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「先週末からみつるさんと連絡がつきません!」
来週には帰れると思っていた矢先、秘書の林田から悲痛な連絡を受けた
彼女自身も取り乱しているのか、「何度連絡しても繋がらない」と涙声で訴えてきた
慌てて出張先から新幹線に飛び乗り、ミツの家を目指して走った
仕事は順調に終わっていた為、残りは部下に任せ自分は一足先に戻っても問題ない
ただ、あの律儀なミツが林田にすら連絡が取れなくなっている状況に嫌な予感がしてならない
頼むから、まだ、まだ…壊れないでくれ…
間に合ってくれ…
緊急事態の時用に秘密裏に作っていた合鍵
アイツが殆ど帰って来ないのを知っていたから、万が一の時を思い作っていた
家に入ると、本来なら感じ取れないはずのミツのΩのフェロモンの匂いが充満していた
苺のような甘酸っぱい、ミツだけのフェロモンの匂い
忘れるはずのない、愛しい香
番を得たΩのフェロモンを、他のαが感じとることは出来ないはずなのに、最近会う度に少しだけ感じるミツの、愛しいと感じるフェロモン
それが、今は部屋のどこからでも感じ取れる
「ミツ、いるのか?」
寝室を軽くノックをするも、返事はない
だが、この部屋からは今いる場所よるもずっと濃厚な匂いがする
αの本能を掻き立てられる甘美な匂い
このΩを自分だけの物にしてしまいたいという欲望
番がいるはずのΩを、本能が奪えというように掻き立ててくる
念の為、先に抑制剤を飲んでいたにも関わらず飲み込まれそうになり、慌てて鞄から抑制剤の入った注射器を腕に打つ
「...はぁ、はぁ...これは、ヤバいな...」
薬が効き、冷静さを取り戻してから寝室の扉を開けた
寝室は荒らされたように物が散乱し、ベッドの周りには大量の抑制剤を飲んだ跡が散らばっている
ミツのフェロモンの匂いにまた頭がクラクラしてくる
ベッドに乱雑に積み上げられた衣類
巣と言うには余りにも無理矢理で、余裕なく作ったのが伺える
巣の中にいるであろうミツを、巣を崩さないようにゆっくり手を差し入れて探す
「ミツ?ミツ?…出て来れるか?」
探り当てた手を握り、優しく問い掛ける
冷え切った手が弱々しくも握り返してくれたことに安堵し、自ら顔を出してくれるのをじっと待った
時間を掛け、巣を崩すように這い出て来たミツを見て、息が止まりそうになった
最後にあの喫茶店で会ったのはたった2ヶ月半前のはずなのに、変わり果てた幼馴染の姿に奥歯を噛み締めて怒りを堪える
虚な目をし、まともに食事をしていなかったのか痩せこけたミツ
ミツの両頬には自分で引っ掻いたのか、皮膚の抉れた傷があり乾ききらない血が流れていた
青白い肌に、流れ出る赤が鮮やか過ぎて、見ている自分の方が顔を背けたくなる
何も身に付けていない身体をよく見ると、腕や脚、背中にも同じような引っ掻き傷や噛み跡を作っており、自傷したのがわかった
瘡蓋が出来ても、何度も引っ掻いたのか、皮膚は抉れて化膿している部分もある
爪も赤黒いものが挟まり、何枚か爪が剥がれて痛々しいことになっていた
「…ッ……」
余りの惨劇に言葉を詰まらせ、拒絶されることも考えずミツを抱きしめる
「なんで、こんなことに...」
愛してやまない、愛しいΩの姿に涙が溢れ落ちる
力なく抱き返してきたことに驚くも、ミツの口から溢れた言葉に絶望を感じる
「お...か、なさ...しげ、るさ...やっ、とかえっ...きた」
掠れた声で泣きながら縋り付くように抱きついてきたミツ
つまり、ずっとこの状況のミツをひとりぼっちにさせて、番であるアイツは戻って来ていないのを示唆していた
普段だけではなく、発情期の時ですら帰って来ない、本当にミツを愛してるのかすらわからない、そんな番の奴と間違われ、今までの我慢が限界に達したのがわかった
ミツの唇に噛み付くような口付けをし、押し倒す
傷だらけの頬を優しく舐め、血を拭うと痛いのか微かに顔を歪めている
「ミツ、辛かったらごめんな」
何度も唇を重ねると、ミツ自身から舌を差し出してくる
「ん…、もっと…もっと、して…」
ミツからの要望に応えているつもりだったが、自分の欲も相まって、夢中になってキスをした
「今は、いっぱいイカせてやるから」
優しく片方の乳首を撫でながら、もう片方を含み、舌先で転がしてやるだけでミツは射精してしまった
どれだけ我慢させられていたのかを思うと可哀想に思う一方、自分の手の中で善がる可愛い子に支配欲が満たされていく
アナルに先程イッた精液をゆっくり塗り付け、指で優しく傷付けないように解していく
簡単に指を呑み込むも、ナカは指を拒むようにギュウギュウと締め付けてくる
「ミツ、大丈夫…優しくするから…」
耳元で囁き、そのまま舐めてやるとピクッと微かに震えるも、身体の力が抜けて気持ち良さそうにしている
「んっ…ぁっ、あっ…」
ゆっくりナカを解すように指を出し入れし、ヒクつくアナルに指を増やして前立腺を撫で上げる
「ふぁっ!あっ、そこっ...きも、ちぃ...もっとぉ、もっと、して...」
素直に快楽に身を委ね、腰を揺らすミツに深くキスをし、前立腺を擦り上げながら中を広げていく
「ミツ、入れたい。入れても、いい?」
切望するようにミツを優しく見詰めていると、先程まで視線が合わなかったミツとしっかり目が合う
