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寝床
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金が入ればパチンコに行く
残ればネカフェかホテルで寝れるし、負ければ野宿か今日の寝床の相手を探す
決まった場所なんてなくて、決まった相手もいない
野良猫みたいにその日暮らしをする
身体だけ弄ばれて、金も払わないクズもいるけど、オレ自身も同じクズなだけに別にいい
その日の寝床さえ貰えて、気持ち良くなれるなら…
特定の相手なんて要らない
他人を信用するなんて、もう二度とないのだから…
昨晩の売上げは予定通り消えた
今日は朝から飯も食えたし、風呂にも入れた
とりあえず、今日はもう眠い
誰にも会いたくないし、誰ともしたくない
ベッドで寝れたら一番だけど、ビジホに行ける程の残高は残っていない
ギリギリ残った金で、今日もネカフェに行くことにした
住所不定・無職・家族なし・恋人なし、ついでに金もヤル気もなし
それがオレの現状
「はぁ…ネカフェ予定だったのに、な…」
公園のベンチに座り、上着のポケットから煙草を取り出そうと探すも、出てくるのはレシートなどのゴミばかりで
「あ~ぁ、煙草すらない、か…」
空を仰ぎながら溜息を漏らす
自分からこうなっているのに、溜息を吐くのが癖になってしまっている
何かのイベントと被ったのか、ネカフェはどこもいっぱいでホテルに行くお金もない
今晩の相手を探す気にもなれず、まだ残暑の残るこの時期なら凍死はないだろうから公園にまで来た
人気の少ない場所なのか、何かの穴場なのか、こちらを気にしてくる視線はよく知っているもので…
「おにーさん、1人?」
そのうちの1人が声を掛けてきた
今日はそのつもりはなかったのだけど、誘ってくれるなら…
「今日、はね…」
今会ったばかりなのに、距離が近い
腕を腰に回してきて、耳元に当たる息が気持ち悪い
「買ってくれるなら、なんでもやるよ」
ナンパ待ちだと思われていたのか、少し嫌そうな顔をするも、耳元にチュッとワザとらしくリップ音を立ててキスをされ
「お金ないけど、気持ち良くしてあげるから今晩どう?」
さっきから腰や尻を撫でる生暖かい手が気持ち悪い
この人は、オレのこと知らないっぽいし…
好みでもないんだよな…
あからさまに不快だと言うように溜息を吐くも、寝床くらいは貰えるか…と諦めて承諾しようとした瞬間
「お待たせ、遅くなってごめんね。待った?」
いきなり引き剥がすように後ろから引っ張られ、知らない誰かに腰を抱きしめられる
全く見覚えのない青年
オレよりも少し高いくらいの身長に綺麗な顔立ち
オレみたいなクズなんか相手にしなくても、女も男も自ら寄って来そうなイケメン
着ている物はシンプルなのに、どこか良い物な気がする
年は、オレより下だろうなぁ…と冷静に観察する
アレよりは、コッチの方が好みだし…
ヤルにしても、若い方が楽しめるか、な…
「あ、ごめん。やっぱり、ツレ出来たから、またね」
相手の顔も見ずにヒラヒラと手を振り、腰を抱く青年に連れられるまま公園を後にする
「それで、アンタはオレのこと買ってくれるの?」
周りに人が居ないのを確認し、クルッと反転して青年に向き直る
寝床の予定だったベンチも離れてしまい、寝床候補くんも逃してしまった
ここで断られてしまうとまた探すのがめんどくさくなる
「とりあえず、ご飯食べませんか?お腹空いてないですか?近くのホテルでいいですよね」
爽やかな笑顔なのに、どこか強引に話を進められる
当然のようにタクシーに乗せられ、ラブホではない少し良いところのホテルに連れ込まれる
若いのに金あるのか?これでバックれだったらキツいなぁ…
残ればネカフェかホテルで寝れるし、負ければ野宿か今日の寝床の相手を探す
決まった場所なんてなくて、決まった相手もいない
野良猫みたいにその日暮らしをする
身体だけ弄ばれて、金も払わないクズもいるけど、オレ自身も同じクズなだけに別にいい
その日の寝床さえ貰えて、気持ち良くなれるなら…
特定の相手なんて要らない
他人を信用するなんて、もう二度とないのだから…
昨晩の売上げは予定通り消えた
今日は朝から飯も食えたし、風呂にも入れた
とりあえず、今日はもう眠い
誰にも会いたくないし、誰ともしたくない
ベッドで寝れたら一番だけど、ビジホに行ける程の残高は残っていない
ギリギリ残った金で、今日もネカフェに行くことにした
住所不定・無職・家族なし・恋人なし、ついでに金もヤル気もなし
それがオレの現状
「はぁ…ネカフェ予定だったのに、な…」
公園のベンチに座り、上着のポケットから煙草を取り出そうと探すも、出てくるのはレシートなどのゴミばかりで
「あ~ぁ、煙草すらない、か…」
空を仰ぎながら溜息を漏らす
自分からこうなっているのに、溜息を吐くのが癖になってしまっている
何かのイベントと被ったのか、ネカフェはどこもいっぱいでホテルに行くお金もない
今晩の相手を探す気にもなれず、まだ残暑の残るこの時期なら凍死はないだろうから公園にまで来た
人気の少ない場所なのか、何かの穴場なのか、こちらを気にしてくる視線はよく知っているもので…
「おにーさん、1人?」
そのうちの1人が声を掛けてきた
今日はそのつもりはなかったのだけど、誘ってくれるなら…
「今日、はね…」
今会ったばかりなのに、距離が近い
腕を腰に回してきて、耳元に当たる息が気持ち悪い
「買ってくれるなら、なんでもやるよ」
ナンパ待ちだと思われていたのか、少し嫌そうな顔をするも、耳元にチュッとワザとらしくリップ音を立ててキスをされ
「お金ないけど、気持ち良くしてあげるから今晩どう?」
さっきから腰や尻を撫でる生暖かい手が気持ち悪い
この人は、オレのこと知らないっぽいし…
好みでもないんだよな…
あからさまに不快だと言うように溜息を吐くも、寝床くらいは貰えるか…と諦めて承諾しようとした瞬間
「お待たせ、遅くなってごめんね。待った?」
いきなり引き剥がすように後ろから引っ張られ、知らない誰かに腰を抱きしめられる
全く見覚えのない青年
オレよりも少し高いくらいの身長に綺麗な顔立ち
オレみたいなクズなんか相手にしなくても、女も男も自ら寄って来そうなイケメン
着ている物はシンプルなのに、どこか良い物な気がする
年は、オレより下だろうなぁ…と冷静に観察する
アレよりは、コッチの方が好みだし…
ヤルにしても、若い方が楽しめるか、な…
「あ、ごめん。やっぱり、ツレ出来たから、またね」
相手の顔も見ずにヒラヒラと手を振り、腰を抱く青年に連れられるまま公園を後にする
「それで、アンタはオレのこと買ってくれるの?」
周りに人が居ないのを確認し、クルッと反転して青年に向き直る
寝床の予定だったベンチも離れてしまい、寝床候補くんも逃してしまった
ここで断られてしまうとまた探すのがめんどくさくなる
「とりあえず、ご飯食べませんか?お腹空いてないですか?近くのホテルでいいですよね」
爽やかな笑顔なのに、どこか強引に話を進められる
当然のようにタクシーに乗せられ、ラブホではない少し良いところのホテルに連れ込まれる
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