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計画
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「……お、久しぶり、です…。隼人、さん…」
颯斗に初めて抱かれたあのホテル
あの日がもうずっと前のことのように感じる
公園で知らない誰かに寝床を提供して貰うつもりだったあの日
颯斗に連れて来られなきゃ、とっくに死んでたかもしれない…
そんな、オレにとっては大切な思い出の場所
そのホテルの最上階にあるホテルBAR
薄暗い室内を間接照明がぼんやりと照らしている
客同士の顔は近付かないと見えないようになっていて、何か秘密の取り引きや話し合いをするにはうってつけの場所だ…
煌びやかな夜景を眺めることの出来るカウンターに、彼は先に座っていた
先に来ていた彼は、ウィスキーのロックに口を付けながらこちらを振り返り、口の端を上げて嫌味な笑みを浮かべている
「凪、お前から連絡して来るのを待ってたんだぜ」
隼人さんの微かにグレアの滲み出てる声に身体が竦んでしまい、自分が怯えて震えているのを隠す為に右手で左腕をギュッと握り締める
「…連絡が、遅くなって…ごめんなさい…
今日は、オレがここの支払いを持つから…許してくれますか?」
颯斗から預かったクレジットカードを見せると、あからさまに機嫌が良くなり
「凪、 Good Boy。褒めてやるから隣に座れ」
クイクイッと指で指示され、隣に座ることを促されるも、恐怖で動くことが出来ない
オレがなかなか動かないことに焦れたのか、チッと舌打ちを鳴らし
「 Sit、こんなコトで命令を使わせんな、クズ」
隼人さんの命令にビクッとあからさまに肩を震わせ、怖々と命令通り隣の席に腰掛ける
「それで…、凪、お前は今、あの一条の坊ちゃんの所に居るんだよな?」
隼人さんがオレの頬を指の背でゆっくりと撫でて来る
指で撫でられているはずなのに、ナイフを突き付けられているような気分になり、触れられた部分から冷たくなっていくような、恐怖で身体が強張ってしまう
心臓の音が周りにバレてしまうんじゃないかと不安になる程、バクバクと忙しなく鳴り響いている
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い…
「上手く取り入ったみたいだなぁ~。毎晩、下の穴で奉仕してんのか?
お前みたいな出来損ないのSubで、満足して貰えてんのか?
なぁ、nagi…お前みたいな淫乱、あのお坊ちゃんだけじゃ満足出来ないんだろ?」
耳元で囁くように言われ、耳を舐められる
気持ち悪い、怖い、嫌だ…
嫌悪感から鳩尾の辺りがギュッと縮こまるような痛みに顔が引き攣ってしまう
言い返したいのに、怖くて何も言えず、ただ耐えるように両手を握り締めて目をギュッと閉じる
「 Say!」
先程よりも強いグレアに頭がガンガンする
怖くて、苦しくて、逃げ出したいのにそうすることも出来なくて…
「そう、です…。満足、でき…ない、です…
隼人さん…じゃなきゃ…満たして、貰えない…から…
あんな、優しいのじゃ…満足できないから……」
唇を噛み締めてなんとか言葉を紡ぐ
オレの返答が満足するものだったのか、グレアを弱めニヤァと笑みを浮かべているのがわかる
不意に肩を抱かれ、耳元で優しく囁かれる
「良い子だ、凪。部屋、取ってんだろ?期待してたんだよな?俺に抱いて欲しいって…
今日は機嫌が良いから、久々にPlayもしてやるよ…。新しい動画も沢山撮ろうな…なぁ、nagi?」
微かに震えながらも小さく頷き、促されるまま会計を済ませて席を立った
オレたち以外誰ひとりとして客の居ないBARを後にした
彼に逃げられないように腰を抱かれたまま、予定通りBARの階下に取ってある部屋へと向かった
颯斗に初めて抱かれたあのホテル
あの日がもうずっと前のことのように感じる
公園で知らない誰かに寝床を提供して貰うつもりだったあの日
颯斗に連れて来られなきゃ、とっくに死んでたかもしれない…
そんな、オレにとっては大切な思い出の場所
そのホテルの最上階にあるホテルBAR
薄暗い室内を間接照明がぼんやりと照らしている
客同士の顔は近付かないと見えないようになっていて、何か秘密の取り引きや話し合いをするにはうってつけの場所だ…
煌びやかな夜景を眺めることの出来るカウンターに、彼は先に座っていた
先に来ていた彼は、ウィスキーのロックに口を付けながらこちらを振り返り、口の端を上げて嫌味な笑みを浮かべている
「凪、お前から連絡して来るのを待ってたんだぜ」
隼人さんの微かにグレアの滲み出てる声に身体が竦んでしまい、自分が怯えて震えているのを隠す為に右手で左腕をギュッと握り締める
「…連絡が、遅くなって…ごめんなさい…
今日は、オレがここの支払いを持つから…許してくれますか?」
颯斗から預かったクレジットカードを見せると、あからさまに機嫌が良くなり
「凪、 Good Boy。褒めてやるから隣に座れ」
クイクイッと指で指示され、隣に座ることを促されるも、恐怖で動くことが出来ない
オレがなかなか動かないことに焦れたのか、チッと舌打ちを鳴らし
「 Sit、こんなコトで命令を使わせんな、クズ」
隼人さんの命令にビクッとあからさまに肩を震わせ、怖々と命令通り隣の席に腰掛ける
「それで…、凪、お前は今、あの一条の坊ちゃんの所に居るんだよな?」
隼人さんがオレの頬を指の背でゆっくりと撫でて来る
指で撫でられているはずなのに、ナイフを突き付けられているような気分になり、触れられた部分から冷たくなっていくような、恐怖で身体が強張ってしまう
心臓の音が周りにバレてしまうんじゃないかと不安になる程、バクバクと忙しなく鳴り響いている
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い…
「上手く取り入ったみたいだなぁ~。毎晩、下の穴で奉仕してんのか?
お前みたいな出来損ないのSubで、満足して貰えてんのか?
なぁ、nagi…お前みたいな淫乱、あのお坊ちゃんだけじゃ満足出来ないんだろ?」
耳元で囁くように言われ、耳を舐められる
気持ち悪い、怖い、嫌だ…
嫌悪感から鳩尾の辺りがギュッと縮こまるような痛みに顔が引き攣ってしまう
言い返したいのに、怖くて何も言えず、ただ耐えるように両手を握り締めて目をギュッと閉じる
「 Say!」
先程よりも強いグレアに頭がガンガンする
怖くて、苦しくて、逃げ出したいのにそうすることも出来なくて…
「そう、です…。満足、でき…ない、です…
隼人さん…じゃなきゃ…満たして、貰えない…から…
あんな、優しいのじゃ…満足できないから……」
唇を噛み締めてなんとか言葉を紡ぐ
オレの返答が満足するものだったのか、グレアを弱めニヤァと笑みを浮かべているのがわかる
不意に肩を抱かれ、耳元で優しく囁かれる
「良い子だ、凪。部屋、取ってんだろ?期待してたんだよな?俺に抱いて欲しいって…
今日は機嫌が良いから、久々にPlayもしてやるよ…。新しい動画も沢山撮ろうな…なぁ、nagi?」
微かに震えながらも小さく頷き、促されるまま会計を済ませて席を立った
オレたち以外誰ひとりとして客の居ないBARを後にした
彼に逃げられないように腰を抱かれたまま、予定通りBARの階下に取ってある部屋へと向かった
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