【完結】野良猫Subは誰にも懐かない

ゆあ

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信頼

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帰って来てからも颯斗ハヤトの機嫌がいい
出掛ける前にも思ったが、何でこんなに機嫌が良くなったのか検討がつかない…

オレが書いたコードだと自白したのがそんなに嬉しかったのか…?
あんな…、調べれば簡単に代替えのものも出てくるものなのに…


ホントに、コイツが何を考えているのかイマイチ理解できない…



「晴臣さん、またデート行きましょうね。次は、どこか遊びに行くのも良いし、旅行もアリですよね」
買って来た荷物の紙袋をいくつもテーブルの上に置いている

要らないって言ったはずなのに、いつの間にか購入していた服や小物が入っている

「晴臣さん、 Come来て
ソファーがあるのに、わざわざ毛足の長い絨毯に転がっている颯斗ハヤト命令コマンドで呼ばれ、ワザとらしく溜息を吐き出してから向かう

 Sit座って、晴臣さん、ここ座って下さい。膝枕、してくれませんか?」
わざわざ命令コマンドを使ってまで言ってきたくせに、子どものようなお願い事を言って甘えてくる

Domなら、もっと強制的に、好き勝手になんでも従わせればいいのに…
と、いつもの捻くれた気持ちが浮かぶものの、期待してキラキラと目を輝かせる颯斗ハヤトに呆れたような笑みを浮かべ、もう一度溜息を吐いて近くに座る

「はいはい。ご主人様のお好きなように。膝枕でも抱き枕でも、お好きにしろよ」
ワザとらしく嫌味を言うも、つい甘えてくる姿を可愛く感じてしまう
太ももに頭を乗せ、嬉しそうに腰に抱き着いてくる
 Goodよく出来ました、晴臣さん、ありがとう」

人の腹に顔を埋めて温もりを堪能している姿に無意識に笑みが溢れる
「それで、ご主人様はどうして欲しいんだ?」

身体を重ねてのPlayじゃないのに、褒められるとじんわりとSubとしての本質が満たされていく
脚に乗っている重たさが愛しくて、手に触れる猫っ毛の柔らかな髪が気持ち良い

「晴臣さん、もっと撫でて」

気持ち良さげに目を細めで見上げてくる顔を不思議そうに見つめ返す


撫でる…?
何を…?


無意識に颯斗ハヤトの頭を撫でていたことに気付き、顔が熱い
「ち、ちがっ…もっとって…」

「もっと、頭撫でて。晴臣さんに触れて貰えるの、気持ちいいから…」

頭を撫でる手に颯斗ハヤトの手が重なり、指を絡められる
「晴臣さん、身体を繋げるだけがPlayじゃないんですよ。
こうやってるだけでも、満たされるでしょう?もっと、俺の支配に落ちて」

颯斗ハヤトの視線から目が離せない

SEXしてるわけじゃないのに、身体がホワホワして、Subの本能、支配されたいという欲望が満たされていく

「んっ…颯斗ハヤト、なんで…」
オレの手を取り、指を絡められているだけなのに、それだけでもゾクゾクする
手までが性感帯になってしまったような錯覚を起こしてしまいそうなる

手を颯斗ハヤトの顔に持っていかれ、軽く触れるように手の甲に口付けをされる
触れただけなのに、腰に電撃でも走ったような甘い疼きを感じてしまい、顔を逸らしたくなる

グレアを微かに感じる目で見つめられ
「晴臣さん可愛いね。気持ちいいでしょ?Lookこっちを見て


視線を外したいのに、外せない
命令コマンドを言われるだけで身体が熱くなる
褒められると頭が回らなくなる

もっと、もっと、颯斗ハヤトに支配されたい


「OK、 Say教えて晴臣さんがして欲しいこと。俺のこと、もっと信じて…俺に支配させて」

頬を撫でられると無意識に擦り寄ってしまう
さっきから身体が熱くて、下半身が反応してしまっているのに無視され続けているせいで、ズボンが苦しい

「晴臣さん、気持ち良いね。Sub Space、上手に入れてるよ」

颯斗ハヤトの視線が心地いい
コイツのグレアは怖くない

Domなんて、グレアなんて…
オレにとって怖いものでしかなかったのに…


全てを見て欲しいと思うのも、何かが胸に溢れそうになるのも

きっと、今はSub Spaceに入ってしまったせい
全て、Domの支配のせい

この気持ちは、今だけの気の迷い…
Subは、Domのオモチャで、性奴隷だから…
期待するだけ無駄…
期待したヤツが悪い…



でも、颯斗ハヤトになら、全てを支配されてしまいたい
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