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作業台の上で初めから ☆
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立ったままのむさぼるような激しい口づけにクラクラしてくる。行為に夢中になって呼吸を忘れているからだけでなく、身長差でずっと見上げている姿勢であることも負担になっているのだろう。
負担になっているのはおそらく私だけではない。
「……ディオ」
首の後ろを固定していたディオニージオスの手が背中をなぞり、私の尻を撫でた。
「ナディア、僕の首に腕を回して」
少し背伸びをして、言われたとおりに彼の首に回す。
「こう、ですか?」
「うん」
顔が近いことにドキドキする。さっきまで口づけを交わしていたというのに。
すると、彼の手の位置が変わって体が浮いた。
「ひゃ」
「こうすれば、少しラクじゃないかな」
作業台の上に下ろされた。正確には、作業台と私の尻の間に彼の手がある。
「お、重くないですかっ」
女性の中でも小柄な方ではあるが、あいにく肉付きはよい。私の体を手の上に置いたら潰れてしまうではないか。手は魔術道具職人としても魔術師としても重要な部位なのに。
私が焦ると、彼は首を横に振った。
「載せたのは、君の尻を触るためだから気にしないで」
そう返して実演されると逃げ場がなくて困る。指先が動くとゾクッとした。
「でも」
「僕の気が済むまで、どうかこのままで」
断る間もなく、言葉は口づけに飲まれる。確かに立ったままよりは姿勢がラクにはなったが、尻の下が気になる。
「……濡れてきた」
「い、言わないで」
「挿れても大丈夫かな? ……いや、痛むよね、昨夜から時間は経っていないし」
どうしようかと悩む表情を浮かべて、ディオニージオスは私の首に口づけを落とす。
「ふぁ……」
首筋を舐められると、今までそんな刺激を受けたことがなかったから混乱する。くすぐったさと気持ちよさでどんな反応をするのが正しいのかわからない。
「君は濡れやすい体質みたいだね」
「それはディオが相手だから」
「想像していたよりも気持ちがいいのかい?」
耳を食まれながら質問をされると、ますます蜜を溢れさせた。昨夜から何も飲んでいないのだから渇いてしまいそうなところなのに。
私が懸命に頷けば、彼はクスッと笑った。
「それはよかった」
嬉しそうに笑って口づけをする。そのまま作業台上に押し倒された。
「あっ」
彼の太くて長い指が蜜壺に挿し込まれた。拒むことなくぬるりと奥まで飲み込まれていく。
「痛くはない?」
「異物感はありますけど……あっ」
少し動くとびっくりして、ナカがキュッと締まった。ディオニージオスが薄く笑う。
「こうされるの、好きかい?」
緩やかな抽挿でくちゅくちゅと水音が立つ。私は恥ずかしくて、でもやめてほしくはなくて、両手で自分の顔を隠しながら頷いた。
「狭いね……昨夜はよくここに入ったなあ」
「ん……」
指が二本に増やされた。それでも昨夜の彼のソレと比べたら余裕がある。圧迫感はないのだ。
「無理をさせて申し訳なかった」
「は、ハジメテは痛いものだって聞かされていたから……覚悟はしていたので」
最初は我慢して慣れるのを待つのがいいとアカデミーの友人たちから教えられていた。相手のソレが太かろうが長かろうが、痛いときは痛いから諦めろとのことだった。
「僕は君に優しくできていただろうか」
「苦しくはありましたけど……媚薬が効いたんじゃないですか?」
「媚薬……そうだな。快感を引き出して苦痛を抑える効果はあるな」
指がゆっくり引き抜かれた。蜜まみれの指先は朝日に照らされてぬらぬらと光っている。その指を彼は自身の口に突っ込んだ。満足げに笑んで私を見る。
「――そういえば、朝食がまだだったね」
「ええ」
「何か適当なものを僕が用意しよう」
食事の話題になったのでこれで行為は終わりなのかと落胆していたら、両膝の裏に手が差し込まれて左右に大きく広げられた。気が動転して膝を閉じる前に彼の大きな体がねじ込まれたので動けない。彼の頭が秘部に迫る。
「ディオっ」
「準備の前に、君の朝露をいただこう」
「待って、そこはぁっ!」
じゅるりと蜜を啜られると腰が跳ねた。気持ちのいい場所を的確にいじめられて言葉が出ない。
「ああんっ、ディオ、ディオっ」
全身を快感が駆け抜けていく。私は自分の両肩を抱き締めるようにしてビクビクと体を震わせ、達したのだった。
「ご馳走様」
「ディオ……あの、汚い、から」
「汚いものか。……医療面では気になる部分もあることにはあるが、溢れているのは君の愛液だし、あるいは僕が君に注いだものだろう? それを舐め取ることに抵抗はないよ」
心の底からそう考えているらしいことが態度からよくわかってしまって、私は都合のいい反論を返すことができなかった。悔しい。
作業台の上に置いていたお盆からカップを手に取り、彼は一口啜る。
「ナディア君の分も用意してある。冷めてしまったけれど、それを飲みながら朝食の準備が整うまで休んでいるといい」
私の頭をざらっと撫でて、ディオニージオスは作業室を出て行った。
「うぅ……」
思いが通じたということは恋人になれたのだろうか。まだ夢の中なのではないか――そんなことを考えながら、私は自分のために用意された薬草茶を口にしたのだった。
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