来週には帰れると思っていた矢先、秘書の林田から悲痛な連絡を受けた
彼女自身も取り乱しているのか、「何度連絡しても繋がらない」と涙声で訴えてきた
慌てて出張先から新幹線に飛び乗り、ミツの家を目指して走った
仕事は順調に終わっていた為、残りは部下に任せ自分は一足先に戻っても問題ない
ただ、あの律儀なミツが林田にすら連絡が取れなくなっている状況に嫌な予感がしてならない
頼むから、まだ、まだ…壊れないでくれ…
間に合ってくれ…
緊急事態の時用に秘密裏に作っていた合鍵
アイツが殆ど帰って来ないのを知っていたから、万が一の時を思い作っていた
家に入ると、本来なら感じ取れないはずのミツのΩのフェロモンの匂いが充満していた
苺のような甘酸っぱい、ミツだけのフェロモンの匂い
忘れるはずのない、愛しい香
番を得たΩのフェロモンを、他のαが感じとることは出来ないはずなのに、最近会う度に少しだけ感じるミツの、愛しいと感じるフェロモン
それが、今は部屋のどこからでも感じ取れる
「ミツ、いるのか?」
寝室を軽くノックをするも、返事はない
だが、この部屋からは今いる場所よるもずっと濃厚な匂いがする
αの本能を掻き立てられる甘美な匂い
このΩを自分だけの物にしてしまいたいという欲望
番がいるはずのΩを、本能が奪えというように掻き立ててくる
念の為、先に抑制剤を飲んでいたにも関わらず飲み込まれそうになり、慌てて鞄から抑制剤の入った注射器を腕に打つ
「...はぁ、はぁ...これは、ヤバいな...」
薬が効き、冷静さを取り戻してから寝室の扉を開けた
寝室は荒らされたように物が散乱し、ベッドの周りには大量の抑制剤を飲んだ跡が散らばっている
ミツのフェロモンの匂いにまた頭がクラクラしてくる
ベッドに乱雑に積み上げられた衣類
巣と言うには余りにも無理矢理で、余裕なく作ったのが伺える
巣の中にいるであろうミツを、巣を崩さないようにゆっくり手を差し入れて探す
「ミツ?ミツ?…出て来れるか?」
探り当てた手を握り、優しく問い掛ける
冷え切った手が弱々しくも握り返してくれたことに安堵し、自ら顔を出してくれるのをじっと待った
時間を掛け、巣を崩すように這い出て来たミツを見て、息が止まりそうになった
最後にあの喫茶店で会ったのはたった2ヶ月半前のはずなのに、変わり果てた幼馴染の姿に奥歯を噛み締めて怒りを堪える
虚な目をし、まともに食事をしていなかったのか痩せこけたミツ
ミツの両頬には自分で引っ掻いたのか、皮膚の抉れた傷があり乾ききらない血が流れていた
青白い肌に、流れ出る赤が鮮やか過ぎて、見ている自分の方が顔を背けたくなる
何も身に付けていない身体をよく見ると、腕や脚、背中にも同じような引っ掻き傷や噛み跡を作っており、自傷したのがわかった
瘡蓋が出来ても、何度も引っ掻いたのか、皮膚は抉れて化膿している部分もある
爪も赤黒いものが挟まり、何枚か爪が剥がれて痛々しいことになっていた
「…ッ……」
余りの惨劇に言葉を詰まらせ、拒絶されることも考えずミツを抱きしめる
「なんで、こんなことに...」
愛してやまない、愛しいΩの姿に涙が溢れ落ちる
力なく抱き返してきたことに驚くも、ミツの口から溢れた言葉に絶望を感じる
「お...か、なさ...しげ、るさ...やっ、とかえっ...きた」
掠れた声で泣きながら縋り付くように抱きついてきたミツ
つまり、ずっとこの状況のミツをひとりぼっちにさせて、番であるアイツは戻って来ていないのを示唆していた
普段だけではなく、発情期の時ですら帰って来ない、本当にミツを愛してるのかすらわからない、そんな番の奴と間違われ、今までの我慢が限界に達したのがわかった
ミツの唇に噛み付くような口付けをし、押し倒す
傷だらけの頬を優しく舐め、血を拭うと痛いのか微かに顔を歪めている
「ミツ、辛かったらごめんな」
何度も唇を重ねると、ミツ自身から舌を差し出してくる
「ん…、もっと…もっと、して…」
ミツからの要望に応えているつもりだったが、自分の欲も相まって、夢中になってキスをした
「今は、いっぱいイカせてやるから」
優しく片方の乳首を撫でながら、もう片方を含み、舌先で転がしてやるだけでミツは射精してしまった
どれだけ我慢させられていたのかを思うと可哀想に思う一方、自分の手の中で善がる可愛い子に支配欲が満たされていく
アナルに先程イッた精液をゆっくり塗り付け、指で優しく傷付けないように解していく
簡単に指を呑み込むも、ナカは指を拒むようにギュウギュウと締め付けてくる
「ミツ、大丈夫…優しくするから…」
耳元で囁き、そのまま舐めてやるとピクッと微かに震えるも、身体の力が抜けて気持ち良さそうにしている
「んっ…ぁっ、あっ…」
ゆっくりナカを解すように指を出し入れし、ヒクつくアナルに指を増やして前立腺を撫で上げる
「ふぁっ!あっ、そこっ...きも、ちぃ...もっとぉ、もっと、して...」
素直に快楽に身を委ね、腰を揺らすミツに深くキスをし、前立腺を擦り上げながら中を広げていく
「ミツ、入れたい。入れても、いい?」
切望するようにミツを優しく見詰めていると、先程まで視線が合わなかったミツとしっかり目が合う
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