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第30話 波佐見将棋奮戦
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──数十分後。
「サッカー部必殺、殺人タックル!」
真横から攻撃を受けた銀が、防御の姿勢さえ見せずに食らい、元の駒へと戻った。
「これでまた一つ駒を手に入れたぞ。これで人数的にもこっちの方が有利になったな」
波佐見はかなりの苦戦を強いられていた。各駒の死角をついた攻撃と、サッカー部のチームワーク、そしてサッカーボールを使った飛び道具の前にほとんど手も足も出せずに攻め続けられているのだ。
「な、なんの! まだ勝負はこれからだ!」
起死回生のための足掛かりとして、波佐見は香車を一気に敵陣の一番奥まで進ませ、成香へとパワーアップさせた。
「この成香を中心に攻めを組み立てれば、まだまだいくらでも勝機は──」
しかし、その言葉はサッカー部のフォーメーションの前に続きを失った。
「サッカー部必殺、オフサイドトラップ」
サッカーのルールに、オフサイドトラップというものがある。攻める側のプレイヤーは、パスをもらう時に、自分自身と敵キーパーとの間に少なくとも一人以上の敵プレイヤーがいなくてはならない──というものだ。そして、今、成香と相手のキーパーとの間には、他のサッカー部員は一人もいない。
「将棋にオフサイドも何もないだろうが!」
しかし、波佐見の叫びも空しく成香は駒へと返り、キーパーの方へ飛んでいく。キーパーは、姿勢を変えずに手だけを伸ばしてそれをキャッチした。
「これでまた一人減ったな」
「そ、そんな馬鹿な……」
打ちひしがれる波佐見。だが、そんな彼の頭に蘇る言葉があった。
『波佐見、お前の敗因は既存の将棋の形に捕らわれ過ぎたことだ。そのために自分の形を縛ってしまい、自らの可能性をも制限してしまった。クラブマスターとなれる程の力を持っているのだから、お前は将棋を越えた将棋を追い求めるべきだったんだよ』
「……そうだった。私はまた既存の将棋の形にこだわってしまっていた。私が目指すものは将棋を越えた将棋であるはずなのに!」
今までの波佐見を越えた新・波佐見が今ここに誕生した。
「新将棋第一段! 王自らが先頭に立って戦わねば、兵達はついてこない!」
今まで矢倉や囲いの中でじっと身を固めているだけだった波佐見が、攻めの心に目覚めた。波佐見は攻めよりも守りを重視する傾向があるので、相手にあたえるプレッシャーという点ではイマイチだった。
だが、この新・波佐見は違う。金や銀を引き連れ、自らが攻め上がる。それは相手へ与える威圧感を増大させるだけでなく、味方の士気を上げることにも繋る。こころなし、他の武将達に躍動感のようなものが前以上に現れたように感じられる。
「馬鹿が。王自ら攻めるなど、自殺行為も同然! お前の死期が早まっただけのことだ!」
サッカー部員達は波佐見の行動をやけくそだと判断した。そして、波佐見の周りを守る金将の死角である斜め後方に回り込み、そこから襲いかかる。
だが、それは波佐見の予期したところだった。
「甘いな! 将棋部必殺、将棋キーック」
アグレッシブに生まれ変わった波佐見の蹴りで、攻めかかったサッカー部員は弾き飛ばされた。
「確かに、それぞれの駒には弱点があるが、全方向に対してフォローがきく王がそのサポートに回れば、その弱点は克服できる!」
「な、なめやがって! 言っておくが、こっちにはお前から奪った駒がいくらでもあるんだからな!」
そう言って、その男は自分の目の前に歩を放り投げた。その歩は当然のごとく実態化し、むっくりと立ち上がる。
今までの波佐見ならば、それにうろたえて冷静さを欠いていたことだろう。だが、新・波佐見は違った。それを見ても焦った様子を微塵も見せず、それどころか、何か秘策でもあるかのようなしたたかな笑みを浮かべている。
「新将棋第二段! 武士は二君に仕えず。取られた駒は敵につくことを潔しとせず、自爆する!」
「な、なにっ?」
いきなり高らかに宣言する波佐見の言葉に驚いたのは歩を出したサッカー部員。
「そ、そんな馬鹿なルールがあるかよ!」
焦る男に対して、歩兵が静かに後ろを向く。
「冗談だよな?」
作り笑いを浮かべつつ自分が出した歩に尋ねた。歩はその問いの答えとして、にゃーっという粘っこくて嫌な笑みを浮かべ──
どっかあぁぁぁん!!
