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昨日のやらかしてしまった失態のせいで気が重い
千鶴にちゃんと会って話したいのに、許して貰える自信が持てない
熱があるとは言え、譫言で聞いた告白に舞い上がってしまった
やっとあの千鶴が素直になってくれたって思って嬉しかった
普段、SEXをしてホワホワになった時でも絶対に言ってくれない『好き』って言葉がホントに嬉しくて…
高熱で意識もハッキリしてない相手だとわかっていたはずなのに、ずっと大好きな大切な恋人からの告白に舞い上がらない奴は居ないと思う
だが、だからと言って、高熱を出した相手に投薬する為とはいえ、アレはダメだったと反省している
寝てる時に引き抜けば良かったのだが、ギュッと抱き付いてきた千鶴が可愛くて…
離れようとしたら、イヤイヤと首を振って縋り付いてくる千鶴が可愛くて…
外が暗くなってくるのすら気にならないくらい…
千鶴のナカが熱くて気持ちよかった…
こんなに自分が自制の利かない人間だと思ってもみなかった…
合わせる顔なんてないし、正しい謝罪の言葉も思い浮かばない
それでも、千鶴に直接会って謝りたい
千鶴自身が俺のを挿れてきたとはいえ、意識の朦朧とした相手にエロいことをしたのは…言い訳のしようがないよな…
でも、朝から何処を探しても千鶴は見つからなかった
頼りたくはないが、東野に聞いてみたらちゃんと来てるって言ってたし、さっきまで同じゼミ室に居たって言ってたのに…
別の教室にも、研究室に行っても見つからない
食堂に行ったら、ダチに見付かって、昨日適当に別れたことに対して文句を言われた
今はアイツらよりも、千鶴に会いたいのに…
昨日休んでたから、図書館に居るかと思ったが、そのアテも外れた
何処を探しても見つからない
LINEをしても当然のように既読スルーされる
焦りばかりが募るのに、探している彼は一向に見つからない
千鶴に会いたい
千鶴を抱きしめたい
千鶴に会って、謝って、改めてちゃんと告白したい
ずっと好きだったって…
本当は、昨晩もずっと一緒に居たかったって…
熱出してる相手を襲ったみたいなことは、素直に謝ろう…
ちゃんと、千鶴を俺だけのモノにしたい
「……中庭?」
中庭というには誰もなかなか来ない場所
研究棟からも、学科棟からも離れた場所
俺と千鶴が出会った場所
何故かあそこに居るって確信があった
あの場所に千鶴が居るって
ゆっくり歩いて向かっていたはずなのに、足はいつの間にか早歩きにかわり、校舎を出る頃には走っていた
意外に距離のあるあの場所を息を切らせながら走った
今すぐ会いたくて
これ以上離れたら、もう捕まえられない気がして
柔らかな陽射しが降り注ぐ中庭に、千鶴の姿は見つからなかった
肩で息をしながらゆっくり呼吸を整える
壁沿いにもベンチがあるから、死角が多くて、本当に千鶴がココに居ないのか端から一つ一つ確認していくしかなかった
木の影に隠れたベンチに横たわる人影
猫みたいに小さく丸まって、陽射しから逃げるみたいにパーカーのフードを被って眠る彼
少し顔色が悪いように見えるが、すよすよと気持ち良さげに寝ている顔を見るとつい顔が綻んでしまう
「やっぱりココに居た」
ベンチの前にしゃがみ込み、間近で千鶴の寝顔を見詰める
「ちぃ、昨日はごめんね…」
起こさないように小さく呟いたつもりだったのに、黒くて長い睫毛が微かに震えた後にゆっくり目が開かれる
まだ寝ぼけているのか、ボーっとした様子で焦点の合わない目を見詰め
「ちぃ、おはよ」
千鶴の寝起き顔が可愛すぎてつい頬が緩んでしまう
ちゃんと謝らなきゃいけないのに、可愛すぎる千鶴が悪い
徐々に目が醒めてきたのか、目元を手の甲で擦り、小さく欠伸をする千鶴をジッと静かに見詰めていると、あからさまに嫌悪を表した表情を浮かべ
「……何?大学でも寝込みを襲うつもりだったのか?
オレはお前の都合のいいオナホになったつもりは一切ないんだけど…」
置いてあったリュックを乱雑に持って立ち上がり
「……き、昨日のは忘れろ…オレも、アレは忘れてやるから…
新しい彼女が出来たならオレは用無しだろうし、さっさと彼女の所に行けよ」
耳まで赤くしながらとんでもないことを言ってくる
顔を見たいけど、リュックで顔を隠してるから表情は見えない
けど、何故か泣いているような声に胸が締め付けられる
「千鶴、昨日は本当にごめん。お願い、逃げないで…」
今にも走って逃げそうな千鶴の手を掴むも、その手は震えていた
千鶴の顔を見たいのに、一向に顔を見せてくれない
「ちぃ…頼むから、俺の話を聞いてくれない?
