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第一章
04.そつのない男
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不動産屋を出ると、フェリクスが神妙な顔でジゼルに告げた。
「借りた家の準備もそうですが、王都から荷を運んで来なくてはなりません。修行は六日後から開始したいのですが、よろしいでしょうか?」
ジゼルは少し考えて、言葉を返す。
「むしろ、六日後からで良いの? 王都までだって、馬車で二日はかかるでしょう? 荷があるなら王都からムエットまで三日くらいかかるかも知れないし。片づけもあるでしょう? 無理じゃない?」
「いえ。私としては一刻も早く修行を開始したいのです。本当ならば明日からでも。……ですが、倉庫にいつまでも荷を置いておくわけにはいきません。一度貸し家を確認した後、すぐにムエットを発ちます。王都へは着かずとも、途中の街までは行けますから」
フェリクスの言葉に、ジゼルは呆れを隠さずに言う。
「無茶はいけないよ。無茶は」
「この歳まで遠回りしたのです。これ以上は余計な時間はかけたくない」
絞り出された本音に、ジゼルは首をゆっくり横に振った。
フェリクスと出会ってまだ半日も経っていないが、彼の行動原理は明白だ。
心底魔術師になりたいと願い、その為には何事も惜しまない。
彼の境遇から考えて気持ちは分からないではないが、それを諫めるのも師匠の役目であろう。
「魔術師の仕事に焦りは禁物だよ。魔術は繊細なんだ。焦って失敗したり怪我をしては本末転倒だからね」
「…………はい。お師匠様」
悔しそうに顔を歪めながらも、フェリクスは今すぐの出立を諦めたようだ。
ジゼルは一つうなずき、小さな笑みを浮かべる。
「出立は明日の朝にしなさい。今日のところはうちの客間に泊まったらいいし」
住み込みは御免被りたいが、一泊も泊まらせないほど狭量でもない。
「いえ。今夜は借りた家で休みます。まだ陽が落ちるまではありますし、布の一枚でもあれば良いので購いに行こうかと。屋根があるだけマシです」
王都騎士団の妖魔討伐遠征は、天幕を張っての野営になるらしい。
それで慣れているのだと、フェリクスは何でもない顔で言う。
「遠慮しなくて良いのに」
「いえ。早朝に発つつもりですし、お気持ちだけ有り難く頂戴いたします」
慇懃に断られて、ジゼルは肩をすくめた。
これ以上は無理強いになるし、この暖かさで屋内凍死もないだろう。
工房とその裏手の貸し家の方へ歩き出しながら、ジゼルは尋ねた。
「寝具も王都から持って来るの?」
「いえ。こちらで買い求めるつもりです」
「じゃあ、先に注文しておいた方が良いね。中古ならすぐに買えるけど、あんまりお勧めしない」
寝具の既製品を置いているところは、ジゼルが知る店のうちにはない。
注文を受けてから作られるのが普通だ。
中古屋で売られている寝具は、当たり外れが大きい。
壁蝨がわいている品を引き当てたら、安物買いの銭失いだ。
信頼出来る店で新品を仕立てた方が、よほど良い。
「そうですね。お師匠様に店を紹介頂いて仕立てましょう」
話している間に、工房の前まで帰ってきていた。
(え、と、このまま工房に入るのもおかしい、か? 弟子の新居を見に行っても良いもの?)
