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プロローグ
双子の兄弟
しおりを挟む泣き声 笑い声 話し声
子供達の賑やかかな声が響き渡る
「みんなー!お昼ご飯の時間ですよー!」
楽しそうに遊んでいた子供達が一斉に建物の中へ駆け込んでいく
一見、幼稚園や保育所に見える建物ではあるが
ここは様々な事情を持つ子供達が暮らす
児童養護施設
である。
そこで暮らしている
ごく普通のイタズラ好きな双子の兄弟
ソウ とクラ
2人の両親はとても正義感が強く曲がった事が嫌いな性格であった。
それが故に事件に巻き込まれ
まだ産まれて間もなかった兄弟を残し命を落としてしまった。
世界にたった2人だけの家族。
2人は何処に行くにも、何をするにもいつも一緒。
とても仲の良い兄弟。
これは、そんな兄弟が巻き込まれていった
儚くも懸命に運命に立ち向かうお話。
………………………………………
ちえこママ
「それでは皆さんご一緒に!いただきます!」
食堂内はお昼ご飯の匂いに包まれ美味しそうに食事をする子供達
ソウ
「なぁクラ!お昼ご飯食べたらあの神社に行こうよ!」
クラ
「えぇ~…あの神社は工事するから近寄っちゃいけないってちえこママが言ってたよ~」
ソウ
「バカだな~!だから行くんじゃないか!僕たちの宝物を移動させないと!」
クラ
「あっ!そっか!見つかったら大変だもんね!」
ソウ
「だから、早くご飯を食べていこう!みんなには内緒だからな!」
クラ
「うん!わかった!」
そう言って2人は急いでお昼ご飯を食べた。
昼食を終えた2人はこっそり施設を抜け出して
近くにある神社へ向かった。
いつからあるのだろうか
だいぶ古くなった神社は2人だけの秘密の基地なのである。
ソウ
「ハァハァ…やったー!!今日も僕が1番 !」
クラ
「くそぉ~!!!またソウに負けたー!!!」
いつもここに来るときはかけっこ競争してくるのが
2人のルール
クラ
「やっぱりソウは足が速いねー!多分、俺たちの小学校で1番速いんじゃない!」
ソウ
「まぁね! まだ他の子に負けたことないし!」
そう言うと無邪気にケラケラと笑った。
ソウ
「早く宝物取って戻ろう!ちえこママにバレると怒られちゃうからさ」
そう言うと2人は宝物の在処に急いだ。
クラ
「よかったー!盗まれてなくて!」
ソウ
「当たり前だろ!神様が守ってくれてるんだから!」
ダンボールの宝物箱を開けると
0点の答案用紙やビー玉、綺麗な色の紙……などの
2人の宝物が入っていた
そして何よりの宝物は銀色に輝く2つの
指輪
両親の唯一の形見である。
ソウはポケットから革紐を取り出すと
それに指輪を通し器用にペンダントを作った。
そして、1つは自分もう1つはクラの首に掛けた。
ソウ
「1つはクラが持ってて!無くすと大変だからちゃんと首からさげてなよ」
クラ
「うん!わかった!俺絶対無くさないよ!」
そして施設に帰ろうとすると
神社の横にある小さな祠の縄が切れているのをクラが見つけ駆け寄った。
ソウ
「クラ~何してるの?早く帰らないと怒られちゃうよ~」
クラ
「ちょっと待って!これじゃ神様が可哀想だよ!」
そう言って縄を結び直し
ソウ・クラ
「これでよし!」
そう言って帰ろうとすると急にゴォーと音を立て
大きな地震がおきた
地震と共に視界がぐにゃりと歪み2人は足を取られそのまま地面に飲み込まれていった。
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