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4:魔導師として宮廷入りしたので、身辺警護は完璧です!
命令であれば、従うのでしょう? 1
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「――さて、と」
衣擦れの音に、アルフォンシーヌは意識を現実に戻す。そして目をまるくした。
「アルちゃん。君が元気になってくれてよかった」
上体を起こしたのは眠りの魔法をかけてもらったはずのリシャールだった。
なんで?
モニックはどうしたのかと目だけを動かして彼女の姿を探すと、ベッドに俯せになって動かなくなっている。背中がわずかに上下して見えるので、眠ってしまったらしいとわかった。
魔法を返された?
身構えて、状況を窺う。
次の行動はどうしたらいいのだろう。要人の警護を担当するのが初めてであるアルフォンシーヌは、何かが起きたら上長のモニックに従えばいいと考えて油断していた。まさかの事態に内心狼狽える。
「私が命令すれば、君は素直に従うのでしたよね。早速ですが、下着を脱いで足を開いていただきましょうか」
「えっ……」
今日はいい天気ですね、と告げるような調子で話しかけられ、にこやかな顔をされた。
アルフォンシーヌは言葉の意味を反芻する。返事に困った。
黙り込むアルフォンシーヌに、リシャールは言葉を重ねる。
「仕事ですよ。そこの長椅子に腰を下ろし、私に見えるように足を開けと命じているのです。簡単なことでしょう?」
彼は視線でベッドの脇に置かれた長椅子を示す。
聞き間違いかと思ったがそうではないらしい。緊張して、心拍数が増える。
「あ、あの……」
「ですから、こうしろと命じているのですよ」
ぐっすりと眠って身体を動かせないモニックをベッドに引っ張り上げる。そして無遠慮に彼女のスカートの中に手を入れて下着を脱がすと、リシャールの身体にもたれかけさせた。まるで大きな人形を操っているような仕草に、現実味がない。
え、待って。
リシャールの胸にぐったりとしたまま身体を預けるモニックの足を、躊躇することなく左右に開いた。
「ふ。香が効いてきたようですね。潤い始めている」
彼の手が柔らかな太腿を滑り秘部に向かう。そこまで目で追い、アルフォンシーヌは慌てて視線を外した。
「や、やめてください! モニック先生に触らないでっ!」
「ちょっと慰めるだけですよ」
「眠っている女性にそんなことをするのは、たとえあなたが王位継承権第一位という立場の人間であっても許されないことです!」
リシャールを直視しては言えなかった。だが、足下に目を向けたままではあるものの、はっきりとたしなめることができたとは思えた。
「ふうん……アルちゃんも成長しましたね。私に指図するなんて」
彼の不機嫌そうな声を聞いて、アルフォンシーヌの身体がビクッと震え畏縮する。
「指図って……」
それはいけないことだと伝えただけだ。目の前で親しい人物が意にそぐわないことをされようとしている。止めるのは当然ではないか。相手が誰であっても、アルフォンシーヌは必ずなんらかの行動を起こす。
少し思考する間があった。
「では、モニックはこのままにしておきましょう」
衣擦れの音。モニックはベッドに寝かされたようだ。少しだけ安堵した。
「――それで君は私の命令に従う気はないのですか?」
「た、戯れでそのような命令はしないでください。あ、あたしは、殿下の警護のためにここを訪ねたので――」
たどたどしく、しかし懸命に説明すると、リシャールは胸を反らせて大きな声で笑った。
アルフォンシーヌは顔を上げ、彼に怪訝な顔を向ける。
衣擦れの音に、アルフォンシーヌは意識を現実に戻す。そして目をまるくした。
「アルちゃん。君が元気になってくれてよかった」
上体を起こしたのは眠りの魔法をかけてもらったはずのリシャールだった。
なんで?
モニックはどうしたのかと目だけを動かして彼女の姿を探すと、ベッドに俯せになって動かなくなっている。背中がわずかに上下して見えるので、眠ってしまったらしいとわかった。
魔法を返された?
身構えて、状況を窺う。
次の行動はどうしたらいいのだろう。要人の警護を担当するのが初めてであるアルフォンシーヌは、何かが起きたら上長のモニックに従えばいいと考えて油断していた。まさかの事態に内心狼狽える。
「私が命令すれば、君は素直に従うのでしたよね。早速ですが、下着を脱いで足を開いていただきましょうか」
「えっ……」
今日はいい天気ですね、と告げるような調子で話しかけられ、にこやかな顔をされた。
アルフォンシーヌは言葉の意味を反芻する。返事に困った。
黙り込むアルフォンシーヌに、リシャールは言葉を重ねる。
「仕事ですよ。そこの長椅子に腰を下ろし、私に見えるように足を開けと命じているのです。簡単なことでしょう?」
彼は視線でベッドの脇に置かれた長椅子を示す。
聞き間違いかと思ったがそうではないらしい。緊張して、心拍数が増える。
「あ、あの……」
「ですから、こうしろと命じているのですよ」
ぐっすりと眠って身体を動かせないモニックをベッドに引っ張り上げる。そして無遠慮に彼女のスカートの中に手を入れて下着を脱がすと、リシャールの身体にもたれかけさせた。まるで大きな人形を操っているような仕草に、現実味がない。
え、待って。
リシャールの胸にぐったりとしたまま身体を預けるモニックの足を、躊躇することなく左右に開いた。
「ふ。香が効いてきたようですね。潤い始めている」
彼の手が柔らかな太腿を滑り秘部に向かう。そこまで目で追い、アルフォンシーヌは慌てて視線を外した。
「や、やめてください! モニック先生に触らないでっ!」
「ちょっと慰めるだけですよ」
「眠っている女性にそんなことをするのは、たとえあなたが王位継承権第一位という立場の人間であっても許されないことです!」
リシャールを直視しては言えなかった。だが、足下に目を向けたままではあるものの、はっきりとたしなめることができたとは思えた。
「ふうん……アルちゃんも成長しましたね。私に指図するなんて」
彼の不機嫌そうな声を聞いて、アルフォンシーヌの身体がビクッと震え畏縮する。
「指図って……」
それはいけないことだと伝えただけだ。目の前で親しい人物が意にそぐわないことをされようとしている。止めるのは当然ではないか。相手が誰であっても、アルフォンシーヌは必ずなんらかの行動を起こす。
少し思考する間があった。
「では、モニックはこのままにしておきましょう」
衣擦れの音。モニックはベッドに寝かされたようだ。少しだけ安堵した。
「――それで君は私の命令に従う気はないのですか?」
「た、戯れでそのような命令はしないでください。あ、あたしは、殿下の警護のためにここを訪ねたので――」
たどたどしく、しかし懸命に説明すると、リシャールは胸を反らせて大きな声で笑った。
アルフォンシーヌは顔を上げ、彼に怪訝な顔を向ける。
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