お願いだから…逃げずに聞いて欲しい」
千鶴にちゃんと会って話したいのに、許して貰える自信が持てない
熱があるとは言え、譫言で聞いた告白に舞い上がってしまった
やっとあの千鶴が素直になってくれたって思って嬉しかった
普段、SEXをしてホワホワになった時でも絶対に言ってくれない『好き』って言葉がホントに嬉しくて…
高熱で意識もハッキリしてない相手だとわかっていたはずなのに、ずっと大好きな大切な恋人からの告白に舞い上がらない奴は居ないと思う
だが、だからと言って、高熱を出した相手に投薬する為とはいえ、アレはダメだったと反省している
寝てる時に引き抜けば良かったのだが、ギュッと抱き付いてきた千鶴が可愛くて…
離れようとしたら、イヤイヤと首を振って縋り付いてくる千鶴が可愛くて…
外が暗くなってくるのすら気にならないくらい…
千鶴のナカが熱くて気持ちよかった…
こんなに自分が自制の利かない人間だと思ってもみなかった…
合わせる顔なんてないし、正しい謝罪の言葉も思い浮かばない
それでも、千鶴に直接会って謝りたい
千鶴自身が俺のを挿れてきたとはいえ、意識の朦朧とした相手にエロいことをしたのは…言い訳のしようがないよな…
でも、朝から何処を探しても千鶴は見つからなかった
頼りたくはないが、東野に聞いてみたらちゃんと来てるって言ってたし、さっきまで同じゼミ室に居たって言ってたのに…
別の教室にも、研究室に行っても見つからない
食堂に行ったら、ダチに見付かって、昨日適当に別れたことに対して文句を言われた
今はアイツらよりも、千鶴に会いたいのに…
昨日休んでたから、図書館に居るかと思ったが、そのアテも外れた
何処を探しても見つからない
LINEをしても当然のように既読スルーされる
焦りばかりが募るのに、探している彼は一向に見つからない
千鶴に会いたい
千鶴を抱きしめたい
千鶴に会って、謝って、改めてちゃんと告白したい
ずっと好きだったって…
本当は、昨晩もずっと一緒に居たかったって…
熱出してる相手を襲ったみたいなことは、素直に謝ろう…
ちゃんと、千鶴を俺だけのモノにしたい
「……中庭?」
中庭というには誰もなかなか来ない場所
研究棟からも、学科棟からも離れた場所
俺と千鶴が出会った場所
何故かあそこに居るって確信があった
あの場所に千鶴が居るって
ゆっくり歩いて向かっていたはずなのに、足はいつの間にか早歩きにかわり、校舎を出る頃には走っていた
意外に距離のあるあの場所を息を切らせながら走った
今すぐ会いたくて
これ以上離れたら、もう捕まえられない気がして
柔らかな陽射しが降り注ぐ中庭に、千鶴の姿は見つからなかった
肩で息をしながらゆっくり呼吸を整える
壁沿いにもベンチがあるから、死角が多くて、本当に千鶴がココに居ないのか端から一つ一つ確認していくしかなかった
木の影に隠れたベンチに横たわる人影
猫みたいに小さく丸まって、陽射しから逃げるみたいにパーカーのフードを被って眠る彼
少し顔色が悪いように見えるが、すよすよと気持ち良さげに寝ている顔を見るとつい顔が綻んでしまう
「やっぱりココに居た」
ベンチの前にしゃがみ込み、間近で千鶴の寝顔を見詰める
「ちぃ、昨日はごめんね…」
起こさないように小さく呟いたつもりだったのに、黒くて長い睫毛が微かに震えた後にゆっくり目が開かれる
まだ寝ぼけているのか、ボーっとした様子で焦点の合わない目を見詰め
「ちぃ、おはよ」
千鶴の寝起き顔が可愛すぎてつい頬が緩んでしまう
ちゃんと謝らなきゃいけないのに、可愛すぎる千鶴が悪い
徐々に目が醒めてきたのか、目元を手の甲で擦り、小さく欠伸をする千鶴をジッと静かに見詰めていると、あからさまに嫌悪を表した表情を浮かべ
「……何?大学でも寝込みを襲うつもりだったのか?
オレはお前の都合のいいオナホになったつもりは一切ないんだけど…」
置いてあったリュックを乱雑に持って立ち上がり
「……き、昨日のは忘れろ…オレも、アレは忘れてやるから…
新しい彼女が出来たならオレは用無しだろうし、さっさと彼女の所に行けよ」
耳まで赤くしながらとんでもないことを言ってくる
顔を見たいけど、リュックで顔を隠してるから表情は見えない
けど、何故か泣いているような声に胸が締め付けられる
「千鶴、昨日は本当にごめん。お願い、逃げないで…」
今にも走って逃げそうな千鶴の手を掴むも、その手は震えていた
千鶴の顔を見たいのに、一向に顔を見せてくれない
「ちぃ…頼むから、俺の話を聞いてくれない?
お願いだから…逃げずに聞いて欲しい」
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