成人している弟子との距離感が、まだいまいち分からない。
普通の成人男性相手なら、借りた部屋へ赴くのはおかしい。
だが、入り用なものを確認したり店を紹介したりするなら、中を見させてもらった方が良いだろう。
ジゼルが戸惑っているのを汲み取ったフェリクスが、「お師匠様がよければですが」と前置きして彼女を誘う。
「こちらで求めるものを決めたいので、お付き合い頂いてもよろしいでしょうか?」
「……いいの?」
「えぇ。お恥ずかしい話、実家と寮でしか暮らしたことがないので、助言頂ければ有り難く思います」
にこやかに、フェリクスがうなずく。
「じゃあ……見させてもらおうかしら」
「はい。お願いします」
「うん。あ、ちょっと取ってくるものがあるから、待ってて」
ジゼルは急いで工房の中に入り、あるものをとってすぐに出て来た。
二人揃って工房横の路地を回り、貸し家の入り口へと向かう。
木造平屋の家は、築十年程度だろうか。
新築ではないが、古くもない。
ぐるりと敷地内を一周し外見を確認する。
外壁や雨戸に腐っているところや壊れているところはなかった。
雑草だらけの小さな庭には、井戸と物干し用の柱が立っている。
そちらも壊れていたり、水が濁っていたりはしない。
「外は大丈夫そうね」
「はい。中に入ってみましょう」
フェリクスが不動産屋から渡された鍵で、玄関扉を開ける。
雨戸が閉めきられた室内は暗かった。
ジゼルが指を振って光球を浮かべると、室内に光が満ちる。
眩しげに目を細めたフェリクスが、ほぅと感嘆の息を吐いた。
「魔術の光ですね」
「うん。雨戸を開けるまでね。またすぐに閉めるようになるだろうけど、がたついて開けられないようだったら、修繕を頼まないといけないし、確認しないと」
「そうですね」
光球を分けて、二人で雨戸を開けて回る。
台所と食堂、主寝室、主寝室より一回り小さい部屋、浴室、納戸。物件情報通りの間取りである。
寝台や箪笥、食堂のテーブルや椅子などの大きな家具は備え付けだ。
雨戸を開けるついでに一通り確認させてもらったジゼルは、主寝室を確認していたフェリクスの元へ合流する。
「この家、綺麗に使われてたみたい。良い家を借りられて良かったね」
「はい。埃もそこまで積もってはないですね。これなら掃除も楽です。それに寝台も幅も長さも大きくて、助かりました。これで足がはみ出ずに済みます」
フェリクスが嬉しそうに言う。
主寝室に据えられている寝台は、新婚向けか二人並んで寝ても十分な大きさだ。
これが単身用の一般的な寝台だと、大柄なフェリクスには窮屈で足がはみ出るらしい。
なるほど。長身にも短所はあるようだ。
「じゃあ、寝台の大きさを測ってしまいましょう」
ジゼルは工房から持ってきた巻き尺の端をフェリクスに持たせて、寝台の幅や長さなどを測っていく。
小さな帳面に測った数値を書き入れて、その他に必要なものを書き出した。
「とりあえずは、寝具の発注と、掛け布と手拭いと掃除道具と最低限の食器と石鹸、水桶、あとは……」
「それだけあれば、あとは追々なんとかします」
「そうだね。店が閉まる前に買いに行こう」
ジゼルがよく利用する商店街は近いが、日暮れには閉まってしまう。
もう午後も良い時間だから、急がなければなるまい。
二人は貸し家を出て、商店街へ向かう。
まずは寝具屋だ。
大きな寝具の注文に、年老いた店主が下卑た笑みを浮かべた。
「へへへ。魔女様も隅におけませんなぁ」
「これは私の一人寝用ですよ。この通りの図体なので、のびのびと寝るにはこの大きさが必要なのです」
にこにこと笑いながら、フェリクスが釘を刺した。
体格の良い美男子は、迫力がある。
上から見下ろされて、店主は腰が引け気味だ。
「おっと。そいつはすまねぇ。爺になると、下種の勘ぐりがひどくていけねぇ。ははははは、は……」
乾いた笑いを浮かべて、店主が目をそらす。
