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第4章

誕生日会②

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 誕生日会は、正直退屈だった。


 隣国の代表として挨拶を述べ、目録を読んで国王陛下並びに今回の主役であるルーカスに渡したあと、することもなく、私はずっと椅子に座ったままだった。


 隣国の王女たる私が、同い年くらいの子どもたちと同じように無邪気にはしゃぐわけにもいかない。


 隣国の国王夫妻を見ていると、それくらい子どもっぽい方が、良い具合なパフォーマンスになることはわかっていたけれど。


 でも、兄がそれを求めているかと言えば、そうではない。


 地下書庫の件もあり、私はあまり国王を刺激したくはない。


 だからせいぜいにこやかに、いかにも誕生日会を心から楽しんでいるような表情で、ただずっと椅子に座っているしかなかった。


 隣にいるルーカスは、主役らしい堂々とした顔で、次々に挨拶に来る大人たちの相手をしていた。


 もう一方のクリストファー王子も、最初は王子らしく神妙な面持ちでじっと椅子に座っていたけれど。

 仲が良いらしい貴族の子息たちが現れると、とうとう我慢出来ずに椅子から飛び降り、そちらへ駆けていった。


 私と接するときは大人びた印象を受けていたが、本当はちゃんと、年相応の子どもだった。


 まだ10にも満たない子どもなんだからら当然だろう。


 友人たちと楽しげに会話する無邪気な彼の顔が、目に眩しい。


 未だかつて、私の3回の人生の中で、あんなふうに友達と笑って過ごせることなんてあっただろうか。


 


 
 
 
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