目は口より愛を語る

こうらい ゆあ

文字の大きさ
上 下
7 / 22

7

しおりを挟む
朱鳥あすかは、目元はアイツにそっくりだな」
お父さんは、パパが出て行ってしまったあの日からもっと怖くなった
いつも穏やかで優しかった目が、僕を見る目が気持ち悪いものに変わった
舐める様に足元から見つめられ、触れる手が執拗に下半身を撫でてくる
僕の頬を撫で、鼻から下を手で隠してくる
「そのそばかすを隠せば…マスクをすれば、そっくりだな…」
お父さんの舐め回すような視線から顔を背けたいのに、顎を押さえて固定されてるからどうすることも出来ない
お父さんはこうやって1日に何回も僕の顔を見る
僕を見て、パパのことを思い出していた



中学に上がってから、お父さんは僕の首にチョーカーを着けるよう命令してきた
パパが着けていた細身のチョーカー
お父さんがパパに送った、黒色の細身のチョーカーだった
チョーカーを着けている時は、必ず口元をマスクで隠すことも命じられた

「ほら…これで皐月さつきにそっくりだ。俺の皐月さつき…」

頬擦りしてくるのが気持ち悪い
身体を撫で回す手が気持ち悪い
ワイシャツの裾から手を差し込み、胸を撫でられた瞬間、余りの気持ち悪さに肩を突き飛ばして逃げようとした


「嫌だ!お父さん、やめて!!」


声を出して必死に抵抗したら、頬を思い切り叩かれた
叩かれたコトを瞬時に判断することができなかった
ただ、叩かれた頬が熱くて、お父さんの目が怒っていて怖くて…

「しぃ~…朱鳥あすか、声を出すな。朱鳥あすかは、今日から皐月さつきになるんだ。俺の嫁だった皐月さつきに…
次はαなんかに渡さない。逃げたらお仕置きとして閉じ込めよう…」
耳元で囁かれる声が気持ち悪い
吐息が首筋にかかり、ワイシャツの前を開かれて胸を撫でられる

お父さんの優しかった目が、ギラギラと冷たく僕を睨み付け
朱鳥あすか、お前が全て悪いんだ。お前がお喋りだったせいで、皐月さつきは出て行ったんだから…」
僕の首元に口付けをし、徐々に下に身体をずらして全身を舐められる

気持ち悪くて嫌なのに、抵抗することが出来ない
胸の突起を痛いくらい噛まれたり吸われたり、下着を脱がされるのを拒絶出来ない

恐怖で縮こまっている僕のペニスをおもちゃのように弄って遊ばれ、初めて僕は射精した
誰にも、僕自身でも触ったコトない場所に、お父さんの指が挿ってきて、気持ち悪いのにナカをぐちゃぐちゃにかき混ぜたり、トントンと同じ場所を突かれた
全身に電気でも走ったみたいに、身体がビクビクと震えてしまって、イキたくないのにペニスから白いモノが吐き出される

女の子じゃないのに、僕はΩじゃないのに…
お父さんは僕を抱いた
痛くて、気持ち悪くて、辞めて欲しいのに…

泣いたり、声を出すと、また頬を叩かれた
マスクが息苦しくて外そうとすると叩かれた

イク時も声を出さないように、必死に手で口を押さえて声を殺す
お父さんが僕のナカに精を吐き出すまで、何度も腰を打ち付けてきて、僕はただ、お父さんが満足するまでじっと耐えるしかなかった


僕がパパにあんなことを言ってしまったから、お父さんは壊れてしまった
だから、僕はパパの代わりに身体を差し出すしかない

僕を抱きながら、お父さんは泣いてた

僕はΩじゃないから、自分からは濡れなくて……
お父さんに抱かれる時は自分でナカにジェルを入れて濡らした

声を出すと殴られるから、抱かれてる間も必死に声を殺した
マスクを外すとそばかすが見えて、パパじゃないから叩かれる

朱鳥あすかが余計なことを言ったからだ。皐月さつき、愛している。あんな女より、愛してるんだ…」


お父さんは、僕を抱きながら何度もパパに愛を囁いた
もうこの家には居ないパパ
僕とお父さんを捨てて、運命の番であるαの下に去ったパパ

僕はパパの代わりでしかない
だから、喋っちゃいけない
マスクを外しちゃいけない
お父さんが満足するまで、パパの代わりに何度もお父さんの精をお腹に吐き出される

痛くても、苦しくても、お父さんが喜んでくれるまで、僕はパパの代わりに抱かれるだけ


こうなったのは、僕のせい…
僕が、余計なことを口にしたから…

僕は、喋っちゃいけないから…
僕の声なんて、失くなればいいのに…
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

からかわれていると思ってたら本気だった?!

雨宮里玖
BL
御曹司カリスマ冷静沈着クール美形高校生×貧乏で平凡な高校生 《あらすじ》 ヒカルに告白をされ、まさか俺なんかを好きになるはずないだろと疑いながらも付き合うことにした。 ある日、「あいつ間に受けてやんの」「身の程知らずだな」とヒカルが友人と話しているところを聞いてしまい、やっぱりからかわれていただけだったと知り、ショックを受ける弦。騙された怒りをヒカルにぶつけて、ヒカルに別れを告げる——。 葛葉ヒカル(18)高校三年生。財閥次男。完璧。カリスマ。 弦(18)高校三年生。父子家庭。貧乏。 葛葉一真(20)財閥長男。爽やかイケメン。

戦いが終わった元戦士が毎晩悪夢にうなされて「失敗」するようになる話

こじらせた処女
BL
戦いは終わった。その日の食いぶちを繋ぐことに必死だったこの街にも平和が訪れた。  10歳から戦いに参加していたアルスは戦いが終わった頃には16歳だった。後遺症の影響で肉体労働が出来ない彼は家族から穀潰しだと陰口を叩かれ、逃げるようにして師匠の営む小さな酒場で雇ってもらっている。  目まぐるしく変わっていく街がアルスにとっては少し怖かった。戦いがあった方が家には金が自動的に入るし、たまの帰省も親戚一同で歓迎してくれた。必要とされていたのだ。  しかし、今は違う。左手と左足に軽い麻痺が残った体では水を汲むのでさえ精一杯だし、手先を使う細かい作業もできない。おまけに文字も読めず、計算も出来ない。何も出来ない彼は、師匠のお情けで仕事をもらい、何とか生きている現状。優しい師匠は何も言わない。4件隣の部屋を借り、一人暮らしをさせ、ご飯だって不自由なく食べさせる。小さな店で業務量も少ないのに良すぎる待遇に、アルスはコンプレックスを抱えていた。    前の生活に戻りたい。戦いがあった頃に戻りたい、そう薄らぼんやり考えるようになった時、彼は毎晩悪夢にうなされるようになる。しばらくしていなかった夜の「失敗」も毎晩のようにしてしまい、どんどん劣等感が募っていき…?

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

禁断の祈祷室

土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。 アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。 それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。 救済のために神は神官を抱くのか。 それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。 神×神官の許された神秘的な夜の話。 ※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。

処理中です...