「弟子ですからね、弟子。下手な噂は流さないでくださいよ」
「すんません……」
「で。七日くらいで仕立てられます?」
ジゼルは改めて『弟子』である旨を強調して、店主に尋ねた。
「へぇ。そのくらいでは出来上がるようにやらせてもらいます」
ついでに掛け布を一枚買い求め、フェリクスがその代金と寝具の前金を払い終わったので、店を出る。
次の雑貨屋と総菜屋でも似たようなやりとりをして、最低限必要な物は揃えた。
ついでに今日の夕飯と明日の朝食もだ。
これで、魔女エランが美丈夫の弟子をとったと、瞬く間にご近所に広まるだろう。
家に向かいながら、思わず重たい息を吐く。
「……申し訳ございません」
大きな荷物を抱えたフェリクスが、端正な眉を下げた。
ジゼルもやってしまったと困り顔で、首を横に振る。
「いや。つい、ため息吐いてごめん。億劫だけど想定内だよ。それに、フェリクスがきっちり釘を刺してくれたしね」
二十四年この容貌で生きてきたからか、フェリクスはその辺りそつがない。
それにも関わらず風評被害を広げるような輩が現れれば、ジゼルだって黙ってやられるつもりはなかった。
「まぁ、フェリクスは普通にしてくれれば良いよ」
「ありがとうございます。……ここまでで大丈夫です」
ジゼルの工房の前でフェリクスが足を止める。
「明日は明け方に出立するつもりですので、次にお目にかかるのは六日後以降になるかと。戻りましたら、よろしくお願い致します」
「うん。焦らず、気を付けて行ってらっしゃい」
「はい。それでは失礼致します」
荷を抱えたまま一礼して、フェリクスが路地を曲がっていく。
それを見送って、ジゼルも工房の中に入った。
今日はもう、尋ねてくる者も居ないだろう。
厚手のローブを脱ぎ捨てて、一息つく。
「さて、フェリクスが戻ってくるまでに、こちらも準備しなくちゃね」
修行の計画を練って、教材を用意せねばなるまい。
(あ、その前に、師匠に手紙を出さなきゃ。どこまで真実を書いたものかなぁ)
文面を考えながら、ジゼルは二階への階段をのぼる。
変則的ながら、初めて出来た自分の弟子である。
出来るだけ力になってあげたいと思うのが、師匠心というやつだ。
(フェリクスのお祖父さんのことも、ついでに調べてもらおっと)
西日が差し込む自室の魔導式ランプをつけて、ジゼルは文机に向かった。
「借りた家の準備もそうですが、王都から荷を運んで来なくてはなりません。修行は六日後から開始したいのですが、よろしいでしょうか?」
ジゼルは少し考えて、言葉を返す。
「むしろ、六日後からで良いの? 王都までだって、馬車で二日はかかるでしょう? 荷があるなら王都からムエットまで三日くらいかかるかも知れないし。片づけもあるでしょう? 無理じゃない?」
「いえ。私としては一刻も早く修行を開始したいのです。本当ならば明日からでも。……ですが、倉庫にいつまでも荷を置いておくわけにはいきません。一度貸し家を確認した後、すぐにムエットを発ちます。王都へは着かずとも、途中の街までは行けますから」
フェリクスの言葉に、ジゼルは呆れを隠さずに言う。
「無茶はいけないよ。無茶は」
「この歳まで遠回りしたのです。これ以上は余計な時間はかけたくない」
絞り出された本音に、ジゼルは首をゆっくり横に振った。
フェリクスと出会ってまだ半日も経っていないが、彼の行動原理は明白だ。
心底魔術師になりたいと願い、その為には何事も惜しまない。
彼の境遇から考えて気持ちは分からないではないが、それを諫めるのも師匠の役目であろう。
「魔術師の仕事に焦りは禁物だよ。魔術は繊細なんだ。焦って失敗したり怪我をしては本末転倒だからね」
「…………はい。お師匠様」
悔しそうに顔を歪めながらも、フェリクスは今すぐの出立を諦めたようだ。
ジゼルは一つうなずき、小さな笑みを浮かべる。
