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第五話 ~The second new world~

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 ふむふむ。だったら、『撃破者の証』もあるからアイテム枠が20個、いや、『撃破者の証』が二つだから、実質的には18個か。

 で、『結晶核』ってなんだ? ・・・・・・へ?

 もう一度読み直すが、強力な効果しか読めない。

 ・・・・・・へ??

 『結晶核』と『結晶核』は融合できる。強いほうの『結晶核』に統一される。それを使えばそれだけで好きな部類の武具が出来る。『結晶核』から出来た武具は一番長く使った武具と融合できる。ただ持っているだけでステータスが大幅に上昇する。売却値は最低でも100万ベル。

 「俺はそれを二つ持っているんですけれどもー!!?」

 ただただ驚くしかなかった自分は、その後うるさくて迷惑だと管理人に怒られました。


 ―――ログイン


 『ログインしました』

 「今日は、たまりにたまった素材で装備でも作るか。アレは必要になったときに使おう」


 ―――総合製作場


 今日は革鎧を作ろうと思っている。
 理由は、今きている装備が寿命だからだ。耐久力回復しようとしても回復できなかった。
 必要な道具を買い揃えた。これで財産はそこをつきかけている。
 まず、袖なしのベストの形状にデビルウルフの革を切り取り仕上げていく。買い揃えた道具も色々使った。

 そして胸部分を覆うデビルウルフの革の裏に薄くした『スライムボード』をしいた。そして薄く加工したデビルウルフの革を裏にかぶせた。

 今のスライムボードを入れる加工は革で作る部位全部に施したが、いちいち説明するのが面倒なので説明を省かせてもらおう。

 『デビルウルフレザーライトベスト』
 『袖の無いベアの革で作ったベスト』
 『革で作っただけに防御力は多少ある』
 『DFS+8』
 『特殊効果:なし』
 『製作評価:3』

 うん。次は、肩を守る部分。ココを四角く長方形に切り出したデビルウルフの毛皮を使う。これを5枚ずつ少し重ねて繋げ切り出す。といってもサイズは自分の肩に合わせているが。

 端にはジャイアントウルフの毛皮を3cmほどに切った細い物を縫い付けて無骨さを減らした。これが二つ。大きさは肩から肘の少し上辺りまでだ。

 弓使いは機動力が大切。刀を振るうにも拳で殴るにも足で蹴るにも動きを阻害しないように気をつけなければいけない。

 あと、デビルウルフの皮を切り出した物で肘当てを作る。端も細く加工したデビルウルフの毛皮を縫い付けた。これにジャイアントウルフの牙を上向きに取り付けた。これで肘鉄なんかしたらかなりヤバイなあ。確実に年齢指定が入るだろうに。おおこわ。

 次に、ジャイアントウルフの革を耐久力を少しでも残したまま薄く加工した『ジャイアントウルフスィンレザー』になった革でシャツ?を造る。自分の体のサイズ、体型に合わせた少しぴっちりとしたものだ。袖の長さは肘を少し越えたあたりまでだ。

 『ジャイアントウルフスィンレザーシャツ』
 『肌着とそう変わらないほどにまで薄くジャイアントウルフの皮を加工した物』
 『DFS+3』
 『特殊効果:なし』
 『製作評価:4』

 レザーベストをシャツの上にかぶせてぴったりに縫い付ける。そのときにレザーベストの着る為に開く部分にそってシャツも綺麗に切っていく。着る時に面倒くさくさせないためだ。
 さらに肩当もどきも肩、袖部分に縫い付ける。

 この世界じゃあ自分で装備を身につけないといけないからなあ。

 次は手甲部分。これはジャイアントウルフの革で作る。デビルウルフの革は比較的に防御力は高いが、その分重い。

 これは単純に切り出し、端のほうをデビルウルフの毛皮を細く切ったものを縫い付ける。これを二つシャツに縫い付ける。

 あと、手の甲や指の表側にも細かく防具をつけようと思っているので、デビルウルフの革を『デビルウルフスィンレザー』に加工してそれでまたまたぴっちりとした手袋?を一組作る。 
 大きさは肘辺りまでだが、肘部分のジャイアントウルフの牙に当たらないよう三角形に少し切って避けておいた。

