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第1章
帰宅
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私は保健室の先生に荷物を手渡され、そのまま帰宅することになった。
すっかり元気になった身体は、しっかりとした足取りで家に向かっている。
今の状態だと授業受けられるだろうし、早退に若干罪悪感はあるけど。
多分今また学校に戻っても、さっきみたいに過呼吸になると思う。
そう確信している。
どうしようかなあ。
こんな状況だと、明日学校行ってもまともに授業受けられるかどうかわかんないなあ。
担任はあれだし。
友達だってきっとまたお母さんとお父さんの話をしようとするし。
近所の人たちも同じこと言うし。
こんな状況で、私まともに卒業できるのかな?
まさか自分がここまでショックを受けているとは思っていなかった。
もちろんお母さんとお父さんが死んで、悲しい。
だけど、落ち着けば学校にだって通えると考えていた。
それで、新しくバイトを始めて稼いで大学費用を集めて勉強して――。
でも今日行って思った。
私、無理だ。
駄目だ。
出来ない。
学校さえ通えない。
今日お母さんの代わりに作ったお弁当は、真っ黒に焦げてしまった。
仕方なくコンビニで安いパサパサのパンを買って、学校に持って行った。
でも学校で鞄の中身を確認したら、買ったパンがつぶれて、中からクリームが出てきていた。
洗濯も出来ない。
掃除も出来ない。
何もできない。
お父さんとお母さんがいないと、私なんにも出来ない。
だって子どもだから。
悔しいけど、ご近所さんやあの担任が言うように、私はまだ子どもだ。
だから急に船から海に投げ出されて、めちゃくちゃ困惑してる。
悲しいし、辛い。
それに付け加えて、めちゃくちゃ怖い。
1人で生きていくのが。
誰も私を見てくれないのが。
誰もいない家に帰るのがなんとなく嫌で、私は通学路からそれてほかの道を使う。
ご近所さんにも会いたくない。
会ってもし、葬式のときと同じことを言われたら、私あの人たち多分ぶん殴ってる。
知らない道でプラプラとしばらく歩き、やがて足も疲れてきたので帰ろうとまた通学路に戻ってくると、道の右隣の公園から、子どもたちの騒ぎ声が聞こえてきた。
結構うるさい。
しかも、声が刺々しい。
まるで、誰かを虐めているみたいなーー。
私は少し嫌な予感がして、その公園に足を踏み入れた。
すっかり元気になった身体は、しっかりとした足取りで家に向かっている。
今の状態だと授業受けられるだろうし、早退に若干罪悪感はあるけど。
多分今また学校に戻っても、さっきみたいに過呼吸になると思う。
そう確信している。
どうしようかなあ。
こんな状況だと、明日学校行ってもまともに授業受けられるかどうかわかんないなあ。
担任はあれだし。
友達だってきっとまたお母さんとお父さんの話をしようとするし。
近所の人たちも同じこと言うし。
こんな状況で、私まともに卒業できるのかな?
まさか自分がここまでショックを受けているとは思っていなかった。
もちろんお母さんとお父さんが死んで、悲しい。
だけど、落ち着けば学校にだって通えると考えていた。
それで、新しくバイトを始めて稼いで大学費用を集めて勉強して――。
でも今日行って思った。
私、無理だ。
駄目だ。
出来ない。
学校さえ通えない。
今日お母さんの代わりに作ったお弁当は、真っ黒に焦げてしまった。
仕方なくコンビニで安いパサパサのパンを買って、学校に持って行った。
でも学校で鞄の中身を確認したら、買ったパンがつぶれて、中からクリームが出てきていた。
洗濯も出来ない。
掃除も出来ない。
何もできない。
お父さんとお母さんがいないと、私なんにも出来ない。
だって子どもだから。
悔しいけど、ご近所さんやあの担任が言うように、私はまだ子どもだ。
だから急に船から海に投げ出されて、めちゃくちゃ困惑してる。
悲しいし、辛い。
それに付け加えて、めちゃくちゃ怖い。
1人で生きていくのが。
誰も私を見てくれないのが。
誰もいない家に帰るのがなんとなく嫌で、私は通学路からそれてほかの道を使う。
ご近所さんにも会いたくない。
会ってもし、葬式のときと同じことを言われたら、私あの人たち多分ぶん殴ってる。
知らない道でプラプラとしばらく歩き、やがて足も疲れてきたので帰ろうとまた通学路に戻ってくると、道の右隣の公園から、子どもたちの騒ぎ声が聞こえてきた。
結構うるさい。
しかも、声が刺々しい。
まるで、誰かを虐めているみたいなーー。
私は少し嫌な予感がして、その公園に足を踏み入れた。
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