上 下
32 / 110
2:魔導師として宮廷入りしたので、研修生には課題があります。

今夜は特別授業です。※2章完結

しおりを挟む
 今夜は、宣言したように特別授業だ。

「ああ、んっ、メルヒオール、さま、これ、待って、だ、だめっ……」

 採取してきた蔓を操り、下着姿のアルフォンシーヌを縛り上げる。座った状態で両足を大きく開かせる。腕は背中側でまとめ、胸を差し出すような形で固定すると、発達中の小さな胸も見栄えがよくなった。
 アルフォンシーヌが身じろぎすれば蔓が少しずつ食い込んでいき、分泌液が滲み出る。身体を締め付ける役目を与えられていない蔓が彼女の太腿を這って、やがて秘部のあたりを擦り始める。胸の先端も同じように蔓が進み、スリスリと動き始めた。

「め、メルヒオールさま、止めて、ちょっ、安全か、あっ、どうかも、んんっ、わかんないものをっ、あたしで実験、んんっ、あっ、やっ!」

 分泌液で下着が溶け始め、秘部がさらけだされた。淡い薔薇色のそこはつやつやと光を返している。
 胸を覆っていたシュミーズも溶けて、ツンと尖った胸の先端の赤い色がよく見えた。
 メルヒオールの意識がそこに向いたからか、蔓は色付くその場所を丹念に擦る。分泌液も増し、水音が響き始める。

「お、お願い、っひっ、こんなのっ、や、なのっ」

 涙目で訴える彼女の肌は、快感を得始めているからか赤く上気している。湿り気が増しているのは、蔓の分泌液だけでなくアルフォンシーヌの体液も混ざり始めたからだろう。

「本当に服だけを溶かすみたいですね」

 アルフォンシーヌの肌に傷がないのを、メルヒオールは顔を寄せて確認する。ぬるぬるしているが、それだけだ。

「助け、てぇ、ね、ねぇ!」

 懸命に堪えるアルフォンシーヌの胸の先を、メルヒオールは手袋をはめた手で擦る。生地が傷むかと予想したが、アルフォンシーヌが身に付けていたシュミーズのように溶けたりはしなかった。

 彼女のものだけ溶けている?

 宮廷魔導師の衣類はだいたいが支給品だ。特殊な魔法で加工されている特注品であり、給料の一部として与えられている。
 メルヒオールの衣類は師範代という立場である都合もあって、魔法耐性が軒並み高い。手袋が溶けない理由に耐性をあげることはできるかもしれないが、それだけではないような気がする。
 それに、あの場にいたラウルのローブも腐蝕は見られなかった。

「アル? 君の服は支給品ではないのですか?」

 下着が全て溶けて全裸になってしまったアルフォンシーヌの拘束を解く。息が上がっている彼女は恨めしそうにメルヒオールを見上げて答えた。

「支給品ですけど……それが?」

「俺の持ち物は溶けないようなので」

 告げて、分泌液が付着した手袋をはずして渡す。
 アルフォンシーヌはそれを受け取ると不思議そうに見つめ、腹部に残る粘着質な液体を擦り付けてまじまじと観察していた。

「確かにそうですね……」

 納得しかねる様子であるが、渋々頷いている。目の前で起きている事象が観測のとおりだからだろう。

「後ほどほかの人の持ち物でも試してみますが、たぶん、溶けるのは君の持ち物だけでしょうね」

「え?」

「誰かが仕組んでいるのですよ。君を陥れるために」

 告げて、彼女がいるベッドに上がる。アルフォンシーヌを組み敷き、口づけをした。
 身体が期待をしているのか、彼女の身体がぶるっと小さく震えた。

「陥れる……なぜ?」

「気に食わないのではないですかね、最年少宮廷魔導師が」

 理由を察していたが、メルヒオールはそれを隠して別の理由を挙げる。覚えていない彼女に説明するとなると長くなる。
 それ以上に、告げてしまった後の影響が気がかりだった。まだ、そのときではない。

「嫉妬深い人が多いのね……」

 ため息。やがてその息が甘さを帯びる。アルフォンシーヌの首筋に口づけをしたからだ。

「心配しないで。俺が守ります」

 その誓いはあの日から変わらない。

「心強いです……メルヒオールさま……」

 身体を委ねられたのがわかった。深い口づけで快感を引き出してやると、アルフォンシーヌは短い舌で応じてくれた。

 次の任務の話は明日でも構わないか……。

 せっかく気持ちが昂ぶってきたのに、それを壊すのは無粋というものだろう。
 メルヒオールはアルフォンシーヌへの愛を心の中で囁きながら、優しく抱いたのだった。

《第2章 完》
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私の記憶では飲み会に参加していたハズだった(エロのみ)

恋愛
魔術協会所属の女性が飲み会に参加していたハズなのに気付けば知らない男に犯されていた、なエロシーンのみ。 ムーンライトより転載作品。

中でトントンってして、ビューってしても、赤ちゃんはできません!