「これで一人減ったな」
「お、お前、自分の昔の仲間まで一緒に爆発してるのに、その涼しい顔はなんだ!」
「もののふとは、かくありたいものだな」
「や、やばいぞ、コイツ。みんな、持ち駒は絶対に使うなよ!」
「わ、わかっている!」
サッカー部員達もようやく新将棋及び新・波佐見の恐ろしさに気づき始めた。
「だが、王さえ倒せば俺達の勝ちだ! みんな、波佐見を集中攻撃だ。行くぞっ!」
余裕の状態だったのが、急に雲行きが怪しくなり、サッカー部員達の顔に必死さが顕著に表れてくる。こうなっては、いくら新・波佐見になったとはいえ、苦戦を強いられるのは必至であった。
◇ ◇ ◇ ◇
──更に数十分後。
「サッカー部必殺、ツゥインシュート!」
サッカー部が誇る強力ツートップに二人同時に蹴りを入れられた波佐見が、ついに膝から崩れ落ちた。
歩による玉砕戦法、分身する香車、バックもできる桂馬、そんな非常識な戦い方で、サッカー部を追い詰めはしたが、さすがに王だけに集中攻撃は受け続けてはいつまでも耐え切れるものではなかった。
「お、終わった」
安堵の溜め息を漏らすサッカー部員。十一人いた彼らも、今将棋フィールドの中で立っているのはわずかに五人のみ。
「歩歩歩。まだだ、まだ終わらんよ」
相当なダメージを受け続け、もはや立ち上がることもできず、廊下にうずくまるだけの波佐見。しかし、そんな男から発せられたその言葉は、負け惜しみとは思えない、何か含みのようなものを感じさせ、サッカー部員達を戦慄させる。
「で、でたらめを言うな!」
「王を討ち取ったんだぞ! これ以上何ができるというんだ!」
サッカー部員の言うことはもっともである。だが、新・波佐見に常識という言葉は通用しない。
「新将棋第十二段。王が倒れても、飛車が新たな王となり指揮を執る!」
「な、何をっ?」
サッカー部員達の驚きの声を無視して、いまだ生き残っていた飛車が光り輝きだした。
鎧が今まで以上に堅固なものに変わり、額には「飛」にかわり、「王」の文字が浮き上がってくる。
『我こそは新たなる王、飛車なり。戦はまだ終わっておらんぞ』
「そ、そんなバカな!」
「更に、新将棋第十三段! 王が交替すると、敵討ちをするために残ったすべての駒がパワーアップする」
『皆の者、よく聞け。これは波佐見様の弔いである! 我らが屍になろうとも、敵を殲滅するまではこの戦、終わらぬと思え!』
『おおっー!!』
その掛け声と共に、残った駒達が一斉に輝き出した。角が馬へとパワーアップし、他の駒は金へと変化する。
「この勝負、もらったな……」
部下達の勇ましい姿を見て安心したのか、波佐見の意識は混濁の海へと落ちていった。
「サッカー部必殺、殺人タックル!」
真横から攻撃を受けた銀が、防御の姿勢さえ見せずに食らい、元の駒へと戻った。
「これでまた一つ駒を手に入れたぞ。これで人数的にもこっちの方が有利になったな」
波佐見はかなりの苦戦を強いられていた。各駒の死角をついた攻撃と、サッカー部のチームワーク、そしてサッカーボールを使った飛び道具の前にほとんど手も足も出せずに攻め続けられているのだ。
「な、なんの! まだ勝負はこれからだ!」
起死回生のための足掛かりとして、波佐見は香車を一気に敵陣の一番奥まで進ませ、成香へとパワーアップさせた。
「この成香を中心に攻めを組み立てれば、まだまだいくらでも勝機は──」
しかし、その言葉はサッカー部のフォーメーションの前に続きを失った。
「サッカー部必殺、オフサイドトラップ」
サッカーのルールに、オフサイドトラップというものがある。攻める側のプレイヤーは、パスをもらう時に、自分自身と敵キーパーとの間に少なくとも一人以上の敵プレイヤーがいなくてはならない──というものだ。そして、今、成香と相手のキーパーとの間には、他のサッカー部員は一人もいない。
「将棋にオフサイドも何もないだろうが!」
しかし、波佐見の叫びも空しく成香は駒へと返り、キーパーの方へ飛んでいく。キーパーは、姿勢を変えずに手だけを伸ばしてそれをキャッチした。
「これでまた一人減ったな」
「そ、そんな馬鹿な……」
打ちひしがれる波佐見。だが、そんな彼の頭に蘇る言葉があった。
『波佐見、お前の敗因は既存の将棋の形に捕らわれ過ぎたことだ。そのために自分の形を縛ってしまい、自らの可能性をも制限してしまった。クラブマスターとなれる程の力を持っているのだから、お前は将棋を越えた将棋を追い求めるべきだったんだよ』
「……そうだった。私はまた既存の将棋の形にこだわってしまっていた。私が目指すものは将棋を越えた将棋であるはずなのに!」
今までの波佐見を越えた新・波佐見が今ここに誕生した。
「新将棋第一段! 王自らが先頭に立って戦わねば、兵達はついてこない!」