「出立は明日の朝にしなさい。今日のところはうちの客間に泊まったらいいし」
住み込みは御免被りたいが、一泊も泊まらせないほど狭量でもない。
「いえ。今夜は借りた家で休みます。まだ陽が落ちるまではありますし、布の一枚でもあれば良いので購いに行こうかと。屋根があるだけマシです」
王都騎士団の妖魔討伐遠征は、天幕を張っての野営になるらしい。
それで慣れているのだと、フェリクスは何でもない顔で言う。
「遠慮しなくて良いのに」
「いえ。早朝に発つつもりですし、お気持ちだけ有り難く頂戴いたします」
慇懃に断られて、ジゼルは肩をすくめた。
これ以上は無理強いになるし、この暖かさで屋内凍死もないだろう。
工房とその裏手の貸し家の方へ歩き出しながら、ジゼルは尋ねた。
「寝具も王都から持って来るの?」
「いえ。こちらで買い求めるつもりです」
「じゃあ、先に注文しておいた方が良いね。中古ならすぐに買えるけど、あんまりお勧めしない」
寝具の既製品を置いているところは、ジゼルが知る店のうちにはない。
注文を受けてから作られるのが普通だ。
中古屋で売られている寝具は、当たり外れが大きい。
壁蝨がわいている品を引き当てたら、安物買いの銭失いだ。
信頼出来る店で新品を仕立てた方が、よほど良い。
「そうですね。お師匠様に店を紹介頂いて仕立てましょう」
話している間に、工房の前まで帰ってきていた。
(え、と、このまま工房に入るのもおかしい、か? 弟子の新居を見に行っても良いもの?)
成人している弟子との距離感が、まだいまいち分からない。
普通の成人男性相手なら、借りた部屋へ赴くのはおかしい。
だが、入り用なものを確認したり店を紹介したりするなら、中を見させてもらった方が良いだろう。
ジゼルが戸惑っているのを汲み取ったフェリクスが、「お師匠様がよければですが」と前置きして彼女を誘う。
「こちらで求めるものを決めたいので、お付き合い頂いてもよろしいでしょうか?」
「……いいの?」
「えぇ。お恥ずかしい話、実家と寮でしか暮らしたことがないので、助言頂ければ有り難く思います」
にこやかに、フェリクスがうなずく。
「じゃあ……見させてもらおうかしら」
「はい。お願いします」
「うん。あ、ちょっと取ってくるものがあるから、待ってて」
ジゼルは急いで工房の中に入り、あるものをとってすぐに出て来た。
二人揃って工房横の路地を回り、貸し家の入り口へと向かう。
木造平屋の家は、築十年程度だろうか。
新築ではないが、古くもない。
ぐるりと敷地内を一周し外見を確認する。
外壁や雨戸に腐っているところや壊れているところはなかった。
雑草だらけの小さな庭には、井戸と物干し用の柱が立っている。
そちらも壊れていたり、水が濁っていたりはしない。
「外は大丈夫そうね」
「はい。中に入ってみましょう」
フェリクスが不動産屋から渡された鍵で、玄関扉を開ける。
雨戸が閉めきられた室内は暗かった。
ジゼルが指を振って光球を浮かべると、室内に光が満ちる。
眩しげに目を細めたフェリクスが、ほぅと感嘆の息を吐いた。
「魔術の光ですね」
「うん。雨戸を開けるまでね。またすぐに閉めるようになるだろうけど、がたついて開けられないようだったら、修繕を頼まないといけないし、確認しないと」
「そうですね」
光球を分けて、二人で雨戸を開けて回る。
台所と食堂、主寝室、主寝室より一回り小さい部屋、浴室、納戸。物件情報通りの間取りである。
寝台や箪笥、食堂のテーブルや椅子などの大きな家具は備え付けだ。
雨戸を開けるついでに一通り確認させてもらったジゼルは、主寝室を確認していたフェリクスの元へ合流する。
「この家、綺麗に使われてたみたい。良い家を借りられて良かったね」
「はい。埃もそこまで積もってはないですね。これなら掃除も楽です。それに寝台も幅も長さも大きくて、助かりました。これで足がはみ出ずに済みます」
