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それから約1ヶ月、次の満月まであと1週間程度となった時、ダズはソフィアの夜の街を歩いていた。
フードを深く被り、目元を隠して。
特段、民衆が彼を気にかけることはない、満月の夜でなければ、ダズたち狼人間もただの市民と変わりないのだ。
夜だと言うのに街道に溢れんばかりの人混みに紛れ、その流れに身を任せる。
そうしてたどり着いたのは「みかづき」という暖簾を掲げた屋台。
ダズはこの人混みの中空席の見える屋台で数名いる客と距離をとって着席した。
「おっちゃん、ラーメン頼むわ」
「おう、ダズじゃねぇか、ラーメン一丁ね」
「みかづき」の店主は笑えば皺と変わらないような細い目の老人で、多少の貫禄がある。
麺を湯に入れて、店主がダズに話しかける。
「ここのとこどうだい、調子は」
「いつもどおりだよ、最悪さ」
「へへっ、だろうな」
固めに茹でた麺をあげ、丼に盛り付ける。
「カッセルのことは残念だよ、だがもう忘れな」
「忘れたさ、何度も」
「同族が死んでいくのを嫌ってほど見た、それは俺たちにとっちゃぁ、全部同じだよ、親友だろうが恋人だろうが、明日は我が身さ」
ドンッとダズの前に丼が置かれる。
「お前に恋人がいたことがあるかよ、弱虫ダズ」
「へっ、違いねぇや」
と自分を鼻で笑いながら割り箸を割り、「いただきます」とラーメンを啜る。
ちなみにあっさりめの豚骨醤油だ。
「やっぱおっちゃんのラーメンはうめぇや、あんま売れてねぇけど」
横目で見れば、ダズどころか屋台にすら目もくれない民衆。
「ラーメンなんて昼食えばいい、夜の人間にゃ、ラーメン食う暇もねぇのさ」
ソフィアは昼と夜で街の形相が一変する。
昼はどこも閑散とした普通の街。
夜は行商が生きがい、昼間仕事に明け暮れていた人間も夜ははしゃぎ出す。
裏には摩天楼に住まう市長がばらまいた薬がある。
この街の付近でしか取れない貴重な花を原料にした薬には疲労を回復し、テンションを高めてくれる効果があり、さらには、1ヶ月に1回の睡眠で充分というスグレモノ。
これにより、ソフィアは眠らない街と呼ばれるようになった。
民衆は屋台のラーメンなんてそっちのけで遊びに明け暮れる。
ダズがはしゃぐ人混みを眺めていると向かいの道端に少女が1人、うずくまっているのが見えた。
眠らない街といえど、夜に子供1人というのはおかしなことだった。
それに少し汚れ、ずっと座り込んでいる。
「おっちゃん、あの子は?」
「あ~、薄暮れからずっといるな、捨てられたのか」
ダズは箸を置き、人混みを飛び込んでいく
「おい、やめとけって、俺たちが人助けか?」
「見てられねぇよ」
「弱虫が、お人好しになりやがったってか?」
ダズは人混みをかき分けて対岸までたどり着く。
屈んで、少女に話しかけた。
「嬢ちゃん、こんなとこに1人で座ってたら狼人間に食われちまうぜ」
少女は顔を上げ光のない瞳でダズを見つめる。
「お兄さんは、狼さん?」
「そうだと言ったら、どうするんだ?」
「わたし、を、わたしを、食べて欲しいの」
「はぁ?」
少女の予想外の一言に思わず首を傾げてしまう。
「お願い……、食べて」
「なんで食べて欲しいんだ?」
「もう、お家に帰りたくないの、狼さんに食べられたら、もうお家帰らなくていいから」
「家出かぁ?」
「あのなぁ、食べられるってそんないいもんじゃねぇぞ、何人か食われたやつを見た事あるけどすっごい痛いんだぜ、あぁ、痛そうだったな」
確か……と思い出すように天を仰ぐダズ。
「痛いの、?」
「あぁ、痛いの嫌だろ?」
「……うん」
「こんなとこでうずくまってないで、ちょっとこっちこいよ、何にも食ってないだろ? いいもん食わしてやるから」
少女の手を握って立たせ、また人混みに戻ろうとすると少女はその華奢な体で必死の抵抗をした。
「嫌っ、嫌!」
「嫌って、別に食ったりしねぇよ」
「嫌だ、お家帰りたくない!」
その言葉を聞いてダズは少女の体を引く力を弱めた。
そんなに嫌なのか?
「お前、家でなにがあったんだ?」
少女は立ったまま泣き始める。
「おとうさんがね、わたしを叩くの、お母さんもこんな子産んだおぼえはないって言うの」
えんえんと泣きながらゆっくりと話す少女。
ダズは唖然とし、同時に微かな怒りを覚えた。
よく見れば、少女の体は汚れ、痣がいくつもあり、やせ細っている。
虐待の痕跡。
『ダズ、愛してる』
そんな少女を見て、ダズは両親の記憶がフラッシュバックする。
『たとえどんな運命の元に生まれようとも、あなたは私たちの子、私たちの精一杯の愛でどんな時だって守ってみせる』
父は一族1番の英傑、母は誰もが尊むやさしさの持ち主。
そんな2人に愛され、守られ、ダズはいつしか『弱虫』なんて言われるようになった。
父はあんなにも勇敢なのに、母はあんなにも慈愛に溢れているのに。
そんな2人も10年前に逝ってしまった。
ダズに憎悪と復讐の精神を残して。
懐かしさも感じながら、2人から受け取った愛に当てられ、この少女の両親に怒っている。
全くの赤の他人に激怒している。
「家にはいかねぇ、な、だから安心しろ」
泣きわめく少女を胸に抱きしめて頭を撫でてやる。
辛いことがあった時、母さんはこうやって慰めてくれた。
「しばらくは守ってやるから、俺といろ、な?」
いじめられた時、父さんは俺を庇って牙を剥いた。
なぜこんなちっぽけな少女にここまで気をかけているのだろうか、なんてダズは思うことすらしなかった。
ダズは運命を信じる。
こうして狼人間として生まれ、ソフィアの民衆の悪となることも、どれだけ仲の良かった友が目の前で尽き果てることも。
今、この目の前の少女と出会い、彼女の内情を知ってしまったことも、運命の導きなのだ。
抱かれて安心したのか、泣き止んだ少女の手を握り人の激流へと身を投じる。
最中、ギュッと手を握り返してくる少女を流されまいと自身に近づけて肩を包み込んだ。
「みかづき」にたどり着くと店主のおっちゃんは呆れた顔をしていた。
「なんだ、俺らが人助けか?」
「悪いかよ」
「あんまり、情を入れるなよ」
「わかってるよ、おっちゃん、こいつにもラーメン頼むわ」
仕方ねぇなんて小言を言いながらも麺を茹で、いつもより1枚多くチャーシューを入れるおっちゃん。
狼人間だなんて恐れられているが、ダズ達は元来優しい人間である。
がしかし、現在は憎しみに囚われている、呪われている。
目の前にドンッと置かれた丼をみて目を見開く少女。
「これ、なぁに?」
「ラーメンだぜ、知らねぇのか?」
「うん、どうやって食べるの?」
みてろ、と箸を使って麺をすすり、レンゲでスープを飲んだ。
そして一言、「しみるぜぇ」とダズは呟いた。
それを見た少女は目を輝かせながら、左手に箸を持った。
初めて使うのか、少し扱いにくそうに箸で麺を2本ほどすくい上げ、口に運ぶ。
ズルズルっとダズの真似をして啜り、同じようにスープを飲んだ。
そして、「しみるぅ」とか細く可愛らしい声を上げた。
「そんなとこまで真似しなくていいんだよ」
ダズは鼻で笑いながら少女に突っ込む。
「えらく懐かれてるじゃねぇか」
「別にうれしかねぇよ」
おっちゃんの一言に反抗するかのように自分のラーメンに向き直る。
2人はズルズルと麺を啜り、瞬く間に1杯ずつラーメンを食べ終えた。
「ごちそうさまでした」
ダズがそう言って手を合わせていると少女は不思議な顔をきてダズに尋ねる。
「ごちそうさま?」
「おしえてもらってねぇのか?」
「わかんない」
ここまでかと少し呆れてダズは少女に「ごちそうさま」の意味を教え始めた。
「ごちそうさまってのは感謝の気持ちだ」
食べた食物たちへ。
作ってくれた人たちへ。
それらにも自分と同じように様々な背景がある。
その時間を、命を食すことに最大限の感謝を伝えなければならない。
それが、ダズの心根である。
ダズが2人分のお代を払おうとズボンのポケットを弄っていると、おっちゃんがそれを制止した。
「この子の分はいらねぇよ」
「いや、メンツがたたねぇよ」
「いいんだよ、おめぇのメンツなんて、それよかこいつのことを気に入った!」
おっちゃんは腕を組みながらドンッと胸を張った。
「俺のラーメンを美味そうにスープまで食ってくれる、最高じゃねぇか嬢ちゃん」
それに付け加えるようにおっちゃんは少女に聞いた。
「まぁ、何も貰わねえってのはあれだからよ、お代として、嬢ちゃんの名前を教えてくれ」
少女は目を丸くし少し固まっていたが、少しすると頬を赤くし俯いて呟いた。
「……ユキ」
「ユキちゃんか、かわいらしい名前じゃねぇか」
恥ずかしいのだろうか、ユキはずっと俯いていた。
それを見兼ねたダズは仕切り直すように声を張り上げた。
「よし、ユキ、今日は俺が夜の街を案内してやる、面白い所ばっかだぜ」
ダズを見上げたユキはこくんと頷いた。
「しっかり面倒見てやれよ、ダズ」
わーってるよ、とおっちゃんに捨て台詞のように投げかけて、ダズはユキをつれて人混みに紛れた。
フードを深く被り、目元を隠して。
特段、民衆が彼を気にかけることはない、満月の夜でなければ、ダズたち狼人間もただの市民と変わりないのだ。
夜だと言うのに街道に溢れんばかりの人混みに紛れ、その流れに身を任せる。
そうしてたどり着いたのは「みかづき」という暖簾を掲げた屋台。
ダズはこの人混みの中空席の見える屋台で数名いる客と距離をとって着席した。
「おっちゃん、ラーメン頼むわ」
「おう、ダズじゃねぇか、ラーメン一丁ね」
「みかづき」の店主は笑えば皺と変わらないような細い目の老人で、多少の貫禄がある。
麺を湯に入れて、店主がダズに話しかける。
「ここのとこどうだい、調子は」
「いつもどおりだよ、最悪さ」
「へへっ、だろうな」
固めに茹でた麺をあげ、丼に盛り付ける。
「カッセルのことは残念だよ、だがもう忘れな」
「忘れたさ、何度も」
「同族が死んでいくのを嫌ってほど見た、それは俺たちにとっちゃぁ、全部同じだよ、親友だろうが恋人だろうが、明日は我が身さ」
ドンッとダズの前に丼が置かれる。
「お前に恋人がいたことがあるかよ、弱虫ダズ」
「へっ、違いねぇや」
と自分を鼻で笑いながら割り箸を割り、「いただきます」とラーメンを啜る。
ちなみにあっさりめの豚骨醤油だ。
「やっぱおっちゃんのラーメンはうめぇや、あんま売れてねぇけど」
横目で見れば、ダズどころか屋台にすら目もくれない民衆。
「ラーメンなんて昼食えばいい、夜の人間にゃ、ラーメン食う暇もねぇのさ」
ソフィアは昼と夜で街の形相が一変する。
昼はどこも閑散とした普通の街。
夜は行商が生きがい、昼間仕事に明け暮れていた人間も夜ははしゃぎ出す。
裏には摩天楼に住まう市長がばらまいた薬がある。
この街の付近でしか取れない貴重な花を原料にした薬には疲労を回復し、テンションを高めてくれる効果があり、さらには、1ヶ月に1回の睡眠で充分というスグレモノ。
これにより、ソフィアは眠らない街と呼ばれるようになった。
民衆は屋台のラーメンなんてそっちのけで遊びに明け暮れる。
ダズがはしゃぐ人混みを眺めていると向かいの道端に少女が1人、うずくまっているのが見えた。
眠らない街といえど、夜に子供1人というのはおかしなことだった。
それに少し汚れ、ずっと座り込んでいる。
「おっちゃん、あの子は?」
「あ~、薄暮れからずっといるな、捨てられたのか」
ダズは箸を置き、人混みを飛び込んでいく
「おい、やめとけって、俺たちが人助けか?」
「見てられねぇよ」
「弱虫が、お人好しになりやがったってか?」
ダズは人混みをかき分けて対岸までたどり着く。
屈んで、少女に話しかけた。
「嬢ちゃん、こんなとこに1人で座ってたら狼人間に食われちまうぜ」
少女は顔を上げ光のない瞳でダズを見つめる。
「お兄さんは、狼さん?」
「そうだと言ったら、どうするんだ?」
「わたし、を、わたしを、食べて欲しいの」
「はぁ?」
少女の予想外の一言に思わず首を傾げてしまう。
「お願い……、食べて」
「なんで食べて欲しいんだ?」
「もう、お家に帰りたくないの、狼さんに食べられたら、もうお家帰らなくていいから」
「家出かぁ?」
「あのなぁ、食べられるってそんないいもんじゃねぇぞ、何人か食われたやつを見た事あるけどすっごい痛いんだぜ、あぁ、痛そうだったな」
確か……と思い出すように天を仰ぐダズ。
「痛いの、?」
「あぁ、痛いの嫌だろ?」
「……うん」
「こんなとこでうずくまってないで、ちょっとこっちこいよ、何にも食ってないだろ? いいもん食わしてやるから」
少女の手を握って立たせ、また人混みに戻ろうとすると少女はその華奢な体で必死の抵抗をした。
「嫌っ、嫌!」
「嫌って、別に食ったりしねぇよ」
「嫌だ、お家帰りたくない!」
その言葉を聞いてダズは少女の体を引く力を弱めた。
そんなに嫌なのか?
「お前、家でなにがあったんだ?」
少女は立ったまま泣き始める。
「おとうさんがね、わたしを叩くの、お母さんもこんな子産んだおぼえはないって言うの」
えんえんと泣きながらゆっくりと話す少女。
ダズは唖然とし、同時に微かな怒りを覚えた。
よく見れば、少女の体は汚れ、痣がいくつもあり、やせ細っている。
虐待の痕跡。
『ダズ、愛してる』
そんな少女を見て、ダズは両親の記憶がフラッシュバックする。
『たとえどんな運命の元に生まれようとも、あなたは私たちの子、私たちの精一杯の愛でどんな時だって守ってみせる』
父は一族1番の英傑、母は誰もが尊むやさしさの持ち主。
そんな2人に愛され、守られ、ダズはいつしか『弱虫』なんて言われるようになった。
父はあんなにも勇敢なのに、母はあんなにも慈愛に溢れているのに。
そんな2人も10年前に逝ってしまった。
ダズに憎悪と復讐の精神を残して。
懐かしさも感じながら、2人から受け取った愛に当てられ、この少女の両親に怒っている。
全くの赤の他人に激怒している。
「家にはいかねぇ、な、だから安心しろ」
泣きわめく少女を胸に抱きしめて頭を撫でてやる。
辛いことがあった時、母さんはこうやって慰めてくれた。
「しばらくは守ってやるから、俺といろ、な?」
いじめられた時、父さんは俺を庇って牙を剥いた。
なぜこんなちっぽけな少女にここまで気をかけているのだろうか、なんてダズは思うことすらしなかった。
ダズは運命を信じる。
こうして狼人間として生まれ、ソフィアの民衆の悪となることも、どれだけ仲の良かった友が目の前で尽き果てることも。
