男ですが聖女として召喚されたら、年下第3王子と年上の聖騎士様に迫られてます。

こうらい ゆあ

文字の大きさ
上 下
14 / 94
第一章

13.み、見られた!?

しおりを挟む
「マコト様は、男のくせに自慰をする時は、女のように穴も使うんだな」

 そのまま寝落ちしてしまおうかと思っていたのに、明らかに馬鹿にするような蔑む声が聞こえた。
 俺一人しか居ないはずの部屋で声をかけられ、驚いて眠気も吹っ飛んでしまった。

「なっ!?なんでっ!鍵、かけていたはずじゃっ?ってか、いつから見て……」
 声の主は、不敵な笑みを浮かべながら扉に背を預け、その宝石のように青く綺麗な瞳で、ジッと俺の方を見ていた。
 俺は自分の痴態をどこからどこまで見られていたのかわからず、真っ赤になっているのが自分でもわかる。
 動揺を隠そうと、シーツを頭から被って身体を隠すも、恥ずかしさを拭うことはできない。

 そんな俺を、扉に背を預け、腕を組みながらワザとらしく溜息を付くルイミヤ殿下。
「ちゃんとノックもしたし、声も掛けたが、返事がなかったからな。心配して様子を見るために入ったが……」
 フンッと鼻で笑われ、自分は悪くないと言いたげな態度に腹が立つ。
「お楽しみの最中だったから、落ち着くまでわざわざ様子を見させてもらっていただけだ」
 なんか、敬語すらなくなっている気がする。

「そ、そう思うなら見ずに出て行けよ!」
 自慰を見られていたことや彼の言い方に余計に苛立ち、枕を投げつけるも簡単に避けられてしまう。
「当たれよ、バカ!」
 シーツに包まったまま暴言を吐くも、嫌味を口にするルイミヤ殿下。
「異世界の聖女は、後ろの穴でも感じるんだな」
 明らかに馬鹿にしたような言葉づかいで言ってくる彼だったけど、よく見ると少し顔が赤い気がする。
 それに、脚を軽く組んで隠しているけど、股間の辺りが妙に膨れているようで……

 ん~?あ~んな憎まれ口言っているけど、コイツもしかして……

「んなこと言っているけど、ルイミヤ殿下のソレはなんなんだよ」
 シーツから顔だけを出しながら、ルイミヤ殿下の股間を指差す。
「王子様は俺の自慰を見て、股間が反応しちゃったんですかね?男の俺のひとりエッチ見て、興奮知っちゃった?」
 さっきまでの厭味ったらしい殿下に言い返すように、ワザと挑発するように言ってみる。
「……なぁ、それ……自分でどうにかできんのか?」
 王子様がひとりで自慰なんてやるイメージが一切沸かず、からかうように口にする。
「バッ!そ、そんなわけなだろ!」
 さっきよりも真っ赤な顔で噛みついてくる殿下に、ニヤニヤが止まらない。

 もしかして、この嫌味な言い方って、俺の自慰を見て自分が反応しちゃっているのを誤魔化すためなのか?
 だったら、ちょ~っとくらい、仕返ししてやっていいよな?

 ふつふつとイタズラ心に火が付き、にやぁっと口の端が吊り上がる。
「なぁソレ、俺が収めてやろうか?」
 ちょいちょいと誘う様に手招きし、シーツの前をゆっくりと開いて肌を露見させる。
 明らかに動揺している様子の殿下に俺のイタズラ心が満たされていく。
 ワザとらしく、指の間から自らの胸の突起が見えるように肌を撫でると、ルイミヤ殿下の目は俺の胸に釘付けだった。
 もう一度、誘う様にちょいちょいと手招きをしてみると、ビクッと肩を震わせ、怯えた顔をするルイミヤ殿下に優越感が湧いて来る。

「別に、取って食おうってわけじゃねーよ?そのままだとリークフリードさんのところに戻ったら大変なんじゃねーの?」
 あんな子猫みたいな反応していたら、あの堅物のリークフリードさんでもパクっといくんじゃね?
 あの人、ルイミヤ殿下のこと好きっぽいし……
 こんな据え膳みたいなことになったら、理性もたないだろうしな~。
 旅が始まってすぐなのに、王子の処女が散らされちゃうかも?
 まぁ、俺がちょ~っと味見してやろう。って、下心も多少あったりはすっけど♪

「だ、平気だ!ほっとけば、勝手に収まる……はず、だから……」
 強がっているものの、言葉尻がどんどん小さくなっている。
 顔を真っ赤にさせながら強がる様子が可愛くて、更にイジメたくなる。

 殿下可愛い~♪こんな姿、リークフリードさんが見たらやっぱりアウトじゃん。
 だ~か~ら~、俺がちょーっとだけお手伝いしてやろう。
 収まったら殿下もスッキリ寝れるだろうし、俺もちょっとだけ楽しめる。
 うん。Win-Winの関係だよな。

「ルイミヤ殿下、恥ずかしがんなくていいよ。俺の自慰見てこうなったんだし、ちゃんと責任取ってやるから」
しおりを挟む
感想 38

あなたにおすすめの小説

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜

車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第二の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...