フェリクスが嬉しそうに言う。
主寝室に据えられている寝台は、新婚向けか二人並んで寝ても十分な大きさだ。
これが単身用の一般的な寝台だと、大柄なフェリクスには窮屈で足がはみ出るらしい。
なるほど。長身にも短所はあるようだ。
「じゃあ、寝台の大きさを測ってしまいましょう」
ジゼルは工房から持ってきた巻き尺の端をフェリクスに持たせて、寝台の幅や長さなどを測っていく。
小さな帳面に測った数値を書き入れて、その他に必要なものを書き出した。
「とりあえずは、寝具の発注と、掛け布と手拭いと掃除道具と最低限の食器と石鹸、水桶、あとは……」
「それだけあれば、あとは追々なんとかします」
「そうだね。店が閉まる前に買いに行こう」
ジゼルがよく利用する商店街は近いが、日暮れには閉まってしまう。
もう午後も良い時間だから、急がなければなるまい。
二人は貸し家を出て、商店街へ向かう。
まずは寝具屋だ。
大きな寝具の注文に、年老いた店主が下卑た笑みを浮かべた。
「へへへ。魔女様も隅におけませんなぁ」
「これは私の一人寝用ですよ。この通りの図体なので、のびのびと寝るにはこの大きさが必要なのです」
にこにこと笑いながら、フェリクスが釘を刺した。
体格の良い美男子は、迫力がある。
上から見下ろされて、店主は腰が引け気味だ。
「おっと。そいつはすまねぇ。爺になると、下種の勘ぐりがひどくていけねぇ。ははははは、は……」
乾いた笑いを浮かべて、店主が目をそらす。
「弟子ですからね、弟子。下手な噂は流さないでくださいよ」
「すんません……」
「で。七日くらいで仕立てられます?」
ジゼルは改めて『弟子』である旨を強調して、店主に尋ねた。
「へぇ。そのくらいでは出来上がるようにやらせてもらいます」
ついでに掛け布を一枚買い求め、フェリクスがその代金と寝具の前金を払い終わったので、店を出る。
次の雑貨屋と総菜屋でも似たようなやりとりをして、最低限必要な物は揃えた。
ついでに今日の夕飯と明日の朝食もだ。
これで、魔女エランが美丈夫の弟子をとったと、瞬く間にご近所に広まるだろう。
家に向かいながら、思わず重たい息を吐く。
「……申し訳ございません」
大きな荷物を抱えたフェリクスが、端正な眉を下げた。
ジゼルもやってしまったと困り顔で、首を横に振る。
「いや。つい、ため息吐いてごめん。億劫だけど想定内だよ。それに、フェリクスがきっちり釘を刺してくれたしね」
二十四年この容貌で生きてきたからか、フェリクスはその辺りそつがない。
それにも関わらず風評被害を広げるような輩が現れれば、ジゼルだって黙ってやられるつもりはなかった。
「まぁ、フェリクスは普通にしてくれれば良いよ」
「ありがとうございます。……ここまでで大丈夫です」
ジゼルの工房の前でフェリクスが足を止める。
「明日は明け方に出立するつもりですので、次にお目にかかるのは六日後以降になるかと。戻りましたら、よろしくお願い致します」
「うん。焦らず、気を付けて行ってらっしゃい」
「はい。それでは失礼致します」
荷を抱えたまま一礼して、フェリクスが路地を曲がっていく。
それを見送って、ジゼルも工房の中に入った。
今日はもう、尋ねてくる者も居ないだろう。
厚手のローブを脱ぎ捨てて、一息つく。
「さて、フェリクスが戻ってくるまでに、こちらも準備しなくちゃね」
修行の計画を練って、教材を用意せねばなるまい。
(あ、その前に、師匠に手紙を出さなきゃ。どこまで真実を書いたものかなぁ)
文面を考えながら、ジゼルは二階への階段をのぼる。
変則的ながら、初めて出来た自分の弟子である。
出来るだけ力になってあげたいと思うのが、師匠心というやつだ。
(フェリクスのお祖父さんのことも、ついでに調べてもらおっと)
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