今、この目の前の少女と出会い、彼女の内情を知ってしまったことも、運命の導きなのだ。
抱かれて安心したのか、泣き止んだ少女の手を握り人の激流へと身を投じる。
最中、ギュッと手を握り返してくる少女を流されまいと自身に近づけて肩を包み込んだ。
「みかづき」にたどり着くと店主のおっちゃんは呆れた顔をしていた。
「なんだ、俺らが人助けか?」
「悪いかよ」
「あんまり、情を入れるなよ」
「わかってるよ、おっちゃん、こいつにもラーメン頼むわ」
仕方ねぇなんて小言を言いながらも麺を茹で、いつもより1枚多くチャーシューを入れるおっちゃん。
狼人間だなんて恐れられているが、ダズ達は元来優しい人間である。
がしかし、現在は憎しみに囚われている、呪われている。
目の前にドンッと置かれた丼をみて目を見開く少女。
「これ、なぁに?」
「ラーメンだぜ、知らねぇのか?」
「うん、どうやって食べるの?」
みてろ、と箸を使って麺をすすり、レンゲでスープを飲んだ。
そして一言、「しみるぜぇ」とダズは呟いた。
それを見た少女は目を輝かせながら、左手に箸を持った。
初めて使うのか、少し扱いにくそうに箸で麺を2本ほどすくい上げ、口に運ぶ。
ズルズルっとダズの真似をして啜り、同じようにスープを飲んだ。
そして、「しみるぅ」とか細く可愛らしい声を上げた。
「そんなとこまで真似しなくていいんだよ」
ダズは鼻で笑いながら少女に突っ込む。
「えらく懐かれてるじゃねぇか」
「別にうれしかねぇよ」
おっちゃんの一言に反抗するかのように自分のラーメンに向き直る。
2人はズルズルと麺を啜り、瞬く間に1杯ずつラーメンを食べ終えた。
「ごちそうさまでした」
ダズがそう言って手を合わせていると少女は不思議な顔をきてダズに尋ねる。
「ごちそうさま?」
「おしえてもらってねぇのか?」
「わかんない」
ここまでかと少し呆れてダズは少女に「ごちそうさま」の意味を教え始めた。
「ごちそうさまってのは感謝の気持ちだ」
食べた食物たちへ。
作ってくれた人たちへ。
それらにも自分と同じように様々な背景がある。
その時間を、命を食すことに最大限の感謝を伝えなければならない。
それが、ダズの心根である。
ダズが2人分のお代を払おうとズボンのポケットを弄っていると、おっちゃんがそれを制止した。
「この子の分はいらねぇよ」
「いや、メンツがたたねぇよ」
「いいんだよ、おめぇのメンツなんて、それよかこいつのことを気に入った!」
おっちゃんは腕を組みながらドンッと胸を張った。
「俺のラーメンを美味そうにスープまで食ってくれる、最高じゃねぇか嬢ちゃん」
それに付け加えるようにおっちゃんは少女に聞いた。
「まぁ、何も貰わねえってのはあれだからよ、お代として、嬢ちゃんの名前を教えてくれ」
少女は目を丸くし少し固まっていたが、少しすると頬を赤くし俯いて呟いた。
「……ユキ」
「ユキちゃんか、かわいらしい名前じゃねぇか」
恥ずかしいのだろうか、ユキはずっと俯いていた。
それを見兼ねたダズは仕切り直すように声を張り上げた。
「よし、ユキ、今日は俺が夜の街を案内してやる、面白い所ばっかだぜ」
ダズを見上げたユキはこくんと頷いた。
「しっかり面倒見てやれよ、ダズ」
わーってるよ、とおっちゃんに捨て台詞のように投げかけて、ダズはユキをつれて人混みに紛れた。
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