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昨日、千鶴の家に行ったけど鍵が閉まっていた
バイト終わりに寄ったから、22時を回ってて何となく入りづらかった…
昼間に見られたくない瞬間を見られたから、少しでも誤解を解こうと思ってはいたんだけど…
「千鶴?」
呼び鈴を何度鳴らしてみても反応がない
LINEはずっと既読スルーされてるし、呼び鈴を鳴らしても無視
合鍵を使って入ればいいのだろうが、鍵を開けるのを何故か躊躇してしまった
いつもならそんな事一切考えずに済むのに…
千鶴があの時、すっごく辛そうな顔をしていたから…
バイト先の常連客で、何回断ってもしつこく付き纏ってくる彼女
キツい対応でハッキリ言えば良いのだろうが、そう言うのは昔から苦手だ…
つい曖昧な態度を取ってしまって、相手に期待を持たせてしまう
それが原因だってわかってはいるけど、争い事を避けるように適当に話しを反らして、対応してしまう
前にも、付き合っても居ない彼女から、浮気だ何だと罵られた
アイツ自体も遊びだったくせに、俺だけを悪者みたいに文句ばっかり言ってきて…
これだから、女は苦手だ…
自分のことは棚に上げるくせに、自分の都合が悪くなったらすぐにコッチを悪者に仕立て上げる…
千鶴は……俺にとって掛け替えのない存在なのに…
あんなヤツらと一緒になんてできないのに…
ベッドの上以外では、素直になってくれない俺の好きな人
ずっと一緒に居たいし、他のヤツと仲良くして欲しくない
俺だけが、千鶴の可愛いところを全部知っていればいい
他のヤツが千鶴と仲良くしてるのも、触れるのも気に入らない
ずっと、一人で居る千鶴を見て安心してたのに…
最近、たまに楽しげに話しをしているヤツがいる
仲良さげにくっ付いてるのを見るだけでイライラする…
「なぁ、千鶴来てないの?」
俺の唯一嫌いなヤツ
千鶴が最近、ちょっとだけ仲良くしてるらしい男、東野に声を掛ける
あからさまに驚いて目を見開いてるけど、そんなのどうでもいい
コイツに話し掛けたくなんかなかったけど、千鶴の状況がわからない今、誰でもいいから教えて欲しい
だから、さっさと答えて欲しいのに、驚いて固まってるコイツにイライラする
「千鶴じゃわからない?安西、朝から見てない?探してんだけど…」
一応、いつもの人の良さそうな笑顔は作ってみる
ただ、目は笑ってないんだろうな…
コイツの為に笑顔なんて作りたくないから
頬を引き攣らせて笑顔を作っているのが不快で仕方ない
なんで千鶴はこんなヤツと仲良くしてんだろ…
ずっと1人でいたくせに…
最近はなんやかんやで俺が一緒に居るのに…
俺の方が、ずっと千鶴と仲良いはずなのに、大学では他人のフリしてくるし…
男同士だからって、付き合ってるのがバレたっていいじゃん…
俺は千鶴のことが大好きだし、もっと千鶴に素直に甘えて欲しい
「あ、安西は今日は見てねぇーけど…。連絡も来てないし、風邪とかじゃねぇーの?」
見てないのは知ってる
俺自身も今日ずっと探してるけど、千鶴を見つけれなかったから、仕方なく確認の為に声を掛けたんだし…
でも、コイツも知らないならもういいや
「そっか…知らないならいいや。ありがと。帰りに千鶴のところに行って確認するから、気にしなくていいよ」
笑顔で千鶴のことは自分が確認するから、絶対に家には行くなって暗に牽制をいれる
千鶴の家に行ったことなんてないだろうけど…
彼の肩をポンポンと叩き、その後いつもの人の良さげな笑みを浮かべて手を振って去った
「こっわぁ…普段ニコニコしてる奴が、あんな冷たい目してるとか…
ってか、なんでオレへの当たりあんなキツイんだろ…
安西、頼むから死ぬなよ…」
ナムナムと手を擦り合わせ、今は居ぬ友人を憂うと共に、自分に敵意が向かないことを祈った
