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第5章
図書館
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私は早速、アーロ司書のいる図書館を訪れた。
――が。
「どうしているのよ」
「別に、いたって良いだろ」
私が図書館に入ると、既にウル殿下が仏頂面で待機していた。
私たちの話を聞いていたのか、かなり不機嫌そうだ。
「それともなんだ? 男と女2人きりで、婚約者の俺に聞かれてはいけない話でもするつもりだったのか?」
「別にそういうわけじゃ……ないとは思うんだけど」
なんでこの男、そんなに機嫌が悪いんだと、ハラハラしながら私はアーロ司書に視線を送る。
しかしアーロ司書は、なぜか楽しそうにくすくすと笑っていた。
「良かったですね、王女」
「何がです?」
「深い意味はないのですが……。随分と幸せそうに見えましたので」
「? どういうこと?」
私は首を傾げた。
今の会話の、一体どういう点が幸せそうに見えたのだろうか。
アーロ司書は時々話が飛躍するから、私には全然理解出来ないことがある。
「……それより」
殿下が話を遮った。
「マーガレットに関しての、何か重要な話があるんだろ? 早急に話してくれ」
「ああ、そうでしたね。失礼いたしました」
「じゃあ、俺は向こうに行ってる――いいか。くれぐれも、マーガレットにおかしな真似をするんじゃねぇぞ」
と、私たちから離れようとした殿下を、アーロ司書が呼び止めた。
「殿下も、お話を聞いていってください」
「「えっ」」
私たち2人は同時に声をあげた。
「良いの? 大事な話なんじゃ」
「ええ、はい。だからこそこの件は、殿下のお耳に入れておく必要があるでしょうから」
では、と、咳ばらいをした司書が語り始めた。
「王女をお呼びしたのは、王女の出生の件についてです。王族であるあなたが、一体どうして魔力なしの忌み子として生まれたのか。私たち研究者の見解をお話ししておこうかと思いまして」
――が。
「どうしているのよ」
「別に、いたって良いだろ」
私が図書館に入ると、既にウル殿下が仏頂面で待機していた。
私たちの話を聞いていたのか、かなり不機嫌そうだ。
「それともなんだ? 男と女2人きりで、婚約者の俺に聞かれてはいけない話でもするつもりだったのか?」
「別にそういうわけじゃ……ないとは思うんだけど」
なんでこの男、そんなに機嫌が悪いんだと、ハラハラしながら私はアーロ司書に視線を送る。
しかしアーロ司書は、なぜか楽しそうにくすくすと笑っていた。
「良かったですね、王女」
「何がです?」
「深い意味はないのですが……。随分と幸せそうに見えましたので」
「? どういうこと?」
私は首を傾げた。
今の会話の、一体どういう点が幸せそうに見えたのだろうか。
アーロ司書は時々話が飛躍するから、私には全然理解出来ないことがある。
「……それより」
殿下が話を遮った。
「マーガレットに関しての、何か重要な話があるんだろ? 早急に話してくれ」
「ああ、そうでしたね。失礼いたしました」
「じゃあ、俺は向こうに行ってる――いいか。くれぐれも、マーガレットにおかしな真似をするんじゃねぇぞ」
と、私たちから離れようとした殿下を、アーロ司書が呼び止めた。
「殿下も、お話を聞いていってください」
「「えっ」」
私たち2人は同時に声をあげた。
「良いの? 大事な話なんじゃ」
「ええ、はい。だからこそこの件は、殿下のお耳に入れておく必要があるでしょうから」
では、と、咳ばらいをした司書が語り始めた。
「王女をお呼びしたのは、王女の出生の件についてです。王族であるあなたが、一体どうして魔力なしの忌み子として生まれたのか。私たち研究者の見解をお話ししておこうかと思いまして」
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