22 / 29
22
しおりを挟む
「春輝、久しぶりだな」
信じられないことに、自分が俺から奪った番が倒れたというのに、何事もなかったかのように話し掛けてきた
信じられないモノを見る目で見返すと、肩をすくめ
「あぁ、ソレか…俺のお古でいいなら持ってっていいよ。
離婚はとっくに成立しているし、今では大切な番と新しい家族も増えるからな…
ソレの為にわざわざ別邸を置いとく理由もなくなるし」
シゲルの発言に怒りで頭が真っ白になっていく
確かに、調べたらミツとコイツはもう離婚していることになっていた
ミツの知らない間に
ミツは、まだコイツから離れられないと思っているのに
「お前も健気だよなぁ~。俺に好きな子取られたのに、未練がましく付き纏って
最初は返すつもりもなかったけど、俺にはもう希がいるから、ソレは返してやるよ
まぁ、そんな傷モノでいいならだけど、な」
肩を叩かれた瞬間、怒りで目の前が赤くなるも、腕の中で力なく倒れているミツが目の端に止まり踏み止まる
これ以上、この二人をミツに会わせたくないし、気を失っているとはいえ、コイツらの汚い言葉など聞かせたくない
何かまだ色々と言ってるのを全て無視し、ミツを優しく抱き上げて早々に病院を後にする
車の後部座席に横に寝かせ、苦しげに眠るミツの額に自分の額を当てる
「まだ、知らなくてよかったのに…。辛い事を言われてごめんな…
後で、ちゃんと説明してやるから…。今は、今だけでも幸せな夢になればいいのに…」
自分は調査の結果で子どもが出来たことを知っていた
半年前には離婚していることも知っていた
ただ、あの状態のミツに知られるわけにはいかなかった
傷付き、憔悴しきった今のミツに、番の証は残っているのに
「アイツはもうミツを番でも、家族とも思っていない」なんて言えるわけがなかった
もう少し落ち着いてから、元気を取り戻してから、話す予定だった
知らせるタイミングを計っていたこの時に、まさか、今日会うなんて思ってもみなかった...
「本当に、早く手を打たないといけないな...」
家のベッドに寝かせても、過度のストレスから眠り続けるミツに罪悪感が増す
眠りながらも涙を流すミツの頬に優しく触れ
「俺がずっと一緒にいるから」
額にそっとキスをし、静かに部屋を後にした
信じられないことに、自分が俺から奪った番が倒れたというのに、何事もなかったかのように話し掛けてきた
信じられないモノを見る目で見返すと、肩をすくめ
「あぁ、ソレか…俺のお古でいいなら持ってっていいよ。
離婚はとっくに成立しているし、今では大切な番と新しい家族も増えるからな…
ソレの為にわざわざ別邸を置いとく理由もなくなるし」
シゲルの発言に怒りで頭が真っ白になっていく
確かに、調べたらミツとコイツはもう離婚していることになっていた
ミツの知らない間に
ミツは、まだコイツから離れられないと思っているのに
「お前も健気だよなぁ~。俺に好きな子取られたのに、未練がましく付き纏って
最初は返すつもりもなかったけど、俺にはもう希がいるから、ソレは返してやるよ
まぁ、そんな傷モノでいいならだけど、な」
肩を叩かれた瞬間、怒りで目の前が赤くなるも、腕の中で力なく倒れているミツが目の端に止まり踏み止まる
これ以上、この二人をミツに会わせたくないし、気を失っているとはいえ、コイツらの汚い言葉など聞かせたくない
何かまだ色々と言ってるのを全て無視し、ミツを優しく抱き上げて早々に病院を後にする
車の後部座席に横に寝かせ、苦しげに眠るミツの額に自分の額を当てる
「まだ、知らなくてよかったのに…。辛い事を言われてごめんな…
後で、ちゃんと説明してやるから…。今は、今だけでも幸せな夢になればいいのに…」
自分は調査の結果で子どもが出来たことを知っていた
半年前には離婚していることも知っていた
ただ、あの状態のミツに知られるわけにはいかなかった
傷付き、憔悴しきった今のミツに、番の証は残っているのに
「アイツはもうミツを番でも、家族とも思っていない」なんて言えるわけがなかった
もう少し落ち着いてから、元気を取り戻してから、話す予定だった
知らせるタイミングを計っていたこの時に、まさか、今日会うなんて思ってもみなかった...
「本当に、早く手を打たないといけないな...」
家のベッドに寝かせても、過度のストレスから眠り続けるミツに罪悪感が増す
眠りながらも涙を流すミツの頬に優しく触れ
「俺がずっと一緒にいるから」
額にそっとキスをし、静かに部屋を後にした
187
お気に入りに追加
669
あなたにおすすめの小説
【本編完結済】巣作り出来ないΩくん
こうらい ゆあ
BL
発情期事故で初恋の人とは番になれた。番になったはずなのに、彼は僕を愛してはくれない。
悲しくて寂しい日々もある日終わりを告げる。
心も体も壊れた僕を助けてくれたのは、『運命の番』だと言う彼で…

孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

白い部屋で愛を囁いて
氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。
シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。
※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる