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第4章
丘①
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白馬の丘は、城から大体馬車で数十分ほどの場所にあった。
「城に戻ってから」
クリストファーは言う。
「我らの父上の部屋にご案内しましょう」
「良いのですか?」
私は少し目を見開く。
「勝手にそんな約束などなさっても」
彼が案内すると言った場所は、国王の部屋だ。
国のトップのプライベートな空間に、勝手に足を踏み入れても問題はないのだろうか。
「ええ、大丈夫ですよ。もちろん」
クリストファー王子は、ふわっと笑った。
「父上も快く了承してくださるはずです――我が城は白馬の丘のあとに作られた建造物なんですよ。国王の部屋から白馬の丘の全貌が眺められるように、緻密に計算して建てられました。遠くから見る白馬の丘も、また素晴らしいものなんですよ」
「そういうことなら、ぜひ」
その間も、ルーカスは目を瞑ったままで、会話に参加することはなかった。
白馬の丘に到着した。
まず馬車を降りたのは、扉から近いルーカスだった。
その次にクリストファーが降りる。
私が最後に馬車を降りようと扉の角に手をかけると、すっと手を差し伸べたのはルーカス。
「降りられるか?」
私はすぐに拒否しようとしたが、あいにく馬車の乗り込み口と地面にはかなりの距離がある。
7歳の私が下車しようとすると、飛び降りる必要があった。
さすがに王女がそんなことをするわけにもいかず、
「……ありがとうございます」
と、私はしぶしぶその手を取る。
それを見て、満足そうにクリストファーは微笑んだ。
「城に戻ってから」
クリストファーは言う。
「我らの父上の部屋にご案内しましょう」
「良いのですか?」
私は少し目を見開く。
「勝手にそんな約束などなさっても」
彼が案内すると言った場所は、国王の部屋だ。
国のトップのプライベートな空間に、勝手に足を踏み入れても問題はないのだろうか。
「ええ、大丈夫ですよ。もちろん」
クリストファー王子は、ふわっと笑った。
「父上も快く了承してくださるはずです――我が城は白馬の丘のあとに作られた建造物なんですよ。国王の部屋から白馬の丘の全貌が眺められるように、緻密に計算して建てられました。遠くから見る白馬の丘も、また素晴らしいものなんですよ」
「そういうことなら、ぜひ」
その間も、ルーカスは目を瞑ったままで、会話に参加することはなかった。
白馬の丘に到着した。
まず馬車を降りたのは、扉から近いルーカスだった。
その次にクリストファーが降りる。
私が最後に馬車を降りようと扉の角に手をかけると、すっと手を差し伸べたのはルーカス。
「降りられるか?」
私はすぐに拒否しようとしたが、あいにく馬車の乗り込み口と地面にはかなりの距離がある。
7歳の私が下車しようとすると、飛び降りる必要があった。
さすがに王女がそんなことをするわけにもいかず、
「……ありがとうございます」
と、私はしぶしぶその手を取る。
それを見て、満足そうにクリストファーは微笑んだ。
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