今まで矢倉や囲いの中でじっと身を固めているだけだった波佐見が、攻めの心に目覚めた。波佐見は攻めよりも守りを重視する傾向があるので、相手にあたえるプレッシャーという点ではイマイチだった。
だが、この新・波佐見は違う。金や銀を引き連れ、自らが攻め上がる。それは相手へ与える威圧感を増大させるだけでなく、味方の士気を上げることにも繋る。こころなし、他の武将達に躍動感のようなものが前以上に現れたように感じられる。
「馬鹿が。王自ら攻めるなど、自殺行為も同然! お前の死期が早まっただけのことだ!」
サッカー部員達は波佐見の行動をやけくそだと判断した。そして、波佐見の周りを守る金将の死角である斜め後方に回り込み、そこから襲いかかる。
だが、それは波佐見の予期したところだった。
「甘いな! 将棋部必殺、将棋キーック」
アグレッシブに生まれ変わった波佐見の蹴りで、攻めかかったサッカー部員は弾き飛ばされた。
「確かに、それぞれの駒には弱点があるが、全方向に対してフォローがきく王がそのサポートに回れば、その弱点は克服できる!」
「な、なめやがって! 言っておくが、こっちにはお前から奪った駒がいくらでもあるんだからな!」
そう言って、その男は自分の目の前に歩を放り投げた。その歩は当然のごとく実態化し、むっくりと立ち上がる。
今までの波佐見ならば、それにうろたえて冷静さを欠いていたことだろう。だが、新・波佐見は違った。それを見ても焦った様子を微塵も見せず、それどころか、何か秘策でもあるかのようなしたたかな笑みを浮かべている。
「新将棋第二段! 武士は二君に仕えず。取られた駒は敵につくことを潔しとせず、自爆する!」
「な、なにっ?」
いきなり高らかに宣言する波佐見の言葉に驚いたのは歩を出したサッカー部員。
「そ、そんな馬鹿なルールがあるかよ!」
焦る男に対して、歩兵が静かに後ろを向く。
「冗談だよな?」
作り笑いを浮かべつつ自分が出した歩に尋ねた。歩はその問いの答えとして、にゃーっという粘っこくて嫌な笑みを浮かべ──
どっかあぁぁぁん!!
「これで一人減ったな」
「お、お前、自分の昔の仲間まで一緒に爆発してるのに、その涼しい顔はなんだ!」
「もののふとは、かくありたいものだな」
「や、やばいぞ、コイツ。みんな、持ち駒は絶対に使うなよ!」
「わ、わかっている!」
サッカー部員達もようやく新将棋及び新・波佐見の恐ろしさに気づき始めた。
「だが、王さえ倒せば俺達の勝ちだ! みんな、波佐見を集中攻撃だ。行くぞっ!」
余裕の状態だったのが、急に雲行きが怪しくなり、サッカー部員達の顔に必死さが顕著に表れてくる。こうなっては、いくら新・波佐見になったとはいえ、苦戦を強いられるのは必至であった。
◇ ◇ ◇ ◇
──更に数十分後。
「サッカー部必殺、ツゥインシュート!」
サッカー部が誇る強力ツートップに二人同時に蹴りを入れられた波佐見が、ついに膝から崩れ落ちた。
歩による玉砕戦法、分身する香車、バックもできる桂馬、そんな非常識な戦い方で、サッカー部を追い詰めはしたが、さすがに王だけに集中攻撃は受け続けてはいつまでも耐え切れるものではなかった。
「お、終わった」
安堵の溜め息を漏らすサッカー部員。十一人いた彼らも、今将棋フィールドの中で立っているのはわずかに五人のみ。
「歩歩歩。まだだ、まだ終わらんよ」
相当なダメージを受け続け、もはや立ち上がることもできず、廊下にうずくまるだけの波佐見。しかし、そんな男から発せられたその言葉は、負け惜しみとは思えない、何か含みのようなものを感じさせ、サッカー部員達を戦慄させる。
「で、でたらめを言うな!」
「王を討ち取ったんだぞ! これ以上何ができるというんだ!」
サッカー部員の言うことはもっともである。だが、新・波佐見に常識という言葉は通用しない。
「新将棋第十二段。王が倒れても、飛車が新たな王となり指揮を執る!」
「な、何をっ?」
サッカー部員達の驚きの声を無視して、いまだ生き残っていた飛車が光り輝きだした。
鎧が今まで以上に堅固なものに変わり、額には「飛」にかわり、「王」の文字が浮き上がってくる。
『我こそは新たなる王、飛車なり。戦はまだ終わっておらんぞ』
「そ、そんなバカな!」
「更に、新将棋第十三段! 王が交替すると、敵討ちをするために残ったすべての駒がパワーアップする」
『皆の者、よく聞け。これは波佐見様の弔いである! 我らが屍になろうとも、敵を殲滅するまではこの戦、終わらぬと思え!』
『おおっー!!』
その掛け声と共に、残った駒達が一斉に輝き出した。角が馬へとパワーアップし、他の駒は金へと変化する。
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