってから、ノワールと本を見た。
「精霊族って、自然に溶け込めるんだね」
「精霊だからね」
『うーん、旅をすることで得られる友情物語、最高ですね!』
それまで大人しくしていた本が、興奮したようにアシュリンの周りをビュンビュンと舞うのを見て、彼女は肩をすくめる。
「……なんか眠くなっちゃった。今日はもう休もうかなー」
「ずっと歩き通しだったからね。新しいお友だちもできたし、本に魔力を流して休めばいいにゃー」
『今日はたくさん書けそうです!』
そのことが嬉しいのか、本はテンション高く楽しそうだ。
アシュリンは滑り台から離れ、きのこのような小屋に近付いてく。屋根がきのこそっくりなのだ。あまりおいしくはなさそうだな、と屋根を眺めながら小屋に入る。
小屋の中は思ったよりも広く、ベッドとテーブル、椅子があった。
椅子に座って、テーブルの上をトントンと叩く。本がすかざす机に寝転び、ページをぱらら……とめくって新しいページを開く。
『さぁさぁ、今日の出来事を絵本にしましょう!』
「はーい」
ぺたっとアシュリンが手のひらを押し当て、魔力を注ぐ。魔力が本に吸い込まれ、今日の出来事が本に記されていった。
『明日はどんな物語になるんでしょうねー』
「うーん、楽しいといいな!」
「……アシュリン、本当に楽しんでるにゃぁ」
眠そうにノワールが欠伸をして、一足先にベッドの枕の近くに丸くなる。アシュリンも眠そうに目元をこすりながら、ベッドにもぐり込む。
「おやすみなさーい……」
『おやすみなさい、良い夢を』
「にゃあー」
目を閉じると、あっという間に眠りに落ちた。それだけ疲れていたのだろう。
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