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第3章
片桐
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「その片桐さんが、どうかしたの?」
クラスメイトは、俺に尋ねた。
「ああ、えっと」
急に話しかけられてびっくりした俺は、しどろもどろになりながらも説明した。
「最近、よく遭遇するんだよ。屋上やら空き教室やらで。その、色んな女子生徒と一緒に」
「ああ……」
クラスメイトは、何かを察したような顔をする。
「片桐さん、かなりチャラいから」
「その人のこと、知ってるの? アキラちゃん」
阿賀はクラスメイト――アキラちゃんに質問する。
「うーん。別に知っているというか、喋ったことはない。もちろん。だけど、噂はよく耳にするの」
アキラちゃんは、一緒に弁当を食べていた子たちに視線を向ける。
彼女たちも、困ったような顔で頷いていた。
「噂って?」
「さっき、その、大神君が言ってたのと同じだよ。色んな女子生徒をとっかえひっかえしているっていうの」
「私はそれ、見たことある」
他の女子も言った。
「放課後に置き傘取りに行こうと思ったら、隣のクラスでなんか揉めてて……。なんの話をしてたのかわかんないけど、片桐さんが隣のクラスの女子2人に胸倉掴まれてたのは見えた」
「私は、女子生徒と2人で保健室から出て行くところを」
なるほど。
俺の目撃情報も含め、その噂はかなり信ぴょう性があるらしい。
「気をつけた方が良いよ、穂波は特に」
アキラちゃんは、阿賀に忠告した。
「片桐さんって、めちゃくちゃ面食いらしいから。穂波なんか、絶対に狙われてると思う」
「確かに。あの人、手が早いって聞くし」
クラスメイトは、俺に尋ねた。
「ああ、えっと」
急に話しかけられてびっくりした俺は、しどろもどろになりながらも説明した。
「最近、よく遭遇するんだよ。屋上やら空き教室やらで。その、色んな女子生徒と一緒に」
「ああ……」
クラスメイトは、何かを察したような顔をする。
「片桐さん、かなりチャラいから」
「その人のこと、知ってるの? アキラちゃん」
阿賀はクラスメイト――アキラちゃんに質問する。
「うーん。別に知っているというか、喋ったことはない。もちろん。だけど、噂はよく耳にするの」
アキラちゃんは、一緒に弁当を食べていた子たちに視線を向ける。
彼女たちも、困ったような顔で頷いていた。
「噂って?」
「さっき、その、大神君が言ってたのと同じだよ。色んな女子生徒をとっかえひっかえしているっていうの」
「私はそれ、見たことある」
他の女子も言った。
「放課後に置き傘取りに行こうと思ったら、隣のクラスでなんか揉めてて……。なんの話をしてたのかわかんないけど、片桐さんが隣のクラスの女子2人に胸倉掴まれてたのは見えた」
「私は、女子生徒と2人で保健室から出て行くところを」
なるほど。
俺の目撃情報も含め、その噂はかなり信ぴょう性があるらしい。
「気をつけた方が良いよ、穂波は特に」
アキラちゃんは、阿賀に忠告した。
「片桐さんって、めちゃくちゃ面食いらしいから。穂波なんか、絶対に狙われてると思う」
「確かに。あの人、手が早いって聞くし」
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