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story 2ソウ
出会い 4
しおりを挟むソウ
「……逃げなきゃ…」
しかし、この地獄の様な状況で走って逃げると言う事は
幼いソウには余りにも衝撃が大き過ぎて動く事が出来ない。
そこへ土方を追っていた山賊達が何かを担いで戻って来た。
ドサッと担いでいたものを下ろすと…
そこにあったのは……
散々に痛めつけられた土方の姿だった
近藤
「……トシッ…!!」
土方
「す…まねぇ…勝っ…ちゃん……」
山賊頭
「なぁ…ガキ共よ。
俺達と取引きをしねぇか」
ノシノシと歩いて近寄って来た山賊頭は土方の上に腰を下ろした。
土方
「…くそッ…」
山賊頭
「俺達はその穴ん中に居る小僧に用があるんだ。
そいつを俺達の元へ返せばお前達は見逃してやろう」
そう言いながらがゲラゲラと汚く笑い始めた。
もちろんそんな事は嘘である。
それを近藤も土方も分かっているが、只々憎らしい山賊頭を睨み付ける事しか出来なかった。
このままでは自分を助けてくれた近藤達も殺されてしまう。
…しかし、出て行くと自分は殺されてしまう。
…殺される……
……殺される………
………殺される…………
…………殺される……………
……………殺される………………
ソウ
「コロサレル……」
ソウの中で何かが弾けた音がした。
すると静かに外へと出て山賊達の前へ姿を現す
山賊頭
「やはりそこに隠れてたか」
近藤
「何してるんだ!!!早く逃げろッッ!!! 」
近藤達の必死の叫びも、
山賊達の汚い笑い声も
もう、ソウの耳には届いていないようだ。
項垂れる顔を上げると
ソウの瞳は紅蓮に輝き
口元には笑みを浮かべていた。
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