 デビルウルフの革で手の甲部分と、指と指の関節の間につける小さく切り出したデビルウルフの革。手の甲部分には端に細く加工したデビルウルフの毛皮を取り付けるが、指部分に取り付ける革は小さいので毛皮は取り付けない。
 だが、親指以外の第一関節部分には小さく削りだし加工したデビルウルフの爪を取り付け、グーで殴ると肉をえぐれるようにした。

 比較的重いデビルウルフの素材で作る理由は、『殴り』のスキルで殴ったときに重量を乗せダメージの増加を期待してのことだ。

 全部縫いつけ、完成した。

 『デビルウルフ&ジャイアントウルフマテリアルアーマー』
 『ベアとウルフの素材を使った毛皮なども使った革鎧もどき。未完成状態』
 『特殊効果:『未完成』』
 『DFS+36 ATK+12』
 『製作評価:6』

 次は下半身。これはまず六分丈に『ジャイアントウルフレザー』でぴっちりとしたズボンを作る。リアルでの一般的なズボンと同じようにベルトを通すところや太もも部分の横ポケットは『デビルウルフスィンレザー』で作った。

 でもそれだと何の変哲も無いズボンだけど、まあいいや。

 デビルウルフの革で革靴を作る。これは何の変哲も無いブーツのような形状だ。膝の部分には、ちょっと大きめの肘当てと同じ形状のものを膝部分にも取り付ける。膝で蹴り上げるとグロイことになりそうだなー。

 それと、ブーツのつま先部分にデビルウルフの爪を上向き取り付けた。

 あと、デビルウルフの革でフード付きマントを作る。マントの首元には小さく加工したデビルウルフの爪を、隙間がないように外向きに取り付ける。

 フードも革で作りマントに縫い合わせた。マントもフードも、端には毛皮を取り付けた。これで完成だ!!やっと完成だァ!!

 いや、まだか。全部黒く染色した。これで統一感は出たな。ふー。今日はこれでログアウトするか。


 ―――翌日


 『ログインしました』

 「んんーっ!今日中に完成させて装備の問題点の洗い出ししたいな」

 今日はまずライトメタルを掘り出す。それと小さくて使えなくなった素材を売る。これだけでも3000ベルは手に入った。


 ―――30分後


 よし。ライトメタルと鋼鉄は自分で取れるだけとった。あとはこれで金属のアシストを入れれば完成だ!!


 ―――30分後


 よ、よし出来た。縫い付けた部分や貼り付けた部分を金属で補強した。それと、革の部分にライトメタルラインを入れた。全部白色に色を塗った。

 これで、やっと、完成だーーー!!!

 『ジャイアントウルフ&デビルウルフマテリアルライトアーマーセット ホワイトメタルアシスト』
 『JウルフとDウルフの素材を使ったかなり強い装備。攻撃のための補助も含まれている。金属補助メタルアシストもあるので防御力は更に上がり耐久力は減りにくい。拳、肘、足、膝での攻撃は敵対者を絶望の底に落としトラウマを植え付けるだろう』
 『DFS+81 ATK+73』
 『特殊効果:『防御力上昇』『攻撃力上昇』『速度上昇(小)』『物理攻撃部分反射』『魔法攻撃部分無効』『背面からのダメージを35%遮断』『拳・肘・足・膝での攻撃時に異常状態『裂傷(大)』と『恐怖(大)』を与え、状況によって『即死』させる』』
 『製作評価:8』

 うおおおおお。これは造った甲斐があったなあ。

 『物理部分反射』と『魔法部分無効』は、おそらく流石に肘の裏などには革を使ったパーツを使ってないからだな。

 とりあえず装備して林エリアのモンスターで試すか。・・・・・・最近感情が乏しくなってきている気がする。


 ―――林エリア


 「『危険察知』『気配察知』発動」

 んーーー。あ、すぐ近く居る。あの木の裏か。

 シャーーー・・・・・・

 あ、サーペントだ。3m級の大蛇だ。

 サーペントは俺に気付いた瞬間に警戒態勢に入った。俺はまず装備の防御力を確認する為に何もせずただぼうっと突っ立ったままだ。
 表示されてる防御力や攻撃力は『防具全体の合計の防御力』とか『武器の最大・・攻撃力』だからな、ちゃんと確認しないと。

