2 / 29
2
しおりを挟む
「2人とも必ず幸せにする」
興奮が冷め止まない彼が提案した事
僕とは離婚はしない
番を得たのに、捨てられたΩがどうなるのかを知っているから…
一応、まだ僕に対して、愛が残っていたから…
運命の彼も、少し不満そうだったけど納得しているようだった
僕は、何も言ってないのに…
僕だけが蚊帳の外で
それでも、話しは進んでいく
僕の気持ちを置いてけぼりにして…
それからすぐに、彼の二重生活は始まった。
最初こそ、僕との生活を一番にしてくれていた
1週間の半分以上を僕の家に帰って来てくれて、一緒に過ごした
変わらない生活のはずなのに、どこか寂しくて…
彼の気持ちが離れていってるんじゃないかって不安だった
「みつるのこと、一番愛してるよ
運命のあの子に出逢っても、この気持ちは変わらない」
いつもの笑顔で
いつもの優しさで
いつもの、温もりに包まれながら
彼の言葉を耳元で聞いた
でも、そんな日々もすぐに変わってしまった
帰って来てくれる日が1日減り
また1日減り
1週間、10日、1ヶ月と…
僕のところに帰って来てくれる日が減っていく
もうどれくらい会ってないだろう...
最初の約束で、「発情期の時は必ず側にいる」って
言ってたのに、それも最初の1回だけ…
2回目は、運命の彼と時期が被っちゃったから…
1日早かった運命の彼が優先されちゃった…
初めて過ごすひとりぼっちの発情期
番が居るはずなのに、その番に助けて貰えない
家中の彼の匂いのするモノを集めても満たされなくて
燃えるような体内の熱を発散出来なくて…
自分の指では、何も満たされなかった
狂いたくなる性欲を必死に堪え
手や足に引っ掻き傷を作ってしまった
運命の彼は、こんな苦しみを知らない
僕の番のはずなのに…
泣き過ぎて声も掠れ、涙も枯れた頃、やっと発情期が終わった
彼が帰って来てくれたのは、初めて1人で過ごした発情期の2日後
体力も気力も、ギリギリになった僕を優しく抱き締めてくれた
彼の匂いに包まれて、やっと安心して眠ることが出来た
「みつる、みつるなら大丈夫みたいだな
愛してる。みつるのこと、ちゃんと愛してるよ」
微睡む僕を腕に抱いて、何度も何度も「愛してる」って言ってくれた
大丈夫、次の発情期は一緒に居てくれるはず
こんな苦しい発情期は、この1回だけ
僕は、ちゃんと耐えれたから…
僕のこと、ちゃんと愛してるって言ってたから…
興奮が冷め止まない彼が提案した事
僕とは離婚はしない
番を得たのに、捨てられたΩがどうなるのかを知っているから…
一応、まだ僕に対して、愛が残っていたから…
運命の彼も、少し不満そうだったけど納得しているようだった
僕は、何も言ってないのに…
僕だけが蚊帳の外で
それでも、話しは進んでいく
僕の気持ちを置いてけぼりにして…
それからすぐに、彼の二重生活は始まった。
最初こそ、僕との生活を一番にしてくれていた
1週間の半分以上を僕の家に帰って来てくれて、一緒に過ごした
変わらない生活のはずなのに、どこか寂しくて…
彼の気持ちが離れていってるんじゃないかって不安だった
「みつるのこと、一番愛してるよ
運命のあの子に出逢っても、この気持ちは変わらない」
いつもの笑顔で
いつもの優しさで
いつもの、温もりに包まれながら
彼の言葉を耳元で聞いた
でも、そんな日々もすぐに変わってしまった
帰って来てくれる日が1日減り
また1日減り
1週間、10日、1ヶ月と…
僕のところに帰って来てくれる日が減っていく
もうどれくらい会ってないだろう...
