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神のせい……

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 俺は16才という若さで死んでしまった。しかも意味不明な死に方で。

「あの男は一体何だったんだ……」

俺にはあの男が不思議でたまらなかった。

 そう考えているうちにナゼか目の前が明るく

なってきた。その光は俺を飲み込むように包み

込んだ。

 気付けば俺は白く輝いた世界にいた。辺りを

見渡しても何もない。まさに「無」だった。

 そんな中、急に声が聞こえた。

「おい、聞こえとるか」

その声は老人のような声だった。でも弱々しい

声には聞こえない。なんとも言えない声だっ

た。

「聞いておるか~」

これは俺に聞いているのか?

「そうじゃよ。佐藤祐也君」

ナゼ俺の名前を知っているのだろうか。

「それはな、ワシが神じゃからだよ」

いや、いくら名前を知ってたからといって神で

はないだろ。

「おい、もしや疑っとるのぅ。じゃあこれを見

てもらってから言うんじゃな」

そう聞いたと思うと、背後から気配を感じた。

「ほれ、見てみなさい」

さっきと同じ声だった。そして振り向くとそこ

には白い髭を生やした老人が立っていた。
                   オーラ
見るからに「神様です」と言わんばかりの気配

を感じた。確かに神様であった。

「申し訳ありません神様。少し疑ってしまいま

した」

「いいんじゃよ。むしろこっちが謝りたいんじ

ゃよ」

神様が謝ることって相当ヤバいことでしょ

「ナゼなんですか?」

「いや、実はな、封印していた邪神がうっかり

逃げてしまったんじゃ」

は?邪神?

「その後邪神が人間界に行ってしまっての。そ

の邪神のせいでお前が死んでしまったんじゃ

よ」

えっ、もしかしてあの男のことか?いや、流石に

それは…

「その男じゃよ」

えーーー!!俺って神相手で戦っていたのかよ…そ

らまけるわ。

「しかしお主、神の殺気を食らっといてよく生

きていたの。普通の人間だと絶対無理なことじ

ゃ。ホントに人間かの?」

殺気なんて感じたか?それにちゃんと人類だ

よ!!

「じゃあ本当にそうか確かめさせてもらうわ

い」

そう言うと神様は俺の腕をつかみ、手をかざし

た。そして…

『ステータスオープン』

そう唱えると俺の腕からなにやカードのような

ものが出てきた。

「うむ、確かに人間じゃな。しかし、武力がかなりたかいの。あと、最初っから神耐性がついておる」

まぁ武道習ってたしな。でも、神耐性なんてい

つ付いたんだ?

「お主は、神耐性が生まれつき付いておるよう

じゃな。」

そうだったのか。神耐性なんて全然気付かない

な。まぁ使うわけないし。

「お主ならもしかしたら出来るかもしれん…」

そう言うと神様は俺の方を真剣に見つめ、言っ

た。

「なぁ佐藤祐也君よ。お主、転生するきはないかの?」
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