バイト終わりに寄ったから、22時を回ってて何となく入りづらかった…
昼間に見られたくない瞬間を見られたから、少しでも誤解を解こうと思ってはいたんだけど…
「千鶴?」
呼び鈴を何度鳴らしてみても反応がない
LINEはずっと既読スルーされてるし、呼び鈴を鳴らしても無視
合鍵を使って入ればいいのだろうが、鍵を開けるのを何故か躊躇してしまった
いつもならそんな事一切考えずに済むのに…
千鶴があの時、すっごく辛そうな顔をしていたから…
バイト先の常連客で、何回断ってもしつこく付き纏ってくる彼女
キツい対応でハッキリ言えば良いのだろうが、そう言うのは昔から苦手だ…
つい曖昧な態度を取ってしまって、相手に期待を持たせてしまう
それが原因だってわかってはいるけど、争い事を避けるように適当に話しを反らして、対応してしまう
前にも、付き合っても居ない彼女から、浮気だ何だと罵られた
アイツ自体も遊びだったくせに、俺だけを悪者みたいに文句ばっかり言ってきて…
これだから、女は苦手だ…
自分のことは棚に上げるくせに、自分の都合が悪くなったらすぐにコッチを悪者に仕立て上げる…
千鶴は……俺にとって掛け替えのない存在なのに…
あんなヤツらと一緒になんてできないのに…
ベッドの上以外では、素直になってくれない俺の好きな人
ずっと一緒に居たいし、他のヤツと仲良くして欲しくない
俺だけが、千鶴の可愛いところを全部知っていればいい
他のヤツが千鶴と仲良くしてるのも、触れるのも気に入らない
ずっと、一人で居る千鶴を見て安心してたのに…
最近、たまに楽しげに話しをしているヤツがいる
仲良さげにくっ付いてるのを見るだけでイライラする…
「なぁ、千鶴来てないの?」
俺の唯一嫌いなヤツ
千鶴が最近、ちょっとだけ仲良くしてるらしい男、東野に声を掛ける
あからさまに驚いて目を見開いてるけど、そんなのどうでもいい
コイツに話し掛けたくなんかなかったけど、千鶴の状況がわからない今、誰でもいいから教えて欲しい
だから、さっさと答えて欲しいのに、驚いて固まってるコイツにイライラする
「千鶴じゃわからない?安西、朝から見てない?探してんだけど…」
一応、いつもの人の良さそうな笑顔は作ってみる
ただ、目は笑ってないんだろうな…
コイツの為に笑顔なんて作りたくないから
頬を引き攣らせて笑顔を作っているのが不快で仕方ない
なんで千鶴はこんなヤツと仲良くしてんだろ…
ずっと1人でいたくせに…
最近はなんやかんやで俺が一緒に居るのに…
俺の方が、ずっと千鶴と仲良いはずなのに、大学では他人のフリしてくるし…
男同士だからって、付き合ってるのがバレたっていいじゃん…
俺は千鶴のことが大好きだし、もっと千鶴に素直に甘えて欲しい
「あ、安西は今日は見てねぇーけど…。連絡も来てないし、風邪とかじゃねぇーの?」
見てないのは知ってる
俺自身も今日ずっと探してるけど、千鶴を見つけれなかったから、仕方なく確認の為に声を掛けたんだし…
でも、コイツも知らないならもういいや
「そっか…知らないならいいや。ありがと。帰りに千鶴のところに行って確認するから、気にしなくていいよ」
笑顔で千鶴のことは自分が確認するから、絶対に家には行くなって暗に牽制をいれる
千鶴の家に行ったことなんてないだろうけど…
彼の肩をポンポンと叩き、その後いつもの人の良さげな笑みを浮かべて手を振って去った
「こっわぁ…普段ニコニコしてる奴が、あんな冷たい目してるとか…
ってか、なんでオレへの当たりあんなキツイんだろ…
安西、頼むから死ぬなよ…」
ナムナムと手を擦り合わせ、今は居ぬ友人を憂うと共に、自分に敵意が向かないことを祈った
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