最初の約束で、「発情期の時は必ず側にいる」って
言ってたのに、それも最初の1回だけ…
2回目は、運命の彼と時期が被っちゃったから…
1日早かった運命の彼が優先されちゃった…
初めて過ごすひとりぼっちの発情期
番が居るはずなのに、その番に助けて貰えない
家中の彼の匂いのするモノを集めても満たされなくて
燃えるような体内の熱を発散出来なくて…
自分の指では、何も満たされなかった
狂いたくなる性欲を必死に堪え
手や足に引っ掻き傷を作ってしまった
運命の彼は、こんな苦しみを知らない
僕の番のはずなのに…
泣き過ぎて声も掠れ、涙も枯れた頃、やっと発情期が終わった
彼が帰って来てくれたのは、初めて1人で過ごした発情期の2日後
体力も気力も、ギリギリになった僕を優しく抱き締めてくれた
彼の匂いに包まれて、やっと安心して眠ることが出来た
「みつる、みつるなら大丈夫みたいだな
愛してる。みつるのこと、ちゃんと愛してるよ」
微睡む僕を腕に抱いて、何度も何度も「愛してる」って言ってくれた
大丈夫、次の発情期は一緒に居てくれるはず
こんな苦しい発情期は、この1回だけ
僕は、ちゃんと耐えれたから…
僕のこと、ちゃんと愛してるって言ってたから…
128
お気に入りに追加
656
あなたにおすすめの小説
孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。
僕の番
結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが――
※他サイトにも掲載
【完結】愛してるから。今日も俺は、お前を忘れたふりをする
葵井瑞貴
BL
『好きだからこそ、いつか手放さなきゃいけない日が来るーー今がその時だ』
騎士団でバディを組むリオンとユーリは、恋人同士。しかし、付き合っていることは周囲に隠している。
平民のリオンは、貴族であるユーリの幸せな結婚と未来を願い、記憶喪失を装って身を引くことを決意する。
しかし、リオンを深く愛するユーリは「何度君に忘れられても、また好きになってもらえるように頑張る」と一途に言いーー。
ほんわか包容力溺愛攻め×トラウマ持ち強気受け
俺はつがいに憎まれている
Q.➽
BL
最愛のベータの恋人がいながら矢崎 衛というアルファと体の関係を持ってしまったオメガ・三村圭(みむら けい)。
それは、出会った瞬間に互いが運命の相手だと本能で嗅ぎ分け、強烈に惹かれ合ってしまったゆえの事だった。
圭は犯してしまった"一夜の過ち"と恋人への罪悪感に悩むが、彼を傷つける事を恐れ、全てを自分の胸の奥に封印する事にし、二度と矢崎とは会わないと決めた。
しかし、一度出会ってしまった運命の番同士を、天は見逃してはくれなかった。
心ならずも逢瀬を繰り返す内、圭はとうとう運命に陥落してしまう。
しかし、その後に待っていたのは最愛の恋人との別れと、番になった矢崎の
『君と出会いさえしなければ…』
という心無い言葉。
実は矢崎も、圭と出会ってしまった事で、最愛の妻との番を解除せざるを得なかったという傷を抱えていた。
※この作品は、『運命だとか、番とか、俺には関係ないけれど』という作品の冒頭に登場する、主人公斗真の元恋人・三村 圭sideのショートストーリーです。
【本編完結済】巣作り出来ないΩくん
ゆあ
BL
発情期事故で初恋の人とは番になれた。番になったはずなのに、彼は僕を愛してはくれない。
悲しくて寂しい日々もある日終わりを告げる。
心も体も壊れた僕を助けてくれたのは、『運命の番』だと言う彼で…
白い部屋で愛を囁いて
氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。
シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。
※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。
夢見がちオメガ姫の理想のアルファ王子
葉薊【ハアザミ】
BL
四方木 聖(よもぎ ひじり)はちょっぴり夢見がちな乙女男子。
幼少の頃は父母のような理想の家庭を築くのが夢だったが、自分が理想のオメガから程遠いと知って断念する。
一方で、かつてはオメガだと信じて疑わなかった幼馴染の嘉瀬 冬治(かせ とうじ)は聖理想のアルファへと成長を遂げていた。
やがて冬治への恋心を自覚する聖だが、理想のオメガからは程遠い自分ではふさわしくないという思い込みに苛まれる。
※ちょっぴりサブカプあり。全てアルファ×オメガです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる