2 / 18
第1章
転生
しおりを挟む
最悪だ。
私は内心、頭を抱えた。
目の前には、いたいけな少年。
無表情なのが気になるが、素材としてはかなり良い。
きっと将来、すごく綺麗な顔立ちになるんだろう。
そんな顔をしている。
しかし、その美少年が婚約者候補だと言われてテンションが上がるほど私は余裕ではなかった。
私はこの少年ーーマクシミリアン第一王子殿下を目の前にして、全て思い出してしまったのだ。
そう、私には前世があることをーー。
前世の私は、至って普通の女子高生だった。
普通の家庭に生まれ、普通に育ち、普通の成績と普通の運動能力で普通の学校に通っていた。
好きなものはアニメや漫画で、同じくオタクの友達と一緒によくその話で盛り上がっていた。
その年には、特別好きなものがあった。
それが、乙女ゲームである。
乙女ゲームとは、恋愛シミュレーションゲームで、主人公になりきってイケメンの攻略対象たちと恋愛をするというゲームだ。
その中でも特に好きだったゲーム。
そのゲームで、目の前のマクシミリアン殿下が登場するということに、私は気づいてしまった。
この場面ーー私とマクシミリアン殿下が初めて顔を合わせたこの瞬間は、しっかりとストーリーに組み込まれていた。
マクシミリアン殿下はゲームの隠し攻略対象で、すべての攻略ルートをクリアした者にしか楽しめないルートだった。
私は一番彼がお気に入りだったのだけど。
しかし、話はそれだけで終わりではない。
公爵令嬢ハリエットは、このゲームの中では悪役令嬢という立場だった。
散々幼い殿下を虐め、学園では主人公を虐めるという最低人間。
最終的に主人公とその相手によって、それなりの罰を受ける結末が訪れるのだが。
私はその、悪役令嬢ハリエットに転生してしまったのだ。
私は内心、頭を抱えた。
目の前には、いたいけな少年。
無表情なのが気になるが、素材としてはかなり良い。
きっと将来、すごく綺麗な顔立ちになるんだろう。
そんな顔をしている。
しかし、その美少年が婚約者候補だと言われてテンションが上がるほど私は余裕ではなかった。
私はこの少年ーーマクシミリアン第一王子殿下を目の前にして、全て思い出してしまったのだ。
そう、私には前世があることをーー。
前世の私は、至って普通の女子高生だった。
普通の家庭に生まれ、普通に育ち、普通の成績と普通の運動能力で普通の学校に通っていた。
好きなものはアニメや漫画で、同じくオタクの友達と一緒によくその話で盛り上がっていた。
その年には、特別好きなものがあった。
それが、乙女ゲームである。
乙女ゲームとは、恋愛シミュレーションゲームで、主人公になりきってイケメンの攻略対象たちと恋愛をするというゲームだ。
その中でも特に好きだったゲーム。
そのゲームで、目の前のマクシミリアン殿下が登場するということに、私は気づいてしまった。
この場面ーー私とマクシミリアン殿下が初めて顔を合わせたこの瞬間は、しっかりとストーリーに組み込まれていた。
マクシミリアン殿下はゲームの隠し攻略対象で、すべての攻略ルートをクリアした者にしか楽しめないルートだった。
私は一番彼がお気に入りだったのだけど。
しかし、話はそれだけで終わりではない。
公爵令嬢ハリエットは、このゲームの中では悪役令嬢という立場だった。
散々幼い殿下を虐め、学園では主人公を虐めるという最低人間。
最終的に主人公とその相手によって、それなりの罰を受ける結末が訪れるのだが。
私はその、悪役令嬢ハリエットに転生してしまったのだ。
1
お気に入りに追加
1,118
あなたにおすすめの小説
殺されたくない転生悪女は、ヤンデレ婚約者と婚約を破棄したい!!
夕立悠理
恋愛
楽しみにしていた魔法学園の入学式で、私は前世の記憶を思い出した。前世の記憶によると、ここは乙女ゲームの世界で、私はヤンデレな攻略対象者たちから様々な方法で殺される悪役令嬢だった! って、殺されるとか無理だから! 婚約者にベタ惚れで、イエスマンな私は今日でやめます!! そして婚約破棄を目指します!! でも、あれ? なんだか、婚約者が私を溺愛してくるんですが……?
※カクヨム様小説家になろう様でも連載しています
完 さぁ、悪役令嬢のお役目の時間よ。
水鳥楓椛
恋愛
わたくし、エリザベート・ラ・ツェリーナは今日愛しの婚約者である王太子レオンハルト・フォン・アイゼンハーツに婚約破棄をされる。
なんでそんなことが分かるかって?
それはわたくしに前世の記憶があるから。
婚約破棄されるって分かっているならば逃げればいいって思うでしょう?
でも、わたくしは愛しの婚約者さまの役に立ちたい。
だから、どんなに惨めなめに遭うとしても、わたくしは彼の前に立つ。
さぁ、悪役令嬢のお役目の時間よ。
死んだはずの悪役聖女はなぜか逆行し、ヤンデレた周囲から溺愛されてます!
夕立悠理
恋愛
10歳の時、ロイゼ・グランヴェールはここは乙女ゲームの世界で、自分は悪役聖女だと思い出した。そんなロイゼは、悪役聖女らしく、周囲にトラウマを植え付け、何者かに鈍器で殴られ、シナリオ通り、死んだ……はずだった。
しかし、目を覚ますと、ロイゼは10歳の姿になっており、さらには周囲の攻略対象者たちが、みんなヤンデレ化してしまっているようで――……。
婚約者がいるのに他の女性といちゃつくのはどうかと思いますが……。
四季
恋愛
領地持ちとしてそこそこ長い歴史を持つベベル家の娘イレイナ・ベベルは、新興領地持ちであるババラ家の息子セイン・ババラと婚約することとなった。ババラ家から頼まれてのことだった。
しかしセインは同じ新興領地持ちの家の娘ミレニア・メメルと親しくなっていて……。
私と運命の番との物語
星屑
恋愛
サーフィリア・ルナ・アイラックは前世の記憶を思い出した。だが、彼女が転生したのは乙女ゲームの悪役令嬢だった。しかもその悪役令嬢、ヒロインがどのルートを選んでも邪竜に殺されるという、破滅エンドしかない。
ーなんで死ぬ運命しかないの⁉︎どうしてタイプでも好きでもない王太子と婚約しなくてはならないの⁉︎誰か私の破滅エンドを打ち破るくらいの運命の人はいないの⁉︎ー
破滅エンドを回避し、永遠の愛を手に入れる。
前世では恋をしたことがなく、物語のような永遠の愛に憧れていた。
そんな彼女と恋をした人はまさかの……⁉︎
そんな2人がイチャイチャラブラブする物語。
*「私と運命の番との物語」の改稿版です。
サイデュームの宝石 転生したら悪役令嬢でした
みゅー
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった人達のお話です。
せつない話を書きたくて書きました。
以前かいた短編をまとめた短編集です。
更に続きの番外編をこちらで連載中です。
ルビーの憂鬱で出てくるパイロープ王国の国王は『断罪される前に婚約破棄しようとしたら、手籠にされました』の王太子殿下です。
乙女ゲームのヒロインに転生したらしいんですが、興味ないのでお断りです。
水無瀬流那
恋愛
大好きな乙女ゲーム「Love&magic」のヒロイン、ミカエル・フィレネーゼ。
彼女はご令嬢の婚約者を奪い、挙句の果てには手に入れた男の元々の婚約者であるご令嬢に自分が嫌がらせされたと言って悪役令嬢に仕立て上げ追放したり処刑したりしてしまう、ある意味悪役令嬢なヒロインなのです。そして私はそのミカエルに転生してしまったようなのです。
こんな悪役令嬢まがいのヒロインにはなりたくない! そして作中のモブである推しと共に平穏に生きたいのです。攻略対象の婚約者なんぞに興味はないので、とりあえず攻略対象を避けてシナリオの運命から逃げようかと思います!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる