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第4章
掃除中
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「終、わった……」
大きく伸びをする。
身体がガチガチに固まっている。
集中しようと思えば集中できるもので、終わらせて休憩しようと、とりあえず誰かに声をかけてお茶でも飲むか、なんて立ち上がると、
「あ、高木さん。そっちもやっといて」
憎き悪魔、冬馬さんがそんなことを言ってきたのだ。
指し示す方向はトイレ。
「タイルの隙間に詰まってるかもしれないから、それ取っておいて」
それというのは埃のことだろう。
冬馬さんは既に掃除し終わったようで、一人で外へ出かける準備をしている。
「……冬馬さんはどこへ出かけるんですか?」
無感情の声に、おののきつつも答える。
「え? あ、ああ。外に置いてある荷物を取り「代わってくれませんか?」
頼むから代わって欲しい。
私の辛さ、あなたにはわかるでしょ?
「それは無理だな」
「はあ?」
思わずキレる。
冬馬さんを睨みつけた。
「重たいダンボール箱が何個もあるんだ。高木さんには持てない」
「はあ?」
なんであんたにそんなことがわかるのよ?
「だから、私にこまっかい仕事させてんですか!? 私が非力だって決めつけて、自分だけ違う仕事しようと? もしかして、休憩ですか? 自分だけ楽なことしようとしてるんですか?」
「い、いや……。別にそういうわけじゃ」
目が泳いでいる。
じゃあどういう意味なんだよ。
「冬馬さん、埃取りやったこと、あります?」
「いや」
「めっちゃくちゃ腰痛いんですよ。同じ場所しか見つめてないから目も痛いし」
「……でも、明らかに俺の方が疲れ「知るか!」
怒涛の畳み掛けを始める。
「本当に痛いんです。わかりますか!? 私、まだ二十代ですよ。頭痛・生理痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関「わかったわかった! ロキソニンの効能の話はもういいから!」
降参というように両手を上げ、
「いいよ。行ってこいよ。その代わり、文句は言うなよ」
言いませんよ。
多分、あっちの方が遥かに楽です。
だって、違うこと出来るんだもん。
少なくとも、気分転換になれるはず。
「ありがとうございます!」
そう言って、私は冬馬さんに爪楊枝を渡した。
大きく伸びをする。
身体がガチガチに固まっている。
集中しようと思えば集中できるもので、終わらせて休憩しようと、とりあえず誰かに声をかけてお茶でも飲むか、なんて立ち上がると、
「あ、高木さん。そっちもやっといて」
憎き悪魔、冬馬さんがそんなことを言ってきたのだ。
指し示す方向はトイレ。
「タイルの隙間に詰まってるかもしれないから、それ取っておいて」
それというのは埃のことだろう。
冬馬さんは既に掃除し終わったようで、一人で外へ出かける準備をしている。
「……冬馬さんはどこへ出かけるんですか?」
無感情の声に、おののきつつも答える。
「え? あ、ああ。外に置いてある荷物を取り「代わってくれませんか?」
頼むから代わって欲しい。
私の辛さ、あなたにはわかるでしょ?
「それは無理だな」
「はあ?」
思わずキレる。
冬馬さんを睨みつけた。
「重たいダンボール箱が何個もあるんだ。高木さんには持てない」
「はあ?」
なんであんたにそんなことがわかるのよ?
「だから、私にこまっかい仕事させてんですか!? 私が非力だって決めつけて、自分だけ違う仕事しようと? もしかして、休憩ですか? 自分だけ楽なことしようとしてるんですか?」
「い、いや……。別にそういうわけじゃ」
目が泳いでいる。
じゃあどういう意味なんだよ。
「冬馬さん、埃取りやったこと、あります?」
「いや」
「めっちゃくちゃ腰痛いんですよ。同じ場所しか見つめてないから目も痛いし」
「……でも、明らかに俺の方が疲れ「知るか!」
怒涛の畳み掛けを始める。
「本当に痛いんです。わかりますか!? 私、まだ二十代ですよ。頭痛・生理痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関「わかったわかった! ロキソニンの効能の話はもういいから!」
降参というように両手を上げ、
「いいよ。行ってこいよ。その代わり、文句は言うなよ」
言いませんよ。
多分、あっちの方が遥かに楽です。
だって、違うこと出来るんだもん。
少なくとも、気分転換になれるはず。
「ありがとうございます!」
そう言って、私は冬馬さんに爪楊枝を渡した。
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