いちのにか
恋愛
はいもちろん嘘です。「ってことは、チューしちゃったら赤ちゃんできちゃうよねっ?」っていう、……つまりとても頭悪いお話です。 含み有りの嘘つき従者に溺愛される、騙され貴族令嬢モノになります。 ♡多用、言葉責め有り、効果音付きの濃いめです。従者君、軽薄です。 ★ハッピーエイプリルフール★ 他サイトのエイプリルフール企画に投稿した作品です。期間終了したため、こちらに掲載します。 以下のキーワードをご確認の上、ご自愛ください。 ◆近況ボードの同作品の投稿報告記事に蛇補足を追加しました。作品設定の記載(短め)のみですが、もしよろしければ٩( ᐛ )و

【R18】偽りの夜 聖女は最愛の人の目の前で、同じ顔をした別の男に抱かれる

夕月
恋愛
今夜、聖女ブランシュは、神の子ジスランに抱かれる。 聖なる交わりには立会人が必要とされ、二人の行為を見守るのはジスランの双子の兄、アルマン。この国の第一王子でもある彼は、ブランシュの婚約者だった人だ。 かつて将来を誓い合った最愛の人の目の前で、ブランシュは同じ顔をした別の男に抱かれる――。 ムーンライトノベルズで開催されていた個人企画、NTR企画への参加作品です。 寝取り、寝取られ要素を含みますので、ご注意ください。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

騎士団長様、ぐちゃぐちゃに汚れて落ちてきて

豆丸
恋愛
  騎士団長が媚薬を盛られて苦しんでいるので、騎士団の文官ソフィアが頼まれて、抜いてあげているうちに楽しくなっちゃう話。 

孕まされて捨てられた悪役令嬢ですが、ヤンデレ王子様に溺愛されてます!?

季邑 えり
恋愛
前世で楽しんでいた十八禁乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生したティーリア。婚約者の王子アーヴィンは物語だと悪役令嬢を凌辱した上で破滅させるヤンデレ男のため、ティーリアは彼が爽やかな好青年になるよう必死に誘導する。その甲斐あってか物語とは違った成長をしてヒロインにも無関心なアーヴィンながら、その分ティーリアに対してはとんでもない執着&溺愛ぶりを見せるように。そんなある日、突然敵国との戦争が起きて彼も戦地へ向かうことになってしまう。しかも後日、彼が囚われて敵国の姫と結婚するかもしれないという知らせを受けたティーリアは彼の子を妊娠していると気がついて……

その愛は毒だから~或る令嬢の日記~

天海月
恋愛
どうせ手に入らないのなら、もういっそ要らないと思った。 なぜ、今頃になって優しくしてくるのですか? 一話読み切りの、毎回異なる令嬢(元令嬢)が主人公になっている独白形式のオムニバス。 不定期更新です。

同僚がヴァンパイア体質だった件について

真衣 優夢
BL
ヴァンパイア体質とは、人間から生まれる突然変異。そっと隠れ住む存在。 「人を襲うなんて、人聞きの悪いこと言わないでよ!? そんなことしたら犯罪だよ!!」 この世には、科学でも医療でも解明されていない不思議な体質がある。 差別や偏見にさらされるのを怖れて自らの存在を隠し、ひっそりと生きる、伝承の『ヴァンパイア』そっくりの体質を持った人間。 人間から生まれ、人間として育つ彼らは、価値観は人間であって。 人間同様に老いて、寿命で死ぬ。 十字架やニンニクは平気。 鏡にうつるし、太陽を浴びても灰にならない。 夜にちょっと強くて、少し身体能力が強い程度。 月に一回、どうしようもない吸血衝動が来るという苦しみにどうにか対処しないといけない。 放置すれば、見た目のある一部が変化してしまう。 それに、激しい飢餓に似た症状は、うっかり理性が揺らぎかねない。 人を傷つけたくはない。だから自分なりの対処法を探す。 現代に生きるヴァンパイアは、優しくて、お人好しで、ちょっとへっぽこで、少しだけ臆病で。 強く美しい存在だった。 ヴァンパイアという言葉にこめられた残虐性はどこへやら。 少なくとも、この青年は人間を一度も襲うことなく大人になった。 『人間』の朝霧令一は、私立アヤザワ高校の生物教師。 人付き合い朝霧が少し気を許すのは、同い年の国語教師、小宮山桐生だった。 桐生が朝霧にカミングアウトしたのは、自分がヴァンパイア体質であるということ。 穏やかで誰にでも優しく、教師の鑑のような桐生にコンプレックスを抱きながらも、数少ない友人として接していたある日。 宿直の夜、朝霧は、桐生の秘密を目撃してしまった。 桐生(ヴァンパイア体質)×朝霧(人間)です。 ヘタレ攻に見せかけて、ここぞという時や怒りで(受ではなく怒った相手に)豹変する獣攻。 無愛想の俺様受に見せかけて、恋愛経験ゼロで初心で必死の努力家で、勢い任せの猪突猛進受です。 攻の身長189cm、受の身長171cmです。 穏やか笑顔攻×無愛想受です。 リアル教師っぽい年齢設定にしたので、年齢高すぎ!と思った方は、脳内で25歳くらいに修正お願いいたします。 できるだけ男同士の恋愛は双方とも男っぽく書きたい、と思っています。 頑張ります! 性的表現が苦手な方は、●印のあるタイトルを読み飛ばしてください。 割と問題なく話が繋がると思います。 時にコミカルに、時に切なく、時にシリアスな二人の物語を、あなたへ。

処理中です...