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パーティー当日。 1話

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 ――そして、それからパーティーまでのあいだはとても忙しく過ごした。

 わたくしはマーセルに様々なことを教え込んだ。彼女は素直にそれを吸収し、身につけていった。よくがんばったと思うわ。

 召使学科で学んだことを彼女に話すと、不安そうに「私にできるでしょうか」と弱音を吐いたこともあったけれど、彼女は目標のためにがんばれる人だった。

 わたくしも魔術師学科の先生にあるお願いをして、了承していただいた。召使学科にいたことで遅れてしまった授業に、少し不安を抱えていたけれど……基礎ができれば応用ができる、とはよく言ったものね。

 基礎を叩きこんでくれた家庭教師に感謝する日がくるとは……

 授業の遅れはすぐに取り戻せそうで安心したわ。

 バタバタと慌ただしく過ごしていたけれど、パーティーまでのあいだにやるべきことはすべて終えたわ。あとは――レグルスさまとマティス殿下の一騎打ちが、どうなるか――……

「カミラさま、大丈夫ですか?」
「わたくしは平気よ。貴女あなたこそ、大丈夫なの?」
「平気です。……それにしても、私たちが一緒にいても、もう誰も関心がないようですね」

 あの日、マーセルと一緒に馬車から降りたときから、ずっとわたくしたちの仲がどうなったのかを好奇の目で見られていた。

 それは別に構わないの。残りの休日を使い、マーセルと二人きりで彼女に教え込み、魔術師学科のテストも無事にクリアした。ちなみにマーセルをいじめていた人たちは、彼女の後ろにわたくしがいると気付くと、なにもしなくなったみたい。

 マティス殿下ではなく、わたくしがいることでいじめがなくなるなんて、変な話よね。

 とはいえ、召使学科にいるのは伯爵家までの令嬢や令息だから、さすがに王族と公爵家の令嬢を相手にするのは不利だと思ったのかもしれないわ。

「さて、それでは……行きましょうか、マーセル」
「はい、カミラさま」

 これから学園のパーティーが始まる。

 わたくしとマーセルはこれから、ともにパーティー会場にいく。きっといろんな人たちの目を引くことになるでしょう。

 マーセルのドレスの色はクリームイエロー。彼女の髪色にぴったりだと思う。

 一騎打ちがあるけれど、おそらくマティス殿下もお揃いの色で登場するはず。これは、事前にマーセルに頼んでいたこと。

 婚約者であるわたくしではなく、マーセルとお揃いの色の服を着て、彼女の隣に並ぶでしょう。

 きっと、とても絵になる光景だわ。

 わたくしのドレスは髪色と正反対のラピスラズリの色。アクセサリーもラピスラズリのネックレスとイヤリングを身につけている。
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