 どすっ

 サーペントがタックルしてきたけど、衝撃で多少よろけただけで痛みはすこししか無かった。

 ・・・・・・この装備けっこう強いな。
 とりあえずまっすぐ殴ってみようか。

 サーペントが再度突っ込んできたところに拳を放り込んだ。

 ばぢゅっ

 「あっ」

 拳に取り付けた爪がサーペントの上あごに刺さり、拳にプラーンとぶらさがっている。

 『サーペントを倒した』
 『サーペントの牙×3を獲得した』
 『サーペントの大牙×1を獲得した』
 『サーペントの革×6を獲得した』
 『サーペントの革×5でサーペントの大革×1に出来ます』
 『サーペントの大革×1にしますか?』
 『YESonNO』

 「・・・YESで」

 ホントよく分からない。まあ、いいか。・・・・・・いいのか?

 とりあえず、攻撃力は高いということが分かった。やっぱり手っ取り早いのはPvPかなあ。

 うーん。一対多戦闘でも経験してみるか。今までは運よくギリンたちと臨時パーティを組めたからいいけど、これからもそうとは限らないしなあ。
 今の状態だと近接戦闘の方が強い気がするなあ。

 いや、弓ならこちらはダメージを食らわず低コストで高火力の攻撃が出来るけど、近接戦闘はこちらもダメージを喰らうかもしれないし、何より逃げ腰日本人チキンジャパニーズの俺はなるべく直接人を殴り殺したり蹴り殺すようなことはしたくないんだよなあ。


 ―――第一の町


 「あれ?こないだまで『町』って書いてたのに今は『第一の町』になってる。第二の町でも出てきたか?まあ、それなら今度行ってみようかな」

 ピリリリリリリリリリ

 『大型アップデート及び一部プレイヤー強制参加ランキング戦についてのお知らせ』

 なんだこれ?ふーん。音を出してまで読んで貰いたい運営からのメールか。せっかくだし確認するか。

 『プレイヤーの皆様、~The second new world~お楽しみいただき真にありがとうございます。
 2週間後に大型アップデートさせていただきます。
 このアップデートにより、今までは『町』と呼ばれていた場所が『第一の町 スラン』になり、『第二の町 ヘリナ』が追加されます。
 さらにバトルフィールドには『草原エリア』『林エリア』『森エリア』に加え、『沼地エリア』が追加されます。
 条件を満たすことで『密林エリア』『毒沼エリア』『腐敗エリア』が開放されますので、ぜひ挑戦してください。
 一部プレイヤー強制参加ランキング戦では、殆どのプレイヤーは任意での参加ではありますが一部プレイヤーは強制参加となっております。
 強制参加させられる方々の名前は、
 『I'm angel』様
 『クロノス』様
 『ケビン・サエミル』様
 『天快 誠』様
 『ドラン・クロス』様
 『ブッチャー・ムッチャー』様
 『べミリアン・ビジャン』様
 『ベルゼババア』様
の8名様になっております。
 なお、このランキング戦に置いて上位100名には褒賞があります。

 100位~51位 EXP20
 50位~31位  製作評価6以下の望む武器一つ
 30~16位   製作評価7以下の望む装備一式
 15位~11位  20秒間攻撃・防御を無効化させる使い捨てアイテム一つ

 10位~1位の褒賞はイベント最終日から1週間前に公開します。
 そして、参加賞としてプレイヤーの方々のスキルのうち一つを5Lv上げられるようにさせていただきます。
 ランキング戦は、まず1000名様に絞りこませて頂く為に最初はバトルロイヤルにより決定させていただきます。
 その後、残り1000名のうちに残った強制参加者以外はランダムでトーナメントになります。
 尚、不都合によりトーナメントに出場できなかった方がいたときの為にバトルロイヤルでの敗者になってしまったプレイヤーの皆様でもう一度バトルロイヤルを行ってもらい、上位からまた入ることが可能になります』


 ほー。運営、なんて鬼畜なことを考えるんだ。てか、なんで俺ーーー!!?しかも名前が完全にネタの人が居る気がするんですけれども!!

 ・・・・・・まあいいや。最初のバトルロイヤルのときには策略が飛び交うだろうなあ。ああやだやだ。

 はあーーー。強制参加、か。とりあえず、がんばっていこうか。
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