古い炎

雨ましろ

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道しるべ

先祖のひびき

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隙間から明かりがもれている。
薄暗くて向こうまでみえないけれど
先にはしっこくの空がある。

あれはケムリではないそれは、おそらく「悲運の石英」の一種である。
向こうが見ないで空に慣れないで暮らしたら、暇になるし、すくなくなり。

きれいに髪をとかし、すいとんやのりを朝食で準備されても。
すきやくわでどれほど耕しても、これまで以上になれなくて。
いままで生きてきて短いようで、救われることもなく、苦しさやさみしさで
そのしっこくの空にいきたかったから。

だから、心がやみに取り込まれそうになったら、「カチカチ」が聞こえる。
それは、人の道を踏み外しそうになっているときで
過ぎてはいけないし、とても「凶願のおびえ」になりそう。

あの日、張り詰めた空気になり響く、ひうちいしの音のようで、慰めの音。
夜明けに電柱脇のあまなつ畑でやまぜみのなく頃、
今はおねがいだから限度を超えないで、うちにおさめて心をしずめて。
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