23 / 110
2:魔導師として宮廷入りしたので、研修生には課題があります。
研修生なので、城外活動の課題があります 2
しおりを挟む「それに、僕だって今日の組み合わせに感謝しているんですよ。攻撃魔法ではトップレベルのアルフォンシーヌさんと一緒なら、道中は安全ですからね。期待していますよ」
そんなふうに言われるとは思っていなくて、アルフォンシーヌは目を瞬かせる。
「……そ、そうね! あたしに任せてください!」
最年少の宮廷魔導師であるアルフォンシーヌをよく思わない人に接することが多いので、拍子抜けしてしまった。
ラウルさんって、思っていた以上にいい人?
見た目の怖さや成績上位であることからいろいろな憶測が飛び交っていたが、直接話すと印象が変わる。アルフォンシーヌはこの人とパートナーになれてよかったと感じ、何かに襲われても絶対に切り抜けようと心に誓った。
――だのに。
「やっ、待って、あっ……」
ラウルが案内した森に入ったのは昼前。
人を拒むように張り巡らされた危険な植物を掻い潜り、凶暴な動物を魔法で追い払ったりしているうちにラウルとはぐれてしまった。彼を探して彷徨っている間に食人植物らしき蔓にアルフォンシーヌは絡みとられていた。
「やぁっ……」
ぬるりとした蔦がふくらはぎから太ももへと這って伸びる。消化液が出ているのか、宮廷魔導師の着るローブは溶けてしまった。同じく、その下に着込んでいたシャツもキャミソールも、ズボンも下着も液体に触れて溶け、ボロボロになった残骸が地面に落ちている。あられもない半裸の状態で、腕やら腰やら脚やらに蔦が巻きつき、吊るされていた。
どうしよう、これっ……!
動きに反応してきつく締め付けられることがわかったのでじっとしていたが、声や物音にも反応するらしく、身体中を蔦が伝うことになってしまった。
「ああっ……」
不要な物音を出さないようにしたいのに声を抑えられない。
その理由は、胸の先端を塗るつく蔦で擦られているからであり、今しがた股間に到達した蔦が器用にも乙女の溝をなぞり始めたからだ。ぬめりつく液体が秘部に触れれば、身体が熱くなっていく。
「や、やぁっ」
気が動転している。こんな状況では当然ながら魔法を使うことはできない。森ごと吹き飛ばす自信がある。
ぬるぬるした蔦が快感を引き出すかのように身体を締め付けたりこすったりしている。肌が直に外気に触れているというのに体温はどんどんと上がり、吐息も甘く変わる。
こんな感じさせられるなんて……。
官能の波が生まれている。その波の高低差が激しくなっているのを自覚した。
「ああ、いやっ、やっ!」
視界が閃く。続いて鋭い快感にびくんと身体がしなった。息が荒い。
「ずいぶんといい絵になってきましたね」
ぐったりとして呼吸を整えているアルフォンシーヌの正面から聞き覚えのある声がして、やがてその主が姿を現した。
0
お気に入りに追加
1,184
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる