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僕と彼女(前編)
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「………」
僕は家のベッドで顔を埋めていた。
宿題はもう終わらせたし、そして夏休みはまだ残ってて後は遊ぶだけのはずなんだけど、それでも気分があまり良くなかった。
原因は言うまでもなく、美奈ちゃんのことだった。
僕と美奈ちゃんは最近ずっとえっちしている。
気持ちいいことだけど……なんか最近はどうにも気分が良くない。
なんかまるで僕が彼女のことを騙しているような…というのかな
こういうのって普通恋人同士がすることらしいし……。今の僕たちは恋人じゃない。告白とかもしてないし
気持ちいいから…ってそのまま続けちゃいけない気がする。
「……きちんと確認しないと……!」
思い立ったが吉日。
僕は電話で美奈ちゃんを呼び出すことにした。
今日は空いていたはずだし。
――――――――
「あら?良いですわよ」
「え?」
…僕が家に招いて説明して彼女が最初に言ったのはその言葉だった。
あまりにも普通に言ってきてずっこけそうになった。
……おかしいな。ちゃんと説明したはずなのに……。
この「せっくす」は恋人同士とかじゃないといけないことだって……
だけど美奈ちゃんはいつもどおりのかわいい表情だった。
特に驚いてもいなかった。
「ですから、恋人同士というのは好きな人同士というのでしょう?」
「あ、うん……簡単に言うとそうだけど」
「でしたら直哉さんは私のこと、お好きですか?」
「……え?」
急なその問いに僕は少し混乱する。
確かに好きだけど……
そして彼女はマジマジと僕のことを見ている。
あまりにも見てきて、僕も顔が真っ赤になってる。
だから不意にこう返した。
「す、好きだけど……?」
何故か疑問符をつけてしまった。
だけど、美奈ちゃんはそんなこともキにしなかった。
「でしたら問題ありませんね。私も直哉さんのこと好きですし」
「……へ?」
いきなりのその言葉に僕はまた混乱する。
告白シーンってもっとなんかある…と思ったけど、ここで急に出されたので余計に混乱している。
(好き……?え?)
「これなら「せっくす」しても大丈夫なのでしょう?」
「………そ、そうだけど…」
たしかに好き同士なら問題はない。
恋人同士なら……ってこんな簡単に…?
「えっ、えっと……よろしくおねがいします……?」
「こちらこそ…ですわ」
なし崩しになってしまったけれど、僕たちは恋人になれたらしい……。
全く実感がわかないけど……。
――――――――
そんなやり取りをした後、せっかく会ったということで僕と美奈ちゃんは美奈ちゃんが行ってみたいという銭湯に行くことになった。
(高級車で銭湯に乗り付けるって絶対普通ありえないよね……)
しかも美奈ちゃんのところの高級車でである。
なお、ついた後はそのままどこかへ行ってしまった。
美奈ちゃん曰く「私が電話で合図すればすぐに迎えに来てくれますわ」らしい。
お金持ちってやっぱり凄い
ちなみにこの銭湯は僕の友達の晴真君の家がやってる「鹿の湯」である。
僕の家は言うまでもなくお風呂があるため行くことは普段はないけど、お風呂が壊れた時とかお父さんが銭湯入りたいと思った時は行ったりする。
「ここが銭湯?ですの?」
「うん、結構昔からあって、僕のおじいちゃんが僕くらいの時からあるとか」
「そうですの……」
早速ガラガラと銭湯の入り口の引き戸を開ける。
自動ドアなんかじゃない、いかにも昔なやつだ。
「あら、いらっしゃい…」
番台に居たのはおばあさんだ。
友達の家のところって言ってたけど、正確には友達のおじいさんとおばあさんがやってるのだ。
お父さんとお母さんは別の仕事をしているらしい。
「おや、晴真の友達の直哉君かね?またお風呂が…」
「いえ、僕の……えっと…」
「私が行きたいと言いましたので……」
「おや、そちらのべっぴんさんは……直哉君のお友達かね?」
「いえ、私は直哉さんの恋人ですわ」
「!?」
いきなりその宣言で僕はものすごく驚いた。
言うまでもなく、間違っては居ないのだけど……
「おやおやそうかい。最近の子は進んでおるの…」
「……」
とても恥ずかしかった。
ともかく、銭湯に入るわけだけど、当然ながら男女別だ。
美奈ちゃんもそれはわかっていたけど、どこか寂しそうな表情だった。
だけどこれは決まりだし、仕方ないこと。
……と思ったんだけど
「お二人さん、今なら一緒に入ってもかまわんよ?」
「え!?」
「ほ、本当ですの?」
「今ならお客さんもおらんし、お二人はまだ10歳くらいじゃろ?なら大丈夫じゃ」
おばあさんからのこの提案でまさかのその壁は取っ払われた。
いや確かに僕も少し前に行った時はまだお母さんと一緒に入ったけど……
(良いの…?)
美奈ちゃんもパッと表情が明るくなる。
「直哉さん、いきましょ!」
「え、あ」
有無を言わせず、そのまま美奈ちゃんに引っ張られ、女湯のほうへ連れ去られる僕だった。
僕は家のベッドで顔を埋めていた。
宿題はもう終わらせたし、そして夏休みはまだ残ってて後は遊ぶだけのはずなんだけど、それでも気分があまり良くなかった。
原因は言うまでもなく、美奈ちゃんのことだった。
僕と美奈ちゃんは最近ずっとえっちしている。
気持ちいいことだけど……なんか最近はどうにも気分が良くない。
なんかまるで僕が彼女のことを騙しているような…というのかな
こういうのって普通恋人同士がすることらしいし……。今の僕たちは恋人じゃない。告白とかもしてないし
気持ちいいから…ってそのまま続けちゃいけない気がする。
「……きちんと確認しないと……!」
思い立ったが吉日。
僕は電話で美奈ちゃんを呼び出すことにした。
今日は空いていたはずだし。
――――――――
「あら?良いですわよ」
「え?」
…僕が家に招いて説明して彼女が最初に言ったのはその言葉だった。
あまりにも普通に言ってきてずっこけそうになった。
……おかしいな。ちゃんと説明したはずなのに……。
この「せっくす」は恋人同士とかじゃないといけないことだって……
だけど美奈ちゃんはいつもどおりのかわいい表情だった。
特に驚いてもいなかった。
「ですから、恋人同士というのは好きな人同士というのでしょう?」
「あ、うん……簡単に言うとそうだけど」
「でしたら直哉さんは私のこと、お好きですか?」
「……え?」
急なその問いに僕は少し混乱する。
確かに好きだけど……
そして彼女はマジマジと僕のことを見ている。
あまりにも見てきて、僕も顔が真っ赤になってる。
だから不意にこう返した。
「す、好きだけど……?」
何故か疑問符をつけてしまった。
だけど、美奈ちゃんはそんなこともキにしなかった。
「でしたら問題ありませんね。私も直哉さんのこと好きですし」
「……へ?」
いきなりのその言葉に僕はまた混乱する。
告白シーンってもっとなんかある…と思ったけど、ここで急に出されたので余計に混乱している。
(好き……?え?)
「これなら「せっくす」しても大丈夫なのでしょう?」
「………そ、そうだけど…」
たしかに好き同士なら問題はない。
恋人同士なら……ってこんな簡単に…?
「えっ、えっと……よろしくおねがいします……?」
「こちらこそ…ですわ」
なし崩しになってしまったけれど、僕たちは恋人になれたらしい……。
全く実感がわかないけど……。
――――――――
そんなやり取りをした後、せっかく会ったということで僕と美奈ちゃんは美奈ちゃんが行ってみたいという銭湯に行くことになった。
(高級車で銭湯に乗り付けるって絶対普通ありえないよね……)
しかも美奈ちゃんのところの高級車でである。
なお、ついた後はそのままどこかへ行ってしまった。
美奈ちゃん曰く「私が電話で合図すればすぐに迎えに来てくれますわ」らしい。
お金持ちってやっぱり凄い
ちなみにこの銭湯は僕の友達の晴真君の家がやってる「鹿の湯」である。
僕の家は言うまでもなくお風呂があるため行くことは普段はないけど、お風呂が壊れた時とかお父さんが銭湯入りたいと思った時は行ったりする。
「ここが銭湯?ですの?」
「うん、結構昔からあって、僕のおじいちゃんが僕くらいの時からあるとか」
「そうですの……」
早速ガラガラと銭湯の入り口の引き戸を開ける。
自動ドアなんかじゃない、いかにも昔なやつだ。
「あら、いらっしゃい…」
番台に居たのはおばあさんだ。
友達の家のところって言ってたけど、正確には友達のおじいさんとおばあさんがやってるのだ。
お父さんとお母さんは別の仕事をしているらしい。
「おや、晴真の友達の直哉君かね?またお風呂が…」
「いえ、僕の……えっと…」
「私が行きたいと言いましたので……」
「おや、そちらのべっぴんさんは……直哉君のお友達かね?」
「いえ、私は直哉さんの恋人ですわ」
「!?」
いきなりその宣言で僕はものすごく驚いた。
言うまでもなく、間違っては居ないのだけど……
「おやおやそうかい。最近の子は進んでおるの…」
「……」
とても恥ずかしかった。
ともかく、銭湯に入るわけだけど、当然ながら男女別だ。
美奈ちゃんもそれはわかっていたけど、どこか寂しそうな表情だった。
だけどこれは決まりだし、仕方ないこと。
……と思ったんだけど
「お二人さん、今なら一緒に入ってもかまわんよ?」
「え!?」
「ほ、本当ですの?」
「今ならお客さんもおらんし、お二人はまだ10歳くらいじゃろ?なら大丈夫じゃ」
おばあさんからのこの提案でまさかのその壁は取っ払われた。
いや確かに僕も少し前に行った時はまだお母さんと一緒に入ったけど……
(良いの…?)
美奈ちゃんもパッと表情が明るくなる。
「直哉さん、いきましょ!」
「え、あ」
有無を言わせず、そのまま美奈ちゃんに引っ張られ、女湯のほうへ連れ去られる僕だった。
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