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1:魔導師として宮廷入りしたので、そのお仕事はお引き受けしかねます!
意図せず歯車は噛み合って 2
しおりを挟むジャクリーヌはこの人たちを操っているのよね? 目が虚ろだし。
手首を押さえている男と足首を押さえている男の顔を見ると、生気を感じられない。人の心を操る魔法にかかっている証拠だ。
「今からあんたは彼らに犯されるのよ。たっぷりなぶられるといいわ」
宣言すると、ジャクリーヌに操られた男たちが動き出す。
「やっ⁉︎」
彼らの手が動くと、服が剥かれていく。鍛錬のときに着用する制服なのである程度の強度があるはずなのに、脱がされたり破かれたりしていく。
「いやっ! やめて!」
温室を訪れる人は少ない。冬場であれば暖をとりに訪れる人もいるが、春になってしまえば庭園に出かけることが多いので、ほとんど無人だと聞く。誰かが偶然通りがかって助けてもらうのは絶望的だろう。
「あんたが悪いのよ、アル。おとなしくリシャール殿下に抱かれていればよかったのに。なんであの場にメルヒオール先生が来るのよ? なんのために苦労して反転魔法を張ったのか、意味がないじゃない」
反転魔法?
ジャクリーヌの放った言葉に、アルフォンシーヌは一つの可能性を思いつく。
アルフォンシーヌの魔法が失敗してメルヒオールを誘惑してしまったのではと考えていたが、それは間違いだった。アルフォンシーヌの魔法は成功していたが、ジャクリーヌの反転魔法の妨害に遭ってしまった結果、効果が反転してメルヒオールを誘惑してしまった――それが正しいのではないか。
でも、なんでメルヒオールさまが部屋に来たのかの説明にはならな……!
「あっ……んっ⁉︎」
思考が停止する。全裸にされても温室のおかげで寒くはないが、そういう問題ではない。
胸を口に含まれて強く吸われ、太腿を舌が這いずり回られると身体は否応なしに反応する。
嫌なのに……どうして?
自分の口から溢れる甘い吐息がアルフォンシーヌの正常な判断を狂わせる。
「ふふ。効いてるみたいね。せっかくだから、快感を引き上げる魔法もかけておいたわ。気持ちがいいでしょ? いつか自分に使おうと思って勉強しておいたんだけど、いきなり実践というのも怖いからね。ついでに実験させてもらうわ」
「ああっ……」
助けて……助けて……!
身体が疼く。快感で思考がふわふわする。発汗し、呼吸が乱れる。
「淫らねえ。そういう姿をメルヒオール先生も見たのかしら?」
身体が熱い。はしたなく蜜を滴らせているのがわかる。
あたし、このまま犯されてしまうの?
彼らに貫かれるのはごめんだが、疼き燃え上がらんとする身体を鎮めるには受け入れるのが一番だとも認めていた。
下肢を舐めしゃぶっていた男が前をくつろげたのが目に入った。
ああ、もうダメ……。
強い官能の前に抵抗など無意味だった。アルフォンシーヌは諦めて、そのときを待つ。
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