泣いた鬼の子

ふくろう

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離ればなれ

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ガタゴト……







何か動いている気がして

2人が目を覚ますと知らない荷車の中にいた。




ソウ
「ここはどこ?」




クラ
「なんか暗くてよく見えないね…」




荷車が止まり人が寄ってくる気配がする

慌てて2人は寝たふりをした。 



すると時代劇の村人の様な格好をした男の人が

2人を抱きかかえた。



そっと気付かれないように薄目を開けて外を見渡すと

そこは知らない山の中

そして山小屋の中に運ばれていった。






「おい!起きろ!
いつまで寝てやがる!」




村人風の男が大きな声で起こしてきた。




ソウ
「ここはどこ?おじさんは誰?」





「そうだな~…ここは人里から離れた山小屋だ。
そして、俺は商売人だよ」




そう言うと村人風の男は怪しげに笑みを見せた。




クラ
「商売人って…おじさん商品なんて1つもないじゃん」





「何言ってんだよ。そこにあるじゃねえか。






村人風の男は子供をさらって売る


人身売買


の商人だった。





「しかし、お前ら不思議な身なりしてんな。
俺よかよっぽど怪しいがまぁ、整った顔立ちだ。
これは高く売れるぞ」




そう2人に言うとゲラゲラと汚く笑った。


何故このような事になったのか小さな頭では理解するのは難しいが


それでも、今自分達が危ない状態であると直感で感じ取った。


助けが来るわけでもなく2人は怯える事しか出来なかった。




しばらくするとコンコンと山小屋にノックする音が響く。



村人風の男は客だ!とニコニコしながら戸を開けると

時代劇の侍の様な格好をした男が入ってきた。




商人
「今回は顔立ちも整った上物ですよ」





「うむ。確かに聡明な顔立ちだな」




商人
「でしょう。教えこめば色々と使えますぜ」





「では、こちらの童を貰おう」




そう侍が指さしたのはだった。






涙を流して怖がる事しか出来ないソウ…。

必死に横に首を振った。


クラも泣きじゃくりながら必死にソウにしがみついた。




商人
「そりゃないぜ旦那~。1人余ったら次の仕入れの邪魔になる。どうにか2人で買い取っては貰えねぇですかい?」





「いや1人だ。御隠居ももうお年なのでな。世話役は1人でいい」




そう言うと商人は不貞腐れた顔で


商人
「ケッ…あの御隠居の夜の世話役だろ。
本当に物好きな爺さんだよ…」


ボソリと呟いた。




商人
「わかったよ。好きな方を連れてけ」





侍風の男は商人にお金を渡すと

クラからソウを無理矢理引き剥がしソウを連れてった。





ソウ
「クラーーッ!!!!嫌だーー!!!離せーーッ!!!!」





泣き叫ぶソウとクラの声だけが響きそして森の